1 :
◆gk43jgqTBM :
512kbを超えたので新スレです。
2 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:40:09 ID:/DEAjUPe0
(;^Д^)「・・仕方ない。45、逆45にパスした所であいつのフォローは確実に速い。だから止められてしまう確率が高い。ロング、サイドシュート中心で攻めるしかない」
プギャーの考えはひとまずまとまったようだ。笛が吹きなおされ、プレーが再開された。
プギャー、ショボン、ブーン、そしてまたショボン、プギャー・・とパス回しが繰り返される。
隙の無い相手のディフェンスをずらして、6メーター付近に入り込んでいくのは難しい。単独で仕掛けた所で二人がかりで止められて、シュートまではいけずにおわる。
その考えが躊躇を生んでいるのか、なかなか皆仕掛けられずにいる。審判の手も上がってしまう。早く打たないと、
パッシブプレイ(パスやドリブルだけで攻撃する意思が無いとみなされ、相手のボールになってしまう)になってしまう。
VIP高は次第に焦り始めた。早く攻撃に移らないといけないことは分かっていた。だが、いつものようにそれが出来ない。
3 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:40:52 ID:/DEAjUPe0
( ;^ω^)「皆、大丈夫かお・・?」
サイドでコーナーラインでシュートの準備をしたり、上に浮いてパス回しをするという上三枚(45、センター、逆45)にくらべてやや暇なブーンは、
今日の皆の様子を見て、また不安にかられた。どうもチーム全体の様子がおかしい。
相手の出目金だけでなく、全員から出される何か異様なオーラのせいか、いつものプレーが出来ていない。
( ;^ω^)「今は、見てるしかないお・・」
まだこっちにパスを出せる状態ではないので、ブーンには見てる事しかできないのが歯痒かった。
(;´・ω・`)「くそっ!!」
もうダメだといわんばかりに、体勢、距離など最悪な状態にも関わらず、ショボンはロングシュートの体勢に入る。そして打った。
( <●><●>) 「君がそう仕掛けてくるのはわかってたんです」
ショボンの前に二人、しかも一人は出目金がジャンプしてブロックを仕掛けてくる。ただでさえでかく見えるその体に腕までプラスされていて超えるのは難しい。
( <●><●>) 「フンッ!!」
ショボンの放ったシュートはあっさりと出目金にガードされた。転がったボールを相手がすぐに拾い、速攻の体勢に入る。
ピンキーA「わかってます!こっちだ!」
( <●><●>) 「わかってます!!」
4 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:42:23 ID:/DEAjUPe0
ピンキーAがもの凄いスタートの速さで、VIP高のメンバーを振り切っていた。わかってますはそこへ弾丸のようなパスを投げ込んだ。
そのパスをピンキーAはあっさり受け取って、数歩ドリブルした後、6m付近でシュートに入った。もうVIP高の壁は祐しか居ない。
だがその壁はあまりにも弱い。まるで手抜き工事の壁のように。
完全にシューター有利のこの状況。しかもピンキーのような強豪校がこのようなチャンスを逃す事は極めて少ない。
勘だけが頼りになった祐にとっては難しすぎる。
(´−`)「やるしか・・!!」
祐もピンキーAの前に立って、準備完了だ。ピンキーAはどちらを狙ってくるのか、見当がつかない。
全国にもなってくるとそんな目線の方向とかだけで分かるもんじゃない。
(´−`)「くぅ・・・!!!」
祐の方がしびれをきらしてしまい、左に反応をしてしまう。だが偶然にも相手が狙ったコースも左だった。
(;´−`)「取れる!!」
だが・・シュートは見当外れの方向に行く。
(;´−`)「うわっ!!!」
左といっても左下。祐はほんの早く反応してしまったのが裏目に出てしまう。思い切り飛んだので、足の間を大きく開けてしまったのだ。
5 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:43:16 ID:/DEAjUPe0
祐もピンキーAの前に立って、準備完了だ。ピンキーAはどちらを狙ってくるのか、見当がつかない。
全国にもなってくるとそんな目線の方向とかだけで分かるもんじゃない。
(´−`)「くぅ・・・!!!」
祐の方がしびれをきらしてしまい、左に反応をしてしまう。だが偶然にも相手が狙ったコースも左だった。
(;´−`)「取れる!!」
だが・・シュートは見当外れの方向に行く。
(;´−`)「うわっ!!!」
左といっても左下。祐はほんの早く反応してしまったのが裏目に出てしまう。思い切り飛んだので、足の間を大きく開けてしまったのだ。
6 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:45:27 ID:/DEAjUPe0
その間をボールがすり抜けていって、ゴール方面へと向かっていく。
(;´−`)「くっ・・・」
シュートは勢いは未だ死なずに、ゴールへと向かう。だが祐は、自分の足に少しだけボールがかすった事が少し気がかりだった。
(;´−`)「だが・・はいることにk
ガァァァァァァァァン!ポストにボールがぶつかる音がした。なんとそのシュートは祐の足にかすった事によって、ほんの少し軌道を変えたのだ。
かすらなければ、ポストの内側へと当たり、ゴールに入っていただろう。これぞ九死に一生というべきなのか。
(;´−`)「!!!!!!!!」
祐はてっきりシュートが入ってしまったものだと思い、心の準備が出来ていない。跳ね返ったボールはサイド側のゴールコート外へと、転がっていく。割とゆっくりだ。
( ^ω^)「祐!任せるお!」
ブーンがこっちに戻ってきてくれている。これで安心だ。と祐は安心しきっていた。だから、後ろから走ってくる人物に気が付いていないのだ。
(; ^ω^)「!こいつ・・!!」
ブーンのその声を聞き、祐は視界を上げる。そこにはブーンをいとも簡単に抜かして、ボールへ向かう出目金の姿があった。
( <●><●>) 「油断してましたね?」
皮肉たっぷりの声をブーンと祐に浴びせ掛けると、その転がっていたボールを奪っていく。そしてサイドシュートの体勢に入っていく。
( <●><●>) 「君じゃこのシュートを止められません。覚悟するんです」
出目金のこの自信、一体どこから出てくるのだろうか。祐は一瞬そう思ったが、すぐに考え方を改める事となる。
7 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:48:50 ID:/DEAjUPe0
(;´−`)「・・・っ!消えた!!」
出目金の打ったそのシュートは練習でみたロングシュートと同じく、消えたのだ。目の錯覚とかそんなもんじゃない。祐がゴールの方を振り向く前に、ネットは揺れている。
(;´−`)「・・・嘘だろ?」
祐は一瞬現実を疑った。だがそれは紛れも無く今起こったこと。言葉を失なってしまう。
( <●><●>) 「やっぱりたいしたこt
ピーッ!!
笛の音が鳴る。審判はラインの判定を出していた。いくら上手くてもたまには起こるものだ。
(; <●><●>) 「嘘ですっ!!」
出目金はそういいつつもダッシュでディフェンスに戻った。だが完全にジョルジュがフリーになっていたのを祐は見つける。
すぐさま、レーザーのようなパスをジョルジュに出した。
(゚∀゚)「ようやく俺の出番が来たな。任しときな」
今まで出番の少なかったジョルジュが、鬼神のように攻め込んでいく。その気迫に押されてなのか、相手もジョルジュにつくのが遅い。
そのおかげでジョルジュは完全に相手を振り切り、独走、フリーの状態になる。
(゚∀゚)「いくぜっ!ちんぽっぽ、見てろよ!!」
8 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:56:43 ID:/DEAjUPe0
ジョルジュは彼女の名前を叫ぶと、シュート体勢にはいる。完全に勢いのついたジョルジュを前に、相手キーパーは突っ立っていることしかできない。
いくら上手くても、一対一の勝負ではキーパーが止められる確率なんて、2割を割るだろう。
ラインにもジョルジュは注意してシュートを打ち込んだ。そのシュートはあっさりと、相手のゴールを割る。
先制点を奪ったのは意外にもVIP高。会場の半分以上はピンキーの応援の為、どよめきが聞こえ始める。
( <●><●>) 「このくらいで慌てるんじゃないです!勝つのはわかってます」
あくまで強気の姿勢を崩さない出目金。確かに彼のシュートを持ってすれば、得点を奪う事は充分可能だ。
だが彼のワンマン攻撃ではVIP高もその内分かるだろう。それとも、何か手があるというのだろうか。
9 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 21:02:41 ID:/DEAjUPe0
(; ^ω^)「嫌な予感がするんだお・・」
ブーンだけが相手の異様な様子に気がついた。きっと何かある。ブーンの直感がそう言っているのだろう。
だが、攻撃パターンは変わらなかった。出目金、A、Bの上三枚だけの攻撃、たまにサイドが仕掛けてくる程度だ。
だがブーンの嫌な予感は消えない。まだ何か隠しているような・・そんな感じがするみたいだ。
それを掴む事が出来ない。ブーンは気がかりで仕方が無かった。
結局試合はVIP高ペースでラスト五分になる。VIP高のセットだ。
少し流れに乗ってきたVIP高のパス回しもスムーズになっている。
('A`)「心配していた事は起こらないのかもしれない・・」
ドクオがそう思った。ホントは雰囲気だけで大した事ない?と思い始めたドクオ。
10 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 21:05:23 ID:/DEAjUPe0
それに対して、ずっと何かを考えているような表情のショボンと二年のキムチ。
(;´・ω・`)「こいつら・・最初のセットで感じたんだ。絶対にこんなもんじゃない。
今はただ僕等の実力を試しているかのような・・そんなようにしか見えないんだ」
ショボンはこういう風に解釈していた。
< ゚д゚>「ピンキー高、確かに全力は出しているように見える。だけど、これは俺が見たピンキーじゃない。
昔ピンキーの試合を一度だけ見たことがある。その時は前半は確かにこんな感じだった」
(`Д) 「後半はどうだったんだ?」
たけしが聞く。当然だろう。
< ゚д゚>「残念だが、後半は時間が無くて見れなくて・・。友達に結果を聞いたら、ピンキーが勝っていたんだ。
前半はややおされ気味で負けそうだったピンキーが」
(`Д) 「・・要は、ピンキーは後半勝負な訳だな」
< ゚д゚>「あぁ。そう見て間違いない。今のうちに俺らで何か見つけとかないといけないな。そうしないと確実に負けるだろう」
11 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 21:08:04 ID:/DEAjUPe0
二年はキムチの言葉を受けて、今まで以上にピンキーのメンバーを観察した。
そのセットではVIP高は得点を逃したものの、リードを奪っていた。
前半は結局、特に変わったプレーは何も無かった。VIP高はかなり健闘し、10対7と前半をリードでしめくくった。全員はしぃ先生のところへと集合した。
しぃ先生も、ブーンと同じで何か浮かない顔をしながら、全員に話を始めだす。
(*゚ー゚)「・・どうも相手は全ての手を出してないような気がするのよね、リードを許しても相手の顔つきは全く変わらない。
サイドも逆サイドも色々出来そうなのに、あえてあまり仕掛けてこない・・そんな気がするのよ」
一同は少し不安の色を顔に出しながら、頷く。
(*゚ー゚)「とりあえず、出目金君のマークは変えずに厳しいままね。出来るだけ打たせないようにして。
後、それぞれサイド、逆サイドの二人は相手の様子をしっかり観察しながら守って。後攻撃がイマイチワンパターンだから、
色々な攻撃を展開して、少しでも相手を混乱させなさい」
他にも色々な注意を受けるメンバー達。さすがはしぃ先生だ。相手の様子をしっかり観察している。
12 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 21:09:02 ID:/DEAjUPe0
(; ^ω^)「話を聞く限りでは、やっぱ前回のようには行かないみたいだお」
それは全員思っていた。思った以上に厄介な相手。だがこの相手を倒さなければもう先はない。
その中で二年メンバーの山崎、ネーノは何か閃きそうな感じな様子で相手を見つめている。何を考えているのかはさすがに分からない。
ブーンの嫌な予感は全く消える事が無く、後半戦を迎える事になる。
一体、嫌な予感の正体。そしてピンキーは何を考えているのだろうか。
( ^ω^)「さぁ!皆いくお!!」
第二十九話 嫌な予感 完
13 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 21:09:48 ID:/DEAjUPe0
( ^ω^)
>>1乙ですお!生きるのは大変スレから来ましたお
つづきは?
