未発生国の牛原料の化粧品、在庫売ってよい 厚労省転換
米国、豪州、インドなど狂牛病が発生していない国の牛が原料なら、
その成分でつくった化粧品の在庫分だけは売ってもよい−−
医薬品・化粧品の狂牛病対策に厳しい姿勢をとっていた厚生労働省が29日、
こんな結論をまとめた。
脳やせき髄などを使った製品すべてを「回収指導」とした今月上旬の方針から一転、
「販売容認」となったのは約3060品目。「肌に塗るだけなら問題はない」と判断した。
対象は、保湿剤などに使われる胎盤(プラセンタ)エキスやヒアルロン酸など。
ヒアルロン酸は培養する時の栄養源・培地として脳を使うが、製造工程で
100億分の1以下に薄められるという。プラセンタも成分が100倍以上薄まり、
肌に塗るだけでは、感染の危険性は低いとした。
ただし、新たな製造は今後も認めない。各企業は厚労省の指導で昨年暮れから
今春までに、原料を豚などに切り替える対応をとっており、今回の「容認」はあくまで
在庫分に限った措置だ。
また、同じような成分でも、英国など狂牛病が多数発生している欧州産の牛が
原料の約830品目は、引き続き回収を指導する。牛の腸からつくった手術用糸など
44品目は、体内に直接入るため危険性が高い、と素早い回収を求め、すでに全品目の
回収を終えた。
厚労省は「早く回収すべきものと、そうでないものをめりはりをつけた」と話している。(23:59)
http://www.asahi.com/national/update/1029/027.html