東証2部上場の航空測量会社「アジア航測」(東京都)の女性社員が、
同僚男性に殴られて欠勤したために解雇されたなどとして、
解雇無効の確認と、
同社と男性に慰謝料など計約900万円の支払いを求めた訴訟の判決が9日、大阪地裁であった。
松本哲泓(てつおう)裁判官は
病気の治癒を待って復職させるのが当然で、解雇は信義違反」として解雇無効を認め、
同社と男性に計約250万円を支払うよう命じた。
判決によると、女性社員は大阪市在住の30歳代で、91年に入社。
同社関西生産技術部設計部に勤務していた97年3月、
男性と雑用を巡って口論になり、顔面を1回殴られた。
病院では当初、顔面挫傷などで1週間の通院が必要と診断されたが、
その後も、めまいなどの後遺症に悩まされて欠勤が続いた。
同社は99年8月、正当な理由のない欠勤として解雇を通告。
女性社員が同社に労災申請に協力するよう求めたことも「会社の業務を混乱させた」などとした。
松本裁判官は、労災申請への協力は当然としたうえで、解雇権の乱用を批判した。
使用者責任も認定し、男性と同社に損害賠償を命じた。 【宝満志郎】
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20011110k0000m030174000c.html