16 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 02:20:46 ID:/x1atTHAO
続きは時間のある時に・・
今週は忙しいのでいつになるかは未定です。
申し訳ありません。
17 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:36:50 ID:DpnvCdmV0
第三十話 ピンキーの逆襲
今にも後半が始まろうとしていた。
ブーンはもう一度メンバー+二年を集合させた。
(; ^ω^)「皆も感じているかもしれないけど、あちらのチームはまだ何か隠している気がするんだお。メンバーは充分注意して挑むんだお。
リードしてるって思っちゃダメなんだお。絶対に油断するなお。
あと二年生は相手の弱点を探してくれお。それと前半結構走ってるから、交代あるかもしれないお。
しっかり準備しといてくれお」
二年は言われなくても分かってる!という感じの顔で、
二年「はいっ!!」
元気な返事をした。その返事にメンバーたちも少し元気がでたみたいだ。
18 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:37:33 ID:DpnvCdmV0
ピーッ!!
後半スタートの笛がなる。相手のポストが定位置に入り、相手のセットが始まった。雰囲気が何か違う気がする。攻撃的な雰囲気に変わったような・・
そのわずかな違いにショボンは気が付いているようだ。
(;´・ω・`)「くっ・・やはりこれは。絶対に仕掛けてくる。これほどまでにわかりやすく変わるなんて・・」
きっとドックンは呑気だから気が付いちゃいない。プギャーはどうだろうか?とりあえず顔を見てみた。
(;^Д^)「・・・・・・・・」
少し嫌そうな顔をしながら、センターの出目金(わかってます)を見つめている。これは気が付いてる様子だ。
ショボンはすぐに45へと視線を戻してディフェンスに集中する。既にパス回しが行われていた。
19 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:39:23 ID:DpnvCdmV0
鮮やかなパス回し。今まで見てたなかで一番綺麗な形でスムーズに行われている。おそらく一番だろう。
そしてしばらくパス回しをした後、動きが機敏になってきたピンキー。そろそろ仕掛けてくる頃だ。
パスは45に渡った。そしてセンターの出目金が前に出てきた。これは完全に仕掛けてくる。プギャーはそう思い、パスを貰ってゼロステップを踏んだ出目金の前に立つ。
(^Д^)「勝負d・・」
その言葉を言い終わらないうちに、出目金はプギャーを抜いていた。速い。速すぎる。なんて身のこなし・・プギャーはあまりにも呆気なく抜かれたので少し放心した。
だが、カバーに入ってきたドクオのお陰でその場はなんとかホールディングで回避できたが、危ない所だった。
後半開始早々、ゴールを決められてしまうとイマイチ士気もあがりにくくなってしまう。
プギャーは確信した。自分ひとりで出目金の相手をするのは正直、ヤバイのではないか?
20 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:40:19 ID:DpnvCdmV0
ハーフでも出目金攻略法を思いつくことは出来なかった。プギャーは不安で不安でたまらなかった。
(;^Д^)「・・・・初めてここまでマズイって思った。でもあきらめるわけにはいかないんだ」
その独り事も皆の耳には届かず、虚しく響くだけだった。
相手のセットがまた再開される。相変わらず、綺麗な、簡単に相手を翻弄できるパス回しは変わらない。
いや、前半よりもさらにキレを増した感じになっている。後半に力を発揮するタイプのチームのようだ。キムチが言っていたとおり。
そのボールを目で追いかけるだけでも集中力を要いるほど、隙がなく、いつ仕掛けてくるのか分からない。
45→センターにパスが渡ると、また出目金は何かをしようとする構えに入る。プギャーはその相手の攻撃を潰すため、前進し追撃体勢へと入った。
(^Д^)「これ以上、簡単にやらせるわけにはいかない!!」
プギャーが出目金を押さえ込もうとする。だが出目金が狙っていたのは一対一の勝負ではないようだ。
( <●><●>) 「フンッ!!」
軽くステップを踏むと、その大きな体で、ステップシュートを狙う出目金。プギャーは自分が思っていたパターンと違い、動揺する。
( <●><●>) 「行きます!!」
出目金がいい感じに勢いをつけると、仕掛けてくる。あの凄まじいスピードのロングシュートが来ると想像し、祐は思わず身構える。
(^Д^)「させるかよっ!!」
21 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:44:28 ID:DpnvCdmV0
まだプギャーは諦めていない。シュートを打とうとしていた出目金にしっかりと近くに行き、思い切りジャンプしブロックに入った。
プギャーは体は標準的だが、ジャンプ力は人一倍ある。なのでブロックは充分出来る高さにいた。
(; <●><●>) 「ッ!!」
流石にこんなに速いスピードで近くにこられて、おまけにこんな高いブロックを仕掛けられたのはわかってますでも想定外だった。
少し動揺して手元が狂う。だがそのボールの勢いは弱まらずに、手から離れる。
プギャーはその放たれたシュートに向けて手を伸ばす。
(^Д^)「頼む・・届け!!」
バシイッ!!そのボールは音を立てて地面に落ちた。そのボールをすぐに貰い、プギャーは一次速攻へと駆け出した。
(;^Д^)「決める・・うりゃッ!!」
22 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:45:39 ID:DpnvCdmV0
プギャーはあっという間の速さで、相手の6mラインへと到達し、シュートの体勢に入る。
その気迫はさながら武将を思わせるものがある。相手のキーパーは一歩後ろに下がりたくなった。
だがここで引いたら負けだ。キーパーは一歩踏みとどまって、止める体勢へ移行した。
だがその時はもう手遅れだ。キーパ−が反応を始めたその時にもう、シュートはゴールを割っていたのだから。
キーパー「・・なんて速さだ」
思わずそうもらしてしまった。いつものプギャーのシュートは充分速いが、このシュートは更に気迫も上乗せされている。
6mからのシュートでまず止められることはないだろう。
(;^Д^)「・・・・」
だがプギャーはシュートを決めたというのに、何か浮かない顔をしている。
(;^Д^)「・・・っ。腕が」
わかってますのシュートをモロに片手で受けてしまったために、肘のあたりに強烈な痛みがプギャーを襲う。
(;^Д^)「う・・ぅぅ」
その様子にブーンが気が付き、ダッシュで近寄った。
(; ^ω^)「プギャー、大丈夫かお!!」
だがその言葉に返答が出来ないほど、プギャーの腕の痛みは凄まじいものだった。
( ^ω^)「しぃ先生!!プギャーを交代してあげてくださいお!!」
(*゚ー゚)「わ、わかったわ!!センターが出来るのは・・」
しぃ先生もいきなりの事だったので少し慌てているらしい。そこへ一人の選手がやってきた。
23 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:46:26 ID:DpnvCdmV0
???「先生、僕にいかせてください」
(*゚ー゚)「その声は・・」
( ^^)「任せてください。センターは得意なほうです。それに秘策があります」
山崎だった。彼はオールラウンダーなのでどこでも出来る巧みな能力を持っている。しぃ先生は山崎に任せてみる事にした。
(*゚ー゚)「じゃあ任せるわ。でもひs
しぃ先生に話しかける前に、山崎は勢いよくコートへと飛び出していった。
(*゚ー゚)「・・・まぁいいわ。頑張ってね」
その姿をしぃ先生は静かに見送っていた。
山崎はグランドにでると、ブーンに少し話をした。その話を聞いたブーンは少し不安の色を顔に出した。山崎はその顔を見向きもせずにディフェンスへとついた.
一体彼は何を考えているのかは彼以外にはよく分からない。
ピーッ!!試合再開の笛がなる。相変わらず、わかってますを中心に、パス回しを展開してくる相手。
だがこのVIP高のディフェンスから少し様子が変わっていた。
VIP高のディフェンスは1−5ディフェンスへと変化し、山崎はずっとわかってますにマンマークをかける大勢に入っている。
(; <●><●>) 「新しい形・・でも所詮はこけ脅しです」
一瞬わかってますは焦ったが、すぐに冷静差を取り戻し、パスを受け取る。目の前に山崎が立ちはだかる。
( <●><●>) 「この程度のディフェンスをぬけないようじゃ、通用しません」
そういうと、ゼロステップを踏み、鮮やかな体さばきを見せて、簡単に山崎を抜いて見せた。
24 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:47:34 ID:DpnvCdmV0
( ^^)「・・・・・・・・・・」
だが山崎はまるで動揺する様子を見せない。ショボンが素早くフォローに入ったお陰で、シュートまではいかなかったが。
(;´・ω・`)「山崎・・一体何考えているんだい?」
ショボンが問いただしてみるも、山崎は、
( ^^)「僕に任せておいてください」
これしか言わない。さすがのショボンも少しあきれ気味だ。
( <●><●>) 「楽勝です。こんな奴・・」
ピッ!!相手の攻撃が再開される。相変わらず山崎はマンマークについたままだ
( <●><●>) 「全く、意味のないことやってもしk
わかってますがパスを貰うその瞬間・・山崎は全身の筋肉をフルに使い、そのパスをカットしに反応した。
(; <●><●>) 「!!!!!!!」
気が付いた時にはもう遅かった。わかってますが見たのは、遥か前をドリブルして走っている山崎の姿だった。
(; <●><●>) 「早くディフェンスに!!!」
わかってます含めるピンキー一同はダッシュでディフェンスに戻っていく。だが山崎との差がなかなか埋まらない。
(; <●><●>) 「そんな・・なんでドリブルしてる相手に追いつけないんだ」
結局山崎のフリーでのシュートを許してしまうピンキー高。あっさりとゴールを決め、呆然としているわかってますにこう山崎は、
( ^^)「俺は昔からドリブルとダッシュで負けた事ないんですよ」
25 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:48:39 ID:DpnvCdmV0
それだけ言い残して、自分の陣地へと戻っていく。
山崎は見事、相手に行きかけた流れを引き戻して見せた。これは大きな仕事だ。
( ^^)「ここからですよ」
そうメンバーに声をかけてセンターの位置へと戻っていった。
< ゚д゚>「あいつ・・よくあんなパスカットを狙いにいったな」
ベンチではキムチが山崎の事を誉めていた。パスカットは上手く相手の動きを読めなければ成功しない。
ましてや全国レベルのチームになればなおさらだ。
< ゚д゚>「確かにパスカットを狙うとはいってたけど、あんな強引に・・」
(`Д)「いや、あえて狙っていったんじゃないの?」
たけしが口をはさんだ。イマイチ意味のわからなかったキムチはこう聞き返した。
< ゚д゚>「あんな状態で?確かに出目金にはマンマークだったけど・・・下手したら抜かれてゴールだぜ?」
(`Д)「確かに普通の人ならそう思うよ。だからこそその心理状況を利用して仕掛けたのさ」
山崎はあえて自分を危機において、自分を奮い立たせて今のプレーをしにいったのだ。やられちゃいけない。その危機感が彼の能力を最大限に引き出し、見事に成功させた。
経験がものを言う勝負であることは間違いない。初めてならば失敗する確率は極めて高かった。
< ゚д゚>「・・あいつの底力か」
キムチは少し納得したようだった。
26 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:49:25 ID:DpnvCdmV0
山崎はそれからも活躍を見せる。なんとわかってますを一対一のプレーで止め始めたのだ。
最初は簡単に抜かれることしかできなかったのに、相手のプレーを読みきり、すぐに対応する。
山崎は恐ろしいくらいの対応力の持ち主だったらしい。このプレーを機に少しずつわかってますは焦りだした。
(; <●><●>) 「何故こんなに簡単に止められちゃうんですか。なんで・・」
決してわかってますの体力が落ち始めたわけではない。むしろ前半よりも動きはよくなっていた。
それなのに何故、山崎を抜くどころかロングすら簡単に打たせてもらえなくなった。山崎がしっかり機能しているからだろう。
(; <●><●>) 「ううっ!!」
わかってますは山崎のマンマークに慌て、ロングの精度も落ち始めてきた。そのロングを祐はあっさりと受け止める。
(´−`)「速攻!!」
祐はあたりを見回した。ブーンのスタートがいい。これなら出せると確信した。
(´−`)「ブーン、出すぞ!!」
( ^ω^)「任せろお!!」
祐からのライナーパスを敵の目の前でしっかりと受け止め、サイドの方向へ走っていく。何故あえてそちら側に走ったのか?
それは多分自分への挑戦だろう。相手ではなく自分に負けない為の。
( ^ω^)「必ず決めるお!!」
27 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:50:34 ID:DpnvCdmV0
流石にブーンの足においつける選手はいない。独走状態のままキーパーとの勝負に入る。
( ^ω^)「おおっ!!」
思い切りシュートを右上へと放った。そのシュートに相手のキーパーも反応した。
( ^ω^)「入れお!入ってくれお!!」
ブーンは願う。ここで決められなければ自分は変われない。そしてチームは負ける。
その思いがブーンを必死にさせる。キーパーの腕が届きそうになる。ブーンはひたすら願った。
バシッ!!ピッピッピッ!!得点の入った笛の音がした。
そのシュートは一度キーパーの腕に当たったものの、勢いを殺す事は出来ず、ゴールへと入っていった。
(* ^ω^)「やったお!もうこれでプレッシャーなんて恐くないんだお!!」
見事にプレッシャーに打ち勝ったブーン。これは大きな自信へと変わるだろう。だがこれだけ取っても相手との差は近い。
13対11 たった二点の差だ。わかってますを始めとしたピンキーの猛攻も緩む事はなかった。
それぞれがそれぞれしっかりとした動きを行っていた為、そこからの差はなかなか埋まらない。
そのまま二点差で、ついにラスト五分を迎える事となった。
( <●><●>) 「・・まさかにこんなにてこずるなんて。この手は使いたくなかったんですが」
少し躊躇気味にそう言った。そしてチームメイトへと指示をだし、試合は再開する。
またどこか雰囲気の変わったピンキーに少し違和感を覚えるVIP高。だがそんなに細かいことを気にしている暇は無かった。
28 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:51:44 ID:DpnvCdmV0
( ^ω^)「みんな!落ち着いて今まで通りのディフェンスをするお!!」
いいタイミングでブーンが声をかけたお陰で、チームは一身同体になった。ディフェンス方式は1−5のままだ。
( ^^)「この雰囲気・・また何か違う事を仕掛けてくるはずだ」
山崎もこれには気がつき、集中力をもう一度高め直した。そしてディフェンスの体勢をとった。
パス回しが続く。いつ仕掛けてくるかわからないこの緊張感が襲う。VIP高は慌てずにプレーできるだろうか。
その状態をいきなり破ったのはわかってますだった。
( <●><●>) 「仕掛けます」
そのサインを全員へと伝達する。そしてわかってますは山崎と勝負に出る。先ほどの雰囲気とは勢いがまるで違う。
(; ^^)「・・・!!」
山崎でさえ一瞬躊躇するような感じた事の無い強力なオーラ。だがここであたらないわけにもいかない。
(; ^^)「やらせない!!」
そういい、わかってますをホールディングしにいく。だがそこにあったわかってますの姿は一瞬にして消えた。
(; ^^)「なっ!!」
山崎の前に残ったのはかすかな残像だけだった。後ろを向いた所でもう遅かった。すでにシュートの体勢へと入っていた。
29 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:52:29 ID:DpnvCdmV0
(^Д^)「すぐフォローだ!ドクオ、ショボン!!」
さっき腕の痛みで交代したプギャーが叫んでいる。ドクオは慌ててフォローへと向かった。
(;'A`)「間に合うか!?」
ドクオはシュート体勢に入ったわかってますを見る。そしてシュートコースを潰しに入ろうとする。
(゚∀゚)「チッ!!」
ドクオがいなくなったことによってジョルジュは少し中に入っている。わかってますはいきなりサイドの方向を向いたかと思うと思い切りそっちへボールを打ち込む。
(;'A`)「何を!?」
ドクオがそういった瞬間に相手のサイドは高く飛び上がっていた。ジョルジュが中によった事によって、サイドの角度が広くなっていた。なのでシュートを打つには充分だ。
(;゚∀゚)「しまっ
30 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/12(金) 23:55:35 ID:DpnvCdmV0
そう言ったがもう遅かった。相手のサイドは空中でパスを受け取って、そのままシュートを投げ込んだ。
あまりにも打点の高いそのシュートに成すすべなくゴールを決められてしまう。
(;´−`)「・・今まで見たこともないプレーだ」
VIP高は圧巻された。さすがは全国と改めて納得させられる。
その後、流れは相手に再び握られてしまい、ラスト30秒の時点で逆転を許してしまったVIP高。
オフェンスが始まっても、焦りは収まらない。なかなか攻め込めない、固いディフェンス。それに阻まれる。
ラスト10秒で審判の手が上がる。絶対絶命のVIP高。これからどうするべきなのか。
痺れをきらしたかのようにショボンが切り込みを始めた。
(;´・ω・`)「ちくしょう!!」
気迫は充分だ。ディフェンスをいとも簡単にわり、シュートの体勢に入ろうとするも・・
(;´・ω・`)「うわっ!!」
相手に倒されてしまった。その瞬間笛がなり、相手にイエローが出る。そしてフリースローになった。
このフリースローがVIP高の運命を握っている・・
第三十話 ピンキーの逆襲 完
31 :
私事ですが名無しです:2007/01/13(土) 16:37:36 ID:gxmxsg9mO
32 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/13(土) 20:23:47 ID:hjTZSMVMO
33 :
私事ですが名無しです:2007/01/13(土) 22:41:03 ID:gxmxsg9mO
34 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/13(土) 23:05:02 ID:hjTZSMVMO
>>33 こちらこそ俺の作品を見てくれて嬉しい限りです。
35 :
私事ですが名無しです:2007/01/13(土) 23:08:25 ID:erYeQGtz0
( ^ω^)つづきが見たくてウズウズしてるお
36 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/13(土) 23:54:39 ID:9T0sQAfK0
第三十一話 奮起、VIP高
ラスト三十秒。その時間さえVIP高には貴重な時間となっている。
逆転を許してしまったVIP高。このフリースローを逃せばもう、シュートを入れる機会はゼロといっても過言ではないだろう。
シューター、ショボンは大きな不安に襲われていた。緊張するのは当たり前なのだが。
(;´・ω・`)(ここで僕がシュートを入れられなければ・・負けは確定するよね。こんなプレッシャー、初めてだ)
目の前の並んだ相手がいつもよりも一回りも二回りも大きく見えた。緊張というものはここまで精神を追い詰めてしまうものか。
本当に極限の緊張を背負い、ショボンはこのコートに立っているのだ。
(;´・ω・`)(ここで僕がシュートを入れられなければ・・負けは確定するよね。こんなプレッシャー、初めてだ)
目の前の並んだ相手がいつもよりも一回りも二回りも大きく見えた。緊張というものはここまで精神を追い詰めてしまうものか。
本当に極限の緊張を背負い、ショボンはこのコートに立っているのだ。
(;´・ω・`)(自分が今までやってきた事を全部だす。それだけだ。狙うはキーパーから遠めの下だ)
ショボンは狙うコースを決めた。普段の彼ならば狙いをつけることなど朝飯前。だがこの極限の精神状態の中で同じことが出来るのか。
精神の強さがものを言う。ショボンならばいける可能性は高い。
それぞれ準備が整った。ボールを持っているのはプギャーだ。彼もまた、同じようにプレッシャーを感じている。
(^Д^)「・・・よしっ!!」
37 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/13(土) 23:56:50 ID:9T0sQAfK0
それを振り払うかのように、一息入れた。そしてパスを出す準備をした。
(^Д^)「俺が相手から見えないようなパスを出さないと相手を惑わす事が出来ない。ばれればショボンかドクオ、どっちが打つか分かるからな」
ある意味、一番大切なのはプギャーのパスかもしれない。
ピーッ!!合図の笛がなる。VIP高オフェンス、ピンキーディフェンスが一斉に動きだす。それぞれの緊張も高鳴っていた。
(^Д^)「行くぞ!!」
プギャーの声とともに、ショボン、ドクオが一緒に動く。まだ相手はどちらにボールが渡るか予測はできていない。
( ;<●><●>) 「分かるはずなのに、分からないんです!!」
一瞬わかってますがわからないですになるくらい、見事にプギャーの持っているボールは相手から隠れている。
( ^ω^)「お願いだお・・」
(゚∀゚)「上手くやってくれ・・」
38 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/13(土) 23:59:15 ID:9T0sQAfK0
両サイドの二人はその姿を見つめる事しか出来なかったが思っていることは一つに統一されている。この状態では統一されるのも当たり前だが。
ショボン、ドクオが走りこんできた。プギャーにはその二人の姿がいつもよりも数倍速く見えていた。
(^Д^)「・・・ッ!!」
プギャーは無言でショボンにパスを出した。そこでようやく相手はショボンにパスが渡った事に気が付いた。
( ;<●><●>) 「ブロックにかかるんです!!」
わかってますがそう言った時にはもうショボンは地面を思い切り蹴り、空へと浮いていた。
(´・ω・`)「必ず決めるさ!!」
ショボンは一瞬皆の方を見て、また振り返り、シュートを打つ方と反対側を見つめる。キーパーはそれに気がついて、反応の準備を始めていた。
(^∀^)(上手く騙されているな・・決めてくれ、ショボン!!)
(´−`) (お前のほかにその役目が務まる奴はいないんだ。必ず・・!!)
全員の思いはショボンの打つシュートへとゆだねられた。
(´・ω・`)「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」
今までに無い形相、気合で自分の思い描いたシュートを全力で打ち込む。コースはばっちりだ。キーパーは目線のせいで反応が遅れていた。
このタイミングならば十中八九は入る。コースも絶妙だ。丁度ポストに当たるか当たらないかのスレスレのコース。
(*゚ー゚)「入る!?」
しぃ先生を始めベンチメンバーも思わず総立ちでその光景を見つめている。観衆も同じだ。
39 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:01:12 ID:9T0sQAfK0
ピンキー応援団はさっきから信じられないと言った様子でその光景を眺めていた。これほど先のわからないゲームを見たことがなかったのだろう。
思わず目を逸らしているものさえいた。
(´・ω・`)「頼む!!」
その声しか出ないショボン。もうそれしか口に出来ない状況なのだ。
グランド、観衆はそのボールの行方を追う。
その悲鳴と歓声の中で、VIP高の見た結果とは。シュートの行方は・・・
ガァァァァァァァァァァァァァァァンンッ!!!!!!!
いつもよりもさらに轟音を立ててそのボールはポストから跳ね返っていた。外れた。しかもそのボールはこぼれている。もう時間もない。
40 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:03:49 ID:d8JWrtsg0
(;´・ω・`)「そ、そんな・・・・」
ショボンは膝を割る。もう無理だ。その考えだけが頭の中を支配した。
だがそこにはまだあきらめない奴が一人いた。
( ^ω^)「まだおわってないお!!」
ブーンがもの凄い勢いで中まで入りこんでいた。あの位置なら転がったボールも充分に拾える。
だが何故ブーンがこんなに簡単に相手のディフェンスをくぐりぬけ、ボールを拾える位置にやってきたのか。
それは完全にシュートだけ止めれば終わるという相手の考えで、外にいたオフェンス陣など全く気にかけていなかったからだ。
ボールだけに意識が飛んでいたのがVIP高にとっては不幸中の幸いと言うべきなのだろうか。
( ;<●><●>) 「しまった!!早くディフェンスに戻るんです!!」
わかってますがそう言ったがもう遅かった。既にブーンはシュート体勢へと移行している。今手を出せばPTは確実だ。
ブーンのその姿をピンキー一同は指を咥えてみているしか出来ないのだ。頼みはキーパーだけとなった。
( ^ω^)「みんなの思い・・ここで終わりにするわけにはいかないんだおぉぉ!!!」
さっきのショボンにつられてか、今まで聴いたことの無い叫び声に似た声を出した。思わずキーパーは一瞬ひるむ。
( ^ω^)「・・・・・!!!」
ブーンはキーパーを見つめ続けながら、落ち着いてシュートコースを決める。そして・・シュートを放った。
6メーターでの対決ならば九割方シューターの勝ちは確定したようなものだ。だがこの状況。ブーンは飲み込まれていないだろか。
41 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:05:35 ID:d8JWrtsg0
( ^ω^)「おおおおおおおお!!!!」
キーパー「はっ、はy
キーパーが言葉を言い終わらないうちにそのシュートはゴールネットを揺らしていた。凄まじいシュートだ。今までで見た中で一番速いんじゃないか?
プギャーですらそう感じたシュートだ。試合はまた振り出しへと戻ったのだ。
だが時間はもうない。相手がセンターラインに戻った時にはもうラスト10を切っていた。急いで攻め込み、遠い所でシュートを打つも簡単に祐に止められてしまう。
祐が思い切り相手ゴールに向かいシュートを打ち込んだ時点で、
ピッピッピー!!!試合終了の笛がなる。勝負は県決勝の時のようにPT戦へと持ち込まれた。
全国初出場でこの成績、それだけでも凄いのに強豪校相手に互角の勝負を繰り広げている。
それぞれのチームが集まる。VIP高の方ではしぃ先生が話を始めていた。
42 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:07:26 ID:d8JWrtsg0
ξ゚听)ξ「皆・・ブーン。負けちゃ嫌だからね?」
そっと肩を叩かれた。ツンは少しビックリしながら後ろを向く。クーだった。
川 ゚ -゚) 「きっと彼等ならやってくれるさ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
川 ゚ ー゚) 「彼等の事は私たちが一番よくわかっているだろう?」
ξ゚ー゚)ξ「・・・・うん!!」
ツンはクーの言葉で少し安心したようだ。いざという時にはやっぱり頼りになる。だがクーは、
川 ゚ -゚) (祐、しっかりやんないと後で・・)
心の中で祐に対するお仕置き、応援を一緒に考えているようだ。恐ろしい・・
43 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:10:12 ID:d8JWrtsg0
そしてついにPT対決が始まろうとしている。先攻はVIP高。一番手はプギャーである。ゆっくりと位置に向かっていくプギャーと相手キーパー。
二人とも目を合わせようとはしない。それぞれが自分の世界へと入り込んでいた。
(^Д^)(やっぱ一番手である俺がしっかり決めなきゃチームの勢いがなくなっちゃうからな。絶対負けたくない。
ここまでこれた事で奇跡なのかもしれないが、俺はその奇跡を起こし続けたいんだ)
(^Д^)(それに・・レモナさんにも顔向けできないからな)
全国大会に行く時にあったレモナさんにベタ惚れなプギャーはそう思う。初めてメールした時に、
「必ず優勝しますからww」
と大見得を切った。そしたら、
「ホントに?じゃあ優勝したら一緒にどっかいこっか♪」
こんな事を言われてしまったかには、チームのためもあるが自分のためにも負けるわけには行かなくなった。
プギャーは自分の神経をボールへと一気に向かわせる。そしてゴールをにらめつける。それと同じように相手もプギャーを睨み返していた。
だが今日のプギャーの気迫はいつものようではない。もっと凄まじいものを感じたブーンたちは何か安心感のようなものを感じていた。
( ^ω^)「きっとプギャーは決めてくれるお。そんな気がするんだお」
自分に言い聞かせるようにブーンはそう独り事を口にする。いよいよPT戦の幕開けだ。
ピーッ!!審判の甲高い笛の音がコートに響き渡り、双方はついに勝負の構えへと移行した。
(^Д^)(狙うとしたら・・あそこしかないな)
プギャーは既に狙うコースを決めている。一本集中だ。
44 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:11:47 ID:d8JWrtsg0
間髪もいれず、速攻で相手のキーパーの左下を狙う。PTで勢いをつけられないと言うのにそのボールの威力はロングシュートの威力とさほど変わらない。
思わず相手キーパーは動揺し、すぐに反応を起こす事はできなかったものの、スライディングをした。
タイミング的には、ギリギリで間に合うかもしれない距離だ。どちらが勝つのかはまだ分からない。
会場中が静まり返って、そのシュートの行方を見守った。それぞれが祈るような構えで・・
そのシュートはゴールへと真っ直ぐに向かっていく。小細工無しの真っ直ぐなシュートだ。
(^Д^)「コースは完璧なんだよ!取れるはずが無い!!」
もう少しでキーパーの横をすり抜けようとしている。そのボールを必死に取ろうとする。
ガァァァァァァァァン!!バシッ!
45 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:14:08 ID:d8JWrtsg0
そのシュートはポストの角に当たり、キーパー方面へと転がり、偶然にキーパーの体へと当たり、前へと転がった。
VIP高からはため息、落胆の色を隠せない様子がうかがえた。ピンキーは歓喜の色一色だ。
(;^Д^)「しまっ・・・・」
プギャーはもう次の言葉は出せなかった。外した自分の不甲斐なさと負けに直結するかもしれないという不安のせいで。
そのプギャーの肩を優しく叩く選手が一人いた。
( ^ω^)「きにしちゃダメだお。きっと後の皆が何とかするんだお。心配するなお」
ブーンだった。キャプテンらしい温かい言葉をかけ、プギャーをみんなの方へと導いた。
誰もプギャーに対して怒る奴はいなかった。祐がプギャーに軽くウインクして、ゴールへと向かっていった。
46 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:18:13 ID:d8JWrtsg0
(^Д^)「・・・・あいつ」
プギャーはこのとき心から彼等がメンバーで幸せだと思った。このチームで本当に良かった。と。
そして今度はピンキー側のシュートとなる。先頭はサイドの選手だ。彼のシュートもまた強力だった。PTで止めるには難しすぎるシュートだ。
(´−`)「・・・・・」
それでも祐は無言の状態で落ち着いていた。全くパ二くる様子も見受けられない。
(´−`)(いつもやってきたことをここで出せばいい・・見ててください、しぃ先生。三年間の集大成をここで発揮してみせます)
祐はしぃ先生が言ってた言葉「いつもやってきた事を出す」という事を何度も頭の中で復唱していた。
さっきと同じように、互いに睨みあう。お互い一本も引くような構えは見せない。
(´−`)(俺は・・自分自身に負けない!!)
ピーッ!!シュートのサインが出た。祐、シューターが互いに構えを取った。
祐はずっと相手の手首へと意識を集中する。一度相手がフェイントを使うも全く動かなかった。
多少焦った相手が左上へとシュートを打ち込んできた。焦ったシュートではあったがコースは抜群にいい。
(´−`)「ちぃっ!!」
いかんせんコースが良すぎる。祐が半分無理だと思いながら反応を始めた瞬間、
ピーッ!!
笛が鳴った。審判がラインの判定を出した。
47 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:20:59 ID:d8JWrtsg0
PTは7mラインに一本白線を引いて、それを踏まないようにしてシュートを打つ。踏むとラインになりそのシュートは無効になるのだ。
(´−`)「儲けた!!!」
VIP高は歓喜の声を上げる。ピンキーは初歩的にミスによって大きく士気がダウンしているようだ。
( ^ω^)「これは・・チャンスかもしれんね」
ブーンがそう呟いた。
その後二番目のどちらのシューターもシュートを外すという状態に見舞われたPT戦。勝負はラストのシューターにかかることになった。
もちろんラストのシューターはブーン、わかってますだ。いわば大将戦である。
( ^ω^)「僕が決めれば・・この戦いはもらったようなもんだお。もう緊張なんてしないお。勝負だお!!」
ブーンに気迫が満ち溢れている。いつものブーンとは完全に違う。ブーンも燃えているのだろう。
( ^ω^)(決めるべき所で決める。それが僕の役割ってもんだお。見てるんだお、皆、必ずきめてみせるんだお)
ブーンは決意する。必ずチームに勝利をプレゼントすると。
それぞれの思いがブーンに寄せられる。ブーンはまるでその思いを感じ取ったかのように少し複雑な表情を浮かべながら、シュートのポイントへと向かっていく。
( ^ω^)「・・・・・・」
無言で相手のキーパーを睨みつける。その姿はプギャーと同様にいつもよりも何倍も凛々しく見える。
ピーッ!!!
シュートのサインの笛がなる。ブーンはもう狙いを決めている。
48 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:24:48 ID:d8JWrtsg0
( ^ω^)(狙うは右上・・でも賭けにでるお。あえて逆方向を向いたまま狙うんだお)
VIP高ではやるプレーヤーも多い。逆を向いてのシュート。
だがこれはシュートコースに目が行っていないのでコントロールがつけずらいと言う欠点もあるのだ。よっぽどコントロールに自信が無いと使えるものではない。
だがあえてブーンはそれを使おうとしている。上手くいく保証なんてどこにも無いのに。
( ^ω^)「勝負!!」
ブーンは自分が見ている方向と逆に加減無く思い切りシュートを打ち込む。
その策にキーパーは見事に引っかかってくれたらしい。反応が完全に遅れている。左狙いでくると思っていたのだろう。
ブーンのシュートは見事なコースへと向かっている。あれなら入る!だれもがそう確信する。
やはりそのシュートは見事にゴールを割るのだった。
49 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:27:01 ID:d8JWrtsg0
(* ^ω^)「やったお!!」
ブーンに皆が駆け寄ってくる。まるでもう勝ったかのような感じで。その皆にブーンは静止の声をだした。
( ^ω^)「喜ぶのはまだ早いんだお!祐!まだ役目が残っているんだお!頼んだんだお!!」
(´−`)「・・・おう!!」
ブーンの激励を胸にしまい、これで今日最後になるかもしれないキーパーへ向かっていく。だがその様子は冷静だ。
ピンキー高のシューターはわかってますだ。一筋縄で行く相手ではない。だがプレッシャーを感じているのか顔に余裕は見られない。
( ;<●><●>)「・・ここで決めないと負けるんです。この全国常連の僕等が初出場のチームに」
50 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:27:48 ID:d8JWrtsg0
( ;<●><●>)「・・・・・・・」
ようやくの思いでコースを睨み、腕をふった。シュートが打ち込まれる。
(´−`)「ど真ん中!?」
シュートは完全に真ん中へと向かってしまう。祐は反応が遅れたせいかまだ動けていない。それが逆に有利に働く。
そのシュートを簡単に前に落として、祐は皆へと駆け寄っていった。
(*´−`)「やったぞ!!!!」
グランドへと集まるVIP高メンバー。その表情は誰もみな、明るかった。心から勝利を喜んでいる様子だった。
51 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 00:31:10 ID:d8JWrtsg0
( ;<●><●>)「・・・・・・・」
それに対して驚くほどに静かなピンキー。それぞれ唖然とした表情を浮かべていた。だがわかってますの言葉により現実に引き戻された。
( ;<●><●>)「皆・・ごめんです」
その言葉を罵倒する者は誰としていなかった。その様子に少し驚くわかってます。
A「気にするなよ。俺らはベストを尽くしたさ。お前もだろ?だから気にするな」
その目には涙がたまっている。思わずわかってますも今まで見せた事のない涙を皆に見せた。
コートには歓喜の声、悲しみの声が鳴り止む事が無かった。
この勝利でさらに勢いに乗ったVIP高は連勝し、ついに決勝戦へと駒を進める。
最後の戦いが近くまでやってきている。彼等は勝利し夢をかなえることが出来るだろうか。
第三十一話 奮起、VIP高 完
52 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 17:48:54 ID:d8JWrtsg0
第三十二話 本当の最後へ
( ^ω^)「う・・・ん」
ブーンが目を覚ます。今日はついに全国決勝の日だ。どうやらブーンは緊張のせいかいつもより早く起きてしまったようだ。
( ^ω^)「もう一回寝なおすかお・・」
もう一度ベットへもぐりこみ、二度寝しようとした。だが一度目が覚めてしまうと寝付くまでには意外と時間がかかってしまう。
(; ^ω^)「だ、だめだお。しかたないからまたホテルの中でも散策するかお」
ブーンはのんびり着替えてから、ホテルの中を回ることにした。
ゆっくりとした足並みで、のんびりと三階あたりにさしかかったその時、
「中はらめぇぇぇぇ!!」
という声が三階のどこかから聞こえてきた。ブーンの股間は思わず反応してしまう。
(; ^ω^)「ふひっ!!朝っぱらからセクロスするなお・・」
体は正直だったが、あきれてしまう。こんな朝早くからなんて・・ただの獣のようにしか、ブーンには思えなかった。
( ^ω^)「・・・・・・・」
なんだか無言になってしまったブーンだった。そのままロビーへと向かっていく。
( ^ω^)「外にでも出るかお・・今日はいい天気なんだお」
このホテルには大きな庭もあった。本当にいたれつくせりなホテルである。
ブーンは自動ドアを抜けて外にでた。爽やかな風と太陽が心地いい。
53 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 17:49:40 ID:d8JWrtsg0
( ^ω^)「本当にいい天気なんだお!!よし、のんびり歩くお」
またブーンはゆっくりと歩き出す。心地よい風は吹き続け、ブーンの髪の毛を揺らす。ふとブーンはある人影を見る。
金髪のカールが印象的だ。あれは・・ブーンは一目でそれが誰か確認できた。少し勇気を出してブーンは叫ぶ。
( ^ω^)「ツン!!」
思わず叫んだ。告白して以来、なんだか恥ずかしくて話していなかったみたいだ。声も少し震えていた。
ξ゚听)ξ「・・あら、ブーン。おはよう」
ツンもなんだか恥ずかしそうな様子でブーンに挨拶をする。頬が軽く赤い。
( ^ω^)「なんか久しぶりに話したような気がするんだお。昨日は寝れたかお?」
ξ゚ー゚)ξ「ええ、今日は早く起きちゃったけどね。ここまで勝ってくれるとは正直思ってなかったわ」
( ^ω^)「あれだけ努力したんだお。これないはずがないんだお」
そう言った瞬間に、様々な思いが頭の中をよぎった。入学したての頃の部活。辛かった特別練習。そしてこの大会の今まで。
それぞれがブーンにとって、忘れられない思い出になっていた。中学時代帰宅部だった頃のブーンからは考えられない思い出たち。
( ^ω^)(・・本当にハンドボール部に入ってよかったお。ここの皆から色々と貰ったんだお。僕自身、大きく成長したんだお)
考える事はいろいろあった。本当に懐かしい。そしてブーンはある一つの決意をした。
54 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 17:51:15 ID:d8JWrtsg0
( ^ω^)(この前の答え、ツンにきくお)
( ^ω^)「あの・・t
ブーンが言う前に、ツンが話しだした。
ξ゚听)ξ「あ、あのね。この前の告白の件なんだけど・・」
思わずドキッとしてしまうブーン。一気に不安が襲ってくる。
( ^ω^)「う、うんだお。あの・・答えはどうなんだお?」
ξ゚听)ξ「・・・ブーンは昔からの幼馴染で、ずっと仲良くしてくれたよね?」
ブーンとツンは赤ちゃんの頃からずっと一緒だった。同じ病院で生まれて、家も近くで親が仲が良かったのでよく遊び・・
幼稚園〜高校までずっと同じだった。中学の頃はなんだかお互い恥ずかしくて、なかなか話さなかった二人。
55 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 17:53:56 ID:d8JWrtsg0
ξ゚听)ξ「私がVIP高に行くって行った時あったじゃない?覚えてる?」
( ^ω^)「うん、良く覚えてるお」
ξ゚听)ξ「あの時、ツンがVIP高に行くなら僕もいくお!って言ってくれたじゃない?」
( ^ω^)「うんだお」
ξ゚听)ξ「あの時、なんか嫌そうなそぶり見せちゃったけど、本当は凄く嬉しかったんだー・・・」
意外な答えにブーンはビックリした。その頃からブーンは何となく、ツンに嫌われたのか?という不安を持っていたからだ。
( *^ω^)「そうだったのかお!嬉しいお」
思わず声が出てしまった。その様子をよそにツンは話を続ける。
56 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 17:58:22 ID:d8JWrtsg0
ξ゚ー゚)ξ「高校に入ってからブーンは凄く変わったよね。なんか頼りになるようになった。
これもチームの皆のおかげなのかもね。そんなブーンから告白された時は嬉しかったよ」
ブーンは黙ってその話を聞き続けていた。
ξ///)ξ「・・・目、つぶってくれる?」
( ‐ω‐)「つぶったお〜」
ふと、ツンとの距離が近くなったような気がした。そして唇に柔らかいものが当たる。
( ^ω^)「!!!!!!」
ξ///)ξ「・・・これが答えよ。これからヨロシクね」
( *^ω^)「・・ツン」
ブーンは優しくツンを抱きしめた。こうして二人は付き合う事となったのだ。その頃・・
川 ゚ -゚) 「やっぱり見に来て正解だったな。なぁ、祐」
(´―`)「ふぁーぁ。確かにそうだな。でも眠い・・」
この二人、ひそかにこの様子を観覧しにきていたのだった。さすがはクー。全く抜け目がない。
川 ゚ -゚) 「あの二人を見てたら私も変な気分になってしまった。祐・・」
(´―`)「ちょwwwwこんなとこで・・アッー!!!!!!!!!!」
この二人が後でどうなったか皆さんの想像に任せよう。
時が過ぎるのは早いもので、もう朝食の時間になっていた。先ほど何か変な気を起こした二人は妙に艶やかになっていたが、誰も突っ込まなかった。
57 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:00:52 ID:d8JWrtsg0
川*゚ -゚) 「今日は一段と激しかった・・」
思わず独り事のもれるクー。
ξ///)ξ「・・・・・・・・」
(*゚ー゚)「・・・・・・・・」
そのクーをツンは恥ずかしそうに赤くなりながら、しぃ先生はなんか妖しい目つきで見つめていた。
朝食の時間もすぐにおわり、選手たちはグランドへと向かっていく。
('A`)「今日の相手は・・ニャー速高校?あの名門高校か」
ニャー速高校。ハンドの聖地と言われるFOX市の中でも超有名高校である。去年の全国覇者でもある。
地域ではここに敵う高校はいないという。ピンキーはここと去年戦い、惜しくも敗れている。
58 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:01:54 ID:d8JWrtsg0
('A`)「相手がどこであろうと、負ける訳にはいかないんだ。今日で最終の試合なんだから、優勝を自分たちのとこまで持ち帰らないとな」
珍しくドクオが前向きな言葉を口にしていた。
(´・ω・`)(ドックンも成長したんだね。僕、本気になるかも・・)
ショボンがまたガチホモ回路を起動させている。ドクオはそのショボンの熱い視線に気が付いた。
(*'A`)「どうしたの、ショボン。またしたいの?」
(*´・ω・`)「・・・・・!!」
ショボンは顔を真っ赤にして走っていった。彼男なのにね。この二人の恋(?)も少し気になるところだ。
59 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:02:25 ID:d8JWrtsg0
色々なイベントがあった後、メンバーは会場へと向かう。
今日は決勝戦。TVもちゃんとした所で放送されるらしい。毎年、観客も沢山くるらしので、緊張もいつもより高まる。
( ^ω^)「今日でここに来るのも最後かお・・なんだか寂しいお」
まだ試合も始まっていないというのに、ブーンはもう感傷に浸りだしていた。
(゚∀゚)「おいおい、感傷に浸るのは早いぜ、今日勝ってからにしないとな」
ジョルジュがブーンに声をかけた。慌ててブーンはジョルジュに話す。
( ^ω^)「ご、ゴメンだお。集中しなおすんだお」
(^∀^)「キャプテーン、頼むよ?」
皆から言われてしまったブーンは何か恥ずかしい気分になった。だが、気持ちを切り替え、練習に集中し直した。
60 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:05:14 ID:d8JWrtsg0
VIP高がしばらく練習を続けていると、ついにきた。全国最強と噂される、ニャー速高校が。
皆かなり体格もいい。オーラも漂っている。ふと、マネージャーが声をかける。
(´‘ω‘ `) 「さあ、早くみんな準備するっぽ!試合も近いっぽ!!」
なんだかどことなくちんぽっぽに似ているとジョルジュは思った。だが何か違う。ちんぽっぽほどの可愛さはない。胸も小さい。ジョルジュは、
(゚∀゚)「やっぱちんぽっぽが一番だな!!」
そう呟いてしまった。この幸せ者が!!
ミ彡゚ω゚ミ「そうですよ。相手もここまで勝ち上がるほどの強豪です。早くアップはじめなさい!ここの皆はのんびり過ぎてこまる・・」
監督らしき人も話していた。どこにでもいそうな感じの先生といえば分かりやすいだろうか。だがこの先生が何度もニャー速を全国へ導いている先生である。
61 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:06:23 ID:d8JWrtsg0
(*゚ー゚)「あれがどっこい氏さん・・生で会えるなんて夢にも思わなかったわ」
しぃ先生はやはり知っているらしい。知らなければ逆におかしいだろう。ハンドを代表する先生といっても過言ではないのだから。
ニャー速はゆっくりと準備を始めた。いつもこんな感じらしいから驚きだ。
( ^ω^)「な・・なんであの人一人だけ背広なんだお」
何故か一人だけ背広の選手がいる。しかもやたら目立つ。表すのなら・・こんな感じだ。
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62 :
中国電車男:2007/01/14(日) 18:20:24 ID:???0
私は中国人です。初めまして、よろしくお願いします。
63 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:37:28 ID:d8JWrtsg0
・・ダンディーすぎるだろ。常識的に考えて。
|(●) (●)、.:| 「ごめんな!すぐ着替えるからっ!待っててなっ!」
妙に口調がハキハキしてるのが印象的だ。プレーも気になるところだ。
( ^ω^)「・・とりあえずシュートの練習を続けるんだお」
皆に指示をだして、ニャー速のボール練習が始まるまで様子をみていた。偵察も勝つ為の重要な行為だ。
だがノンビリ屋なニャー速高校。未だランニングの途中で全くボールを使った練習をする気がないらしい。
(# ^ω^)「・・さすがに練習始めるの遅すぎるお」
ブーンも少し切れ気味になっている。そこへプギャーがやってきた。
64 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:42:06 ID:d8JWrtsg0
ドクオは順番に並びながら考えている。彼もこの三年間で大きく成長した一人だ。精神的にも身体的にも。
始めの頃は、どもったり困惑するだけだった彼は、今ではどんな場面にも動じにくくなり、体も随分筋肉がつき丈夫にもなった。
いまだ彼女居ない暦=年齢なのが玉にキズなのだが。
('A`)「・・最後なら有終の美で飾りたいな」
(゚∀゚)「そうだな、優勝して、いい思い出として帰りたいよな」
ジョルジュが口を挟んだ。彼は他のメンバーに比べて、そこまで大きい成長はしていない。元が良すぎたからだ。
だが、人格的にはもう充分大人の域に達している。過去一度しか出てこなかった彼女ともいまだに仲良くしている。
(^∀^)「必ず勝とうな?」
貞治。彼は言わずとも分かる成長をしてきている。この三年間しっかりと部活を続け、中途半端人間からの卒業をした。
チームの中でも頼れる一人となった。
最初はほとんど0から始まっていたVIP高メンバー。ここまで来れたのはしぃ先生のおかげも大きいのだが、
何より自分達の努力が身を結んだからだ。回りよりも三倍、四倍以上のきつい練習に全員耐え、色々な苦難を乗り越えた彼等だからこそ出来たことだった。
チンポうpしていい?
66 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:49:50 ID:d8JWrtsg0
(´・ω・`)「さ、そこ話さない!練習中だよ!!」
ショボンがその三人に注意をする。ショボンは名目上の役割は無いもののその働きは充分評価できるものだった。
ハンドボールに対してもひたむきに一生懸命。真面目だった。ksms趣味さえなければ立派な人間なのだが。
ドクオがハーフラインまで走っていく。逆の方から走ってきたブーンはディフェンスのを引き寄せて、ドクオがシュートを打てるくらいのスペースを作る。
そしてドクオにパスをだし、ドクオもそれに答えるように見事にシュートを決めて見せた。
('∀`)「昔の俺はもうここにはいないさ」
ドクオは少し笑顔を見せながらそう呟いた。
(´−`) 「相変わらず皆調子いいみたいで安心したよ」
祐は呟く。思えば彼も最初はやる気の無い少年だった。それを変えたのは部活であり仲間でありクーでありカーチャンだったり・・
彼は一番仲間や家族、彼女に助けられてきてここまで来れたのかもしれない。
ようやく彼は自立できるまでの精神力を手に入れられたようだ。
(´−`) 「今日は必ず勝つ。仲間、クー、家族・・何より自分のために」
他のメンバーと同じように祐も決意した。その時、ようやくニャー速がシュートの練習を始めだした。ブーンはもの凄い勢いで観察しだした。
67 :
中国電車男 :2007/01/14(日) 18:50:17 ID:k0k3KOyr0
わかりませんことのに、しかし,私はべんきょうしています!
68 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 18:58:40 ID:d8JWrtsg0
( ^ω^)「やっぱり決勝に上がってくるだけのチームだお。まとまってるお」
全員しっかりとした動きをしている。基本の身体能力もかなり高いと思われる。だがブーンは一際目立つ選手を確認した。
( ^ω^)「あれは・・背広のひとかお?」
明らかに一人だけ動きが違う。観客が見たらあまり変わらないように見えるかもしれない。
だが経験者が見れば一目でわかるそのステップ。あまりにも綺麗で思わず見とれてしまうようなそんな感じの動きを見せている。
|(●) (●)、.:| 「ほら、パスしてっ!!こっちこっちっ!!」
彼はもう今すぐシュートを打ちたいんだといわんばかりにパスを強要している。ようやくパスが回ってきた。
|(●) (●)、.:| 「ありがとうっ!!」
それだけいうと彼はシュートモーションへと移る構えを見せる。ディフェンスの手間の手前くらいまで間を詰めると、ジャンプする。
思わずVIP高はその高い、綺麗なジャンプに思わず見とれてしまう。さながらプロバスケ選手のジャンプのようだ。
( ^ω^)「・・凄いお」
思わず言葉が漏れる。それほど綺麗なジャンプだったのだ。
そしてすぐに腕を振る。ビコーズ張りのシュートがゴールへと向かっていく。腕の振りが速すぎて一瞬消えるように見えるそのシュート。
今までもビコーズやわかってますが使用していたが、そのたびに祐は苦しめられてきた。
69 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 19:00:06 ID:d8JWrtsg0
( ^ω^)「あのシュート、ホントにロングなのかお。祐、どう見るお?」
(´−`) 「あれは多分今までで一番厄介なシュートだと思う。ビコーズは確かに球は速かったけどコントロールがイマイチだったからまだ止められた。
わかってますはビコーズの逆だった。だからこれもなんとかなった」
一息おいて、祐はまた話し始めた。
(´−`) 「彼は・・その二人のいい所をどちらも持ち合わせている。こいつはかなり厄介だ・・」
少し弱音が出てしまう祐。ブーンも言葉を出せずにいた。それだけ彼は凄い選手なのだ。
二人が少し弱気になってたところでその彼が突然VIP高の方へむき出す。そして指をさしてこう叫んだ。
|(●) (●)、.:| 「私はダディクール!!海賊王になる男だ!」
ちょっとボケたつもりのダディクールだが、仲間に引き戻された。そして仲間の人たちがこっちを向いて謝っていた。
( ^ω^)「ちょっとお馬鹿さんなのかお・・?でもいい人達っぽいお」
これから戦う相手が極悪校だったらさすがに嫌だったので安心したVIP高一同だった。
70 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 19:02:40 ID:d8JWrtsg0
(*゚ー゚)「はーい!皆、集まれー!!ミーティング始めるよー!!」
しぃ先生の高い透き通った声が響く。その声につられ、メンバーもしぃ先生のところへ集合した。しぃ先生が話しはじめる。
(*゚ー゚)「ついにここまでやってきたわね。ここまでやってくれるとは私自身、思っていなかったわ。まずそこを誉めるわ」
チームメイトたちは少し頬を赤く染めながら軽く頷く。しぃ先生はその様子を笑顔で見つめる。そして視線を戻し、また話しはじめる。
(*゚ー゚)「でも!!ここで負けたら準優勝よ?とてもじゃないけど満足いかないでしょ?ここまできといて負けたら・・」
この話には全員首をすぐに縦に振る。どんな相手がこようがモチベーションは上がり続けている。
本当に成長したなとしぃ先生は思って、感無量の状態になった。声が震えるのを押さえてまだ話す。
(*゚ー゚)「皆そう思ってるなら、今日は必ず勝ちましょうね!地元まで、勝利を持ち帰りましょう!」
「「「「「「おーっ!!」」」」」」」
全員が共鳴した。その気合はいつもの何倍もの声となり、グランドへと響き渡った。もう準備は出来ている。
(*゚ー゚)「じゃあ選抜発表するよ!」
サイド( ^ω^) 45(´・ω・`) センター(^Д^) 逆45('A`)
逆サイド(゚∀゚) ポスト(^∀^) キーパー(´−`)
いつものメンバーで固められたレギュラー。二年も準備を怠っては居ない。
選抜発表を受けたメンバー達はそれぞれの場所へ散っていく。
71 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 19:06:09 ID:d8JWrtsg0
^ω^)「・・・・・・・・」
ブーンは珍しく一人でいた。目をつぶり、今までのことを振り返っているみたいだ。
( ^ω^)(ギコ先輩・・今まで打ち勝ってきた高校の皆・・。それぞれの意思は絶対に無駄にしないお。僕等の最後の戦い、見ててくれお)
ξ゚听)ξ「ブーン!!あんまり思い込むんじゃないわよ?」
いきなりツンに話し掛けられて少しビックリしたブーン。慌てて言葉を返した。
( ^ω^)「わかってるお。心配しないでおくれお」
その言葉にツンは少し微笑んで、
ξ゚ー゚)ξ「ならよかった。じゃあ頑張りなさいよ」
72 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/14(日) 19:09:48 ID:d8JWrtsg0
そう言って、元の場所へと帰っていく。
( ^ω^)「・・・・勝つんだお!!」
そう呟き、ブーンもそろそろ時間が来るので、グランドの方へと向かっていった。その頃・・
( ´_ゝ`)「早く早く!決勝始まるぞ!!」
(=゚ω゚)ノ「ごめんよう!早くつけるよう!!」
この日はいいタイミングで土曜日だった為、ラウンジ高校元ハンド部の三年で集まって、VIP高の試合を観戦しようという計画を立てたらしい。
(´<_` )「ようやくTVついたな、おっ、まだ始まってないみたいだ」
<`∀´>「VIP高、必ず勝つニダ!!負けたら謝罪と(ry」
VIP高はやっぱり、他の高校からの期待も背負っている。簡単には負けられない。
ブーンたちにとって、最後の試合。有終の美で飾ることが出来るだろうか。試合時間は刻々と近くへとやってきている・・
第三十二話 本当の最後へ 完
( ^ω^)おっ更新されてるお!
74 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 11:07:50 ID:hGUkIC+uO
続きは今日貼れるよう頑張ります。
新しい小説も書きはじめたので興味のある人は見てみてください。
75 :
私事ですが名無しです:2007/01/16(火) 18:49:16 ID:MGBLaOHo0
( ^ω^)わくわくするお!
76 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:11:40 ID:w9goghEy0
第三十三話 ニャー速、始動
試合時間はもう間近。それぞれのチームの選手たちも、緊張の色を隠せないでいるらしい。そんな中、
|(●) (●)、.:| 「早く試合したいなっ!なあっ!」
おそらくニャー速の中で一番上手いであろう彼は緊張の色など全く見せず、むしろ試合を楽しみにしているようだ。
( ^ω^)「・・・あそこまで能天気だと羨ましいお」
ブーンはある意味、彼に尊敬の念を抱いているみたいだ。とその時、
審判「集合ー!!!!」
ついに最終試合の合図がかかる。ダッシュで中央ラインへと向かっていく二つの高校。・・いや、一人だけ何故か突っ立ったままだ。
77 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:13:07 ID:w9goghEy0
|(●) (●)、.:|「・・・・・・」
チームメイトA「おっ、いつものか?」
ニャー速はこれから何が起こるのかしっかりと把握しているらしい。何を考えているのだろうか。
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|(●) (●)、.:|「いやー、試合前にはこの構えをしないと、気合入らないんだよねっ!!」
何故かグランドの皆が見とれていた。審判も含めて。
(´‘ω‘ `) 「・・・・なんどみてもダディクール君のあのポーズには見とれちゃうっぽ」
ミ彡゚ω゚ミ「そうですねぇ・・」
( ^ω^)「・・ハッ!!審判さん、早く試合はじめるお!!」
ブーンが何とか正気に戻り、審判に声をかけた。何もしないまま危うく流れを持っていかれるところだったVIP高校。先が心配だ。
審判「礼ッ!!」
「おねがいしまーす!!!!!!」
挨拶を済まして、両チームはそれぞれのコートへと移動していく。
78 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:17:30 ID:w9goghEy0
( ^ω^)「皆、今日で勝っても負けても三年は最後の試合だお。二年生は僕たちの姿をしっかりと焼き付けておいてほしいお」
二年生は黙って軽く頷いた。
( ^ω^)「今まで色んなことがあったお。楽しかった事、辛かった事、嬉しかった事・・今日でそれも最後になるお。
僕たちの目標は一つ!優勝することだお!」
メンバーたちは声だしが今か今かと待ち遠しい様子で、待っている。
( ^ω^)「相手はおそらく今までで一番強い相手になると思うお。でも僕等は今まで、同等クラスのチームと戦って勝ってきてるんだお
弱気になっちゃダメだお!!」
またメンバーは頷く。
( ^ω^)「それじゃ、あんまり話が長くなるといけないお。
いくおー!!!!!!!!!!」
メンバー「ワァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
今までの中で一番元気で、気迫のこもった声を出すVIP高校。その様子に少しひるんでいるニャー速高校。
79 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:18:36 ID:w9goghEy0
|(●) (●)、.:|「・・・へぇ、元気いいじゃない」
少しダディクールの様子が変わったようにも見えた。他のメンバーも同じように。
VIP高メンバーはまだ気が付いていないだろう。ニャー速の雰囲気の違いに。おそらく一番恐ろしい雰囲気を放っている。
( ^ω^)「それじゃあ!自分のポジションにつくんだお!!」
そう言った瞬間、ブーンはダディクールと目があった。その瞬間、自分の体が一瞬震えるのを感じた。
(; ^ω^)(あの目つき・・あの雰囲気。さっきのあの人が持ってたものじゃないお。あの人は・・ヤバいお)
ブーンの心に一筋の不安が出たが、そんなことおかまいなしに試合が開始される。今日もVIP校はディフェンスからとなる。
80 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:19:34 ID:w9goghEy0
|(●) (●)、.:| 「・・・・・」
ダディクールはセンターのようだ。それを止める役のプギャーもこの選手の雰囲気が最初と明らかに変わっていることに気が付く。
(;^Д^)「・・・!!こいつ!今までの中でも一番プレッシャーが大きい」
(^Д^)「ヤバイかもしれないな」
そう思ったプギャーはドクオ、ショボンにあるサインを送る。そのサインに気が付く二人。
(´・ω・`)(フォロー早めにね・・了解)
('A`) (二人がかりで・・?)
ドクオはまだダディクールの凄さにいまいち気が付いていないようだ。ショボンは元々持っている鋭い感性がそう言っているらしく、何となく理解できた。
81 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:20:35 ID:w9goghEy0
(´・ω・`)「確かに・・それくらいはやらないと何とかならない相手みたいだしね」
そう呟いて、ショボンはディフェンスに集中する。全ての選手が優れている。なのでダディクールだけに神経を集中する事は出来ない。
やはり速く丁寧なパス回し。だがVIP高もパス回しくらいでもう翻弄はされない。それぞれが自分の相手を見据え、いつ仕掛けてくるのかと言うタイミングを計っている。
VIP高の隙の無いディフェンスになかなか仕掛けられずにいるニャー速。一回45が攻撃を仕掛けたものの、どちらに抜けるかをショボンに簡単に予想され、
すぐにガッチリとつかまれてしまい、仕切り直しとなる。
|(●) (●)、.:| 「・・・・・仕方ない」
小さい声で言うダディクール。その体には攻撃的なオーラが出ているのが分かる。祐はそれに少し警戒を覚えた。
82 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:21:20 ID:w9goghEy0
(´―`)「・・あいつ、次に絶対ロング仕掛けてくる。集中しないとな」
だが、祐は一つ疑問を覚える。わざわざ相手に分かるほど、そんなオーラを出してくるもんか?自分が打つよって言ってるようなもんだ、と。
そう思った瞬間、45、逆45が気になる。だがもう相手の攻撃が開始されていて、その声を出す余裕はあまりなかった。なので、
(´―`)「上三枚に注意しろ!!」
その声しか出せなかった。正直不十分だと思った。
(^Д^)「わかった、任せとけ!」
(´・ω・`)('A`)「了解!」
それでもこの三人はしっかり理解できてるようだ。祐は少し安心し、自分のプレーへと集中した
83 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:21:59 ID:w9goghEy0
( ^ω^)「なんだお、この落ち着かない気持ち・・」
ブーンの心はまた不安にかられているようだ。さっきのダディクールを見てしまってからずっと。
( ^ω^)「・・だめだお。集中しなおさないとだお」
もうピンキーの攻撃は始まっている。相変わらずのパス回しが続けられている。
こっちの中央ディフェンスが相手の上三枚に気が行ってしまいがちで、どうしてもサイド方面が手薄になりがちだ。
ブーンの不安はそこらへんからきてるといっても過言ではないくらいに。
ボールが45にわたる。いっきに神経を研ぎ澄ますショボンとプギャー。完全に45しか見えなくなっている。
( ^ω^)「まずいお、あの
ブーンがそういいかけた瞬間、ボールは相手の逆サイドに渡っている。なんて速くて正確なパス回し。敵ながらブーンは少し関心してしまう。
( ^ω^)「そうじゃないお!!止めないと!!」
そう思った瞬間、もう遅かった。気が付くのが遅すぎた。いや、相手が早すぎたというべきなのか。
もう充分に角度をとり、しかも左利きの相手は明らかに有利な体制へと転じていた。祐も思わず気が動転してしまった。
(;´―`)「ヤバイ!!」
準備こそ万端だったものの、分が悪い。なぜなら、角度を取られすぎた状態では、どちらに打ってくるかはわからない。
自分の考え、勘、そしてどちらに打たせるかの誘いがよっぽど上手くないと、どちらか一方を特定する事は不可能だ。
84 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:22:49 ID:w9goghEy0
(;´―`)(自分を信じるしかない・・相手を良く見て・・!)
既にサイドラインからゴールへと飛んだ相手の逆サイド。さすがに身体能力は充分なようで、かなり高く飛んでいて、なかなかシュートを打ち込んではくれない。
(;´―`)(ここで動けば負けだ!)
先に動けばもう、逆方向ががら空きになり、実質ゴールを決められてしまったようなものだ。それは何とか防ごうと、祐はギリギリまで耐えている。
と、ついに相手の左の腕からボールが離れた。狙う方向は遠め。ゴールの奥だ。相手が左なので、実質右のサイドシュートと同じだ。
かなり強力なシュートだ。思わず目を逸らしたくなる。ボールから逃げたいという恐怖が祐を襲ってくる。人間の本質と言うべきか防衛本能というべきなのか。
だがそんなのは日常茶飯事。その恐怖をいとも簡単に振り払って、祐はボールへと向かっていった。この反応の速さならば届かない事もない。
85 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:25:10 ID:w9goghEy0
ボールが祐の手の横を通りすぎようとしている。だが祐も簡単にはあきらめなかった。ギリギリまで腕を伸ばして、そのボールを触ろうとする。
その努力は通じたようで、ボールに指をかすらせる事に成功した。だがあくまでかすらせただけ。入らない保証は無い。
(;´―`)「入るなぁ!!」
祐のその叫びはもう願いにしか聞こえなかった。その願いはボールへと届くのか。
ガァァァァァァン!
そのシュートは祐の指にかすった事により、微妙に軌道を変えて、上枠のポストへと渡る。
(´―`)「よし!!」
思わずガッツポーズをしたくなる祐。だがピンチである事にはまるで変わりがなかった。
86 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:26:20 ID:w9goghEy0
転がっていたボールは相手サイドへと渡ってしまい、そのボールを楽々と拾ったサイドが、シュートの準備をしていたのだ。
(;゚∀゚)「やらせねえ!!」
素早くジョルジュがディフェンスへと入る。見事、相手のシュート角度を小さくする事に成功した。
だが小さくしたといってもそこから打つのが普通といった所の位置だ。
(;´―`)「ちっ!!!」
祐は前に出て、相手のシュートごと潰しに行く作戦に出た。だがこれは普段の祐ならば絶対に使わない技だ。作戦なのか、それとも慌てているのか。
どちらかは判別できない微妙な状況だ。
すると相手サイドは妙な行動にでる。絶対シュートが入らないような場所に、七割くらいの力でシュートを打ち込んできた。
(;^Д^)「祐、後ろに戻れ!!早く!!」
プギャーはこのサイドが何をねらってくるのか、もう見切っていたようで、伝えようと叫んだ。だが今の状態の祐に聞こえるはずもなかった。
(;´―`)「な、なんだ?」
あまりにもコースが悪いので拍子抜けしてしまい、緊張が少し解けてしまっていたせいで、すぐに行動を起こす事ができなかった。
祐はその放たれたシュートを見つめる。なんだか妙な回転をしているのだけはわかった。そのボールが地面に当たった瞬間・・
87 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:28:27 ID:w9goghEy0
(;´―`)「はっ、マズイ!!」
ようやく祐も気が付いたがその時は既に遅かった。そのボールは大きく曲がって、ゴールへと向かっていく。どうやらあのサイドは、もの凄い手首の回転で、
ありえないほどの回転を生み出し、ボールを曲げたのだ。なかなか実戦で使えるような代物ではない。よっぽど落ち着いていたのだろう。
さすがに前に出すぎていた祐はこのボールに反応したところで遅い。軌道の曲がったそのボールは軽くゴールネットを揺らした。
(;´―`)「すまん」
申し訳なさそうな様子で祐は中央へボールを返す。その表情を見たブーンは、
( ^ω^)「ドンマイだお!祐!今のは仕方ないお!僕等が取り返してくるから気にするなお!!」
ブーンは笑顔とともに祐にそう伝えた。祐はその様子を見て凄く安心した。
88 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:30:24 ID:w9goghEy0
(´―`)「・・・頼んだぞ、皆」
自分の願いも込めてプレーヤーに願いを託した。
1−0 まだ一点差。前半も始まったばかりだ。決してVIP高メンバーの動きは悪い訳じゃない。むしろいい感じに動けている。好調というべきか。
(´・ω・`)「どう崩していくか・・難しいな」
さすがにショボンも悩んでいる。ニャー速ディフェンスは見ただけで分かるほどに隙が無い。さっきの練習から見ていてその様子しかうかがえない。
個々の動き、対応の早さ、一人抜かれた場合のフォロー。そして攻撃からディフェンスへの戻り。どれを取っても一級品だ。
(´・ω・`)「・・考えても仕方ないな。とりあえずやるしかない」
パスが回ってきたショボンはいったん考えるのを止め、パス回しへと入った。その間も敵の隙だけは見逃さないようにと、しっかりと目を凝らしていた。
だが、なかなか攻めていけない。相手の威圧感に押されてなのだろうか、誰も一人で行こうとしない。いや、出来ないというべきなのか。
('A`) 「仕方ないな」
ため息を一つ吐いて、嫌そうな感じだが、決意したドクオはボールが自分に回ってくるまで心の準備をしているようだ。
(´・ω・`)(ドックン・・仕掛けるのかな?珍しいな)
人の変化に敏感なショボン。ドクオの空気が変わったのを一番早く見切っていた。気が付いたのはあとプギャーくらいだろうか。
(´・ω・`)(ドックン、頼んだよ)
89 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:31:49 ID:w9goghEy0
そうボールへと願いを込めて、ドクオへとショボンはパスをだした。
ドクオは一瞬ショボンの方を見たかと思うと、相手のディフェンスの目の前まで進む。そしてゼロステップを踏んで一度止まった。
('A`) (敏捷性だけは自信があるんでね)
そうドクオは思うと思い切り左へと、片足で跳ぶ。そのスピードはとても速い。さすがはドクオだ。相手のディフェンスも少し圧倒される。
そしてドクオは綺麗に自分の目の前の敵を抜いて見せた。
('A`)「よ・・
ドクオの言葉はそこでさえぎられた。なぜならセンターの位置にいたはずのダディが既に目の前にいたからだ。
|(●) (●)、.:|「・・・・・・・・・・・」
無言でドクオを見つめるダディクール。先ほどとは全く様子の違うダディクールを前に、言葉を失ってしまうドクオ。
90 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:37:12 ID:w9goghEy0
目が合っていても、こいつは何を考えているのか分かったもんじゃない・・おそらく俺が感じてるのはプレッシャー。
ドクオはそう考えた。ただ一つ言える事は、ダディクールがさっきよりも二倍、いや三倍くらいに大きく見えることくらいだ。目の錯覚ではない。
数秒ほど動けなくなってしまうドクオ。蛇に睨まれた蛙とはまさにこのことか。
そしてダディクールがドクオのボールに向かって手を伸ばしてくる。ドクオはハッとし、ある事を考える。
('A`)(こいつは普通に見ても俺よりかなりでかい。ならば・・)
ダディは身長もかなり大きい。185cmは普通にある。それに対してドクオは170cm。体格には確かに凄く差があると言える。
ならばドクオが狙うのは一つしかない。そう、ブラインドシュート。
このシュートを完璧にやってのけるのはVIP高ではドクオしかいない。練習でかなり練習してようやく身に付けたこのシュート。
91 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:38:04 ID:w9goghEy0
今使わなかったらいつ使うと言わんばかりにドクオはゴールへと狙いを定め始める。
('A`)(狙うはキーパーの右横・・ここから狙えるのはここしかない)
ようやく狙いが定まったドクオはそこに目掛けてダディの足の横からシュートをうちこんだ。
|(●) (●)、.:|「・・・・・!!」
流石にシュートは打ち込めないだろうとダディも考えていたらしい。上手く相手の虚をついた攻撃だ。
ダディの足の横からそのシュートは抜けて、ゴールへと向かっていった。さすがの精度で、コースは抜群にいい。これでは集中してなかったら、
ただでさえ反応の遅れるブラインドシュートを取れるはずも無い。キーパーは精一杯足を伸ばしたが、それも無駄だった。
鮮やかにそのシュートはゴールをわってみせたのだ。
VIP高「ドクオー!!!!!!!!!!!!」
まだ一点だけだというのに、VIP高一同は見事にシュートを入れて見せたドクオに対して歓喜の色を見せる。
('A`)「ふぅ、よかった・・」
ドクオはシュートを決めた喜びよりも、安心感の方が勝っているようだ。とにかくこれでVIP高は全くニャー速に対して、劣っていないチームだと言う事を証明した。
だがニャー速はやはり強い。五分、十分と立っていくうちに少しずつ劣勢へと持っていかれるVIP高。なんとか同点で防いでいたものの、
ダディのロングシュートを防ぐ事が出来ず、逆点を許してしまう。しかし、残り七分の時点でまたVIP高は素晴らしいプレイを見せる。
VIP高のオフェンス。パス回しを行っている間、プギャーは考える。
92 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:42:08 ID:w9goghEy0
(^Д^)(普通の方法じゃダメだ。何か相手をビックリさせて動揺をさせる方法・・うーん)
考えていたが中々思いつかなかった。
(^Д^)(ダメ元であれ、やるしかないかな。失敗する確率高いがね。その為にはまず誰かに攻め込んでもらわないとな)
プギャーがショボンへとサインを送る。ショボンもそれを見て、やや理解するのに時間がかかったが、首を縦に振る。
(´・ω・`)「いくよ・・!」
ショボンがボールをもらうと同時に、攻め込む。プギャーはそれを援護するようにショボンの方を向きながら走っていく。
(´・ω・`)(よし、充分相手の注意は誘った。プギャーが前に出てるおかげでパスの通路も充分に確保出来てる)
そう思ったと同時にショボンはプギャーへパスをだす。何故敵が近くにいるプギャーに向かってパスを出したのか。
93 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 19:44:11 ID:w9goghEy0
(^Д^)「・・・・」
さすがに抜けないと感じたのか、プギャーは相手に背を向けて、後ろにパスを出すそぶりを見せた。相手は完全に油断した。
プギャーはこの相手の油断を誘っていたのだ。なんとプギャ−は後ろを全くみずに、貞治へとパスを出したのだ。相手は慌てる。
一瞬見ただけで、貞治の位置を確認し、覚えていないと出来ないこのプレー。流石に奇襲過ぎて、ニャー速は対応しきれなかった。
そのパスはなんとか貞治へと通り、貞治は普通にシュートを打ち込んだ。
ポストシュートを止められる確率なんて少ない。簡単にゴールをわった。
|(●) (●)、.:|「・・・・・・・」
ダディが悔しそうな目つきで、プギャーを見ている。プギャーはそのダディに向かってしてやったりという顔つきで見返した。
このプレーのおかげでVIP高は勢いをとり戻す。だが、前半で取られた得点差を全部取り戻す事は出来ず、8−10のスコアでハーフを迎えた。
まだ逆転できる可能性は充分にある。後半三十分でVIP校は巻き返し、見事全国優勝を掴む事が出来るだろうか。
第三十三話 ニャー速、始動 完
94 :
私事ですが名無しです:2007/01/18(木) 00:16:28 ID:Xsvn1IZZ0
( ^ω^)読み応えあるお
希望総連〜♪
95 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/18(木) 01:06:52 ID:1tpRO1KkO
続きは明日か明後日あたりに・・
最近新作を書き終わりました。まだまだ精進が足りないと実感しました。
96 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/18(木) 01:17:00 ID:1tpRO1KkO
97 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 15:47:29 ID:OATFyt1p0
第三十四話 全国、終焉へ
VIP校は後半へ向けて、いつもよりもずっと力を入れたミーティングを行っている。ブーンが我慢出来ないといった様子で話し始める。
( ^ω^)「確かに前半十二分くらいまでは完全に押されてたといっても過言ではないお。でも!プギャー、貞治のプレーのおかげで流れは元に戻ったお
後半は流れをこっちのものにする為に、最初からドンドン攻めるんだお!相手には一発で流れを変えるプレーヤーが何人もいるんだお」
そこで口を挟んだプギャー。
(^Д^)「確かに攻めるのも大事だけど、ディフェンスもしっかりな?相手のパスをカットとか、沢山ホールディングをして相手の集中力を切らす・・
他にもシュートを打たせて速攻とか、相手の勢いをそぐ方法は沢山ある。考えてプレーしてくれよ」
少々熱くなり気味のブーンを上手くフォローする言葉。さすがはゲームキャプテンというべきか。
(´―`)「シュートはなるべくダディ以外に打たせてくれ。あいつの球には目が慣れていない。だから止められる保証がないんだ。
悪いが皆、頑張ってくれ・・」
祐の言葉に全員が力強く頷く。その様子に祐は、皆頼りになったな・・と思った。このメンバーとハンドできる喜びもあれば、これで終わりという悲しさもあった。
98 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 15:48:17 ID:OATFyt1p0
丁度いいタイミングでショボンが話し始める。
(´・ω・`)「この試合で僕たちのチームは終わってしまう。確かにそれは悲しいことだよ。でもそれぞれの心の中には思い出が残るよね?だから悲しむ必要なんてないよ。
この試合、確かに勝つって事も重要だけど、最後なんだから楽しもう?」
ショボンの言葉を受けた祐はなんだか気持ちが安心した。確かにそうだ。楽しむことも大事だ。それが本来のスポーツの姿なのだから。
それに悲しむことはないんだ。確かに形としては最後なのかもしれないけど、この思い出は自分達の心に残り続ける。
思い出は、永遠に皆の心に残り続ける。さながら青春時代とでも言うべきか。
(゚∀゚)「おいおい、まだそんな重たい話は後にしてくれよ。まだ終わってないからな!!」
ジョルジュがちゃかすように言ってみせる。その様子に皆の表情に明るさが戻る。
99 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 15:49:47 ID:OATFyt1p0
('∀`) 「そうだよ。そういう話は優勝を勝ち取ってからにしよう!!」
(^∀^)「俺らにとっての最後の試合だ!楽しんで、なおかつ勝つ!!行こう!!」
ついに、皆は一つにまとまった。今までも確かにまとまっていた。だが何か足りなかった。その足りない物が今、ついに手に入った。
( ^ω^)「皆・・いくおー!!!!!!!!」
一同「ワァァァァァァァァァァ!!!!」
もう一度全員で気合を入れ直して、皆はグランドへ走っていった。
川 ゚ ー゚)「彼等ならきっと・・やってくれるよな」
ξ゚ー゚)ξ「そうね・・私、信じてるよ」
マネージャー二人も、プレーヤーと同じ気持ちでいた。皆が一つになって優勝を目指している。
100 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 15:51:01 ID:OATFyt1p0
そんな様子を見て、しぃ先生は一言、こう呟いた。
(*゚ー゚)「はぁ、若いっていいわねぇ。もう一度高校生活したくなっちゃったわ」
この後半で全てが決まる。VIP高はおそらく最強のチーム、ニャー速を打ち破ることができるだろうか。
後半はオフェンスから始まるVIP高。普通にプレーをするだけでは、相手に精神的に大きなダメージを与えられない。
それにVIP高は前半、全くと言っていいほど、サイド攻撃、速攻を使っていない。後半、それをどう使うかがカギになるだろう。
ピーッ!!
後半開始に笛が鳴るとともに、VIP校はそれぞれの位置へと散らばっていく。
パス回しが展開される。センター、プギャーを中心とした速いパス回し。先ほどのミーティングの様子では、何か奇襲攻撃を狙っていくつもりのVIP高。
(^Д^)(だけどなぁ・・俺の奇襲案はさっきもうつかっちまった。サイド、ポストを使った攻撃で相手を振り回すしかないよな)
皆もさっきのミーティングでそれは確認済みだ。
101 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 15:53:49 ID:OATFyt1p0
パスが回っていく。サイドシュートをいい状態で打たせるには、サイド付近のディフェンスをどう崩すかにかかっている。
ディフェンスをひきつけるのも良し、速いパスで追いつけなくするもよし。どちらにしても45、逆45にかかっている事は間違いない。
そしてショボンへとパスが回る。
(´・ω・`)(僕がブーンを助けるしかない。いくよ・・)
ショボンがついに前へ走る。丁度二枚のディフェンスの間らへんに走っていく。相手はショボンの意図にまだ気がついてはいない。
(´・ω・`)「よし・・これならいける!!」
そう言った瞬間、相手につかまれた。かなりきつくホールディングされ、一度仕切り直しとなる。
少し安心してしまったからだろうか?
(;´・ω・`)(ちぃ、油断した。まさかあそこまでディフェンスが速いとは思ってなかった。次はしくじらん・・!)
ショボンは気持ちを入れ直すと、またパス回しを再開した。相手のわずかな隙を見つけようと目つきがいつもよりも鋭くなっている。
102 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 15:58:47 ID:OATFyt1p0
だが相手のディフェンスも今までの幾たる強豪を倒してきた七人である。そう簡単にはやらせてくれないだろう。
ピーッ!!再開の笛が鳴る。ショボンはどうせめていくのだろうか?
(´・ω・`)(・・やっぱり振り切るには速さが無いとダメだ。よし、全力の全力で挑んでやるぞ)
VIP高のパス回しが展開されている。もう皆、前半で見せた焦りは残っていない。どうやって相手を捕らえるか。
それだけしか狙っているようにしか見えなかった。狩人の目になっているようだ。
(^Д^)(一度ショボンが失敗したが、今は俺の攻めるタイミングじゃない。ショボンに任せて俺は次の奇襲案を考えればいい)
そう思ってプギャーは速いパスをショボンに出した。ショボンは身構える。仕掛けるタイミングを伺っているようだ。
(;´・ω・`)(くっ・・!ダメだ、僕がさっき仕掛けに行ったからかなり警戒してディフェンスを行ってる!)
仕掛けようにも仕掛けられない状態にショボンは立たされていた。だが悩んでいても仕方ないと思い直して、もう一度パスをプギャーへと返した。
103 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:00:48 ID:OATFyt1p0
(^Д^)(やっぱ、あれだけ警戒されてたら仕掛けられないよな。回し直すか)
プギャーからドクオへとパスが回る。相手のディフェンスも一度仕掛けたドクオにも厳しいマークをしている。
('A`) (ちっ・・仕方ないな。だがあえて俺は仕掛けるのさ)
ドクオは一度プギャーにパスを返す。プギャーはドクオのもう一度パスを出して欲しいという感じに気がつく。ドクオが少しディフェンスに向かって走ったところで、
プギャーは速いパスをドクオへと回した。ドクオはそのパスをしっかりと受け取り、ゼロステップを踏んだ。そして顔を上げる。
('A`) 「おいおい、マジかよ」
目の前には45、サイドがいる。だがドクオは動じない。その訳は何故かわからないのだが。
二人がかりでドクオを止めに行っている。だがドクオはあくまで動こうとはしない。一体何が狙いなのか。
('A`) 「行くぞ!!」
するとドクオは目の前で思い切りジャンプし、シュートを狙いに行く。そんな事をしてくるとは思わなかったディフェンス陣は慌ててジャンプし、シュートをブロックしに行く。
だが時既に遅し。ドクオは自身の最高打点まで飛び上がった。ドクオは体こそハンドボールプレーヤーにしては小さいものの、ジャンプ力は人一倍あった。
104 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:01:54 ID:OATFyt1p0
その超人的なジャンプ力がここで役に立ったのだ。そしてドクオはシュートを・・
('A`) 「俺がこんな無謀な手を使うと思ったのか?」
ドクオはジョルジュの方を向いて、その打点の位置から思い切りパスを出す。そのパスはシュートの威力までは行かないものの、しっかり集中していないと取れないボールには間違いなかった。
ジョルジュはそのドクオが託したボールをガッチリと受け取る。
(゚∀゚)「メンバー全員の気持ちがこもったこのボール・・しかと受け取った!!」
ジョルジュはそういうと、そこからサイドがいなくなった分だけ十分に距離、角度を取る。これだけの幅が取れたなら、ジョルジュならば決められる可能性は高い。
そして、ギリギリまで走りこむ。そして高く、勢い良く飛ぶ。シュートもすぐには打とうとはしない。
キーパー「じらすつもりか・・」
105 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:03:02 ID:OATFyt1p0
相手のキーパーはこの状況だというのにかなり落ち着いている。かなりの試合や場面を体験してきていないとその余裕は見せれない。
彼もまた、強敵と言える相手だ。
(゚∀゚)「決めなきゃ皆に見せる顔がないんでね!!」
ジョルジュは元気良くそう叫んでついにその手からボールを離した。キーパーがかなり前気味に出ているのもジョルジュはしっかりと気が付いていた。
キーパー「なっ!?」
そう、ジョルジュが打ったのはループだ。サイドシュートからのループは普段あまり使われない。キーパーがそこまで前に飛び出してこないからだ。
だが今回は違う。キーパーは前に出てきて、ジョルジュの腕ごと潰しにきていたからだ。それは角度が開いていたので後ろで守っていても止められないと判断したからだろう。
ジョルジュはその隙を見逃さなかった。相手の虚をついた攻撃だ。その観察力はさすがといった所だろう。
前に出てきてしまっていたキーパーはもうどうしようもないという顔をして、そのシュートを見逃した。
106 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:06:37 ID:OATFyt1p0
(゚∀゚)「これで完璧・・」
ジョルジュだけでなく皆そう思っていた。その思い通り、見事にゴールネットを揺らして見せた。
軽く拳を突き上げながら、VIP高陣へと戻っていくジョルジュ。その姿に会場が割れんばかりの歓声を上げる。観客はニャー速応援団ばかりでもないようだ。
( ^ω^)「プギャー!ナイスシュートだお!でもすぐ切り替えるお!!ここで止められなかったら、また差は同じになるお!」
そうブーンはメンバーに呼びかけた。メンバーもそれに呼応して声を出す。ここに来てまた雰囲気が良くなり始めてきた。
|(●) (●)、.:|「・・やはり相手は一筋縄では行かないようだな」
ダディもVIP校の力を認めざるおえなくなった。表情も少しずつ曇り始めてきている。
|(●) (●)、.:|「このチームには今までのチームよりも数倍優れている何かがある・・」
ダディクールほどのプレーヤーならば何か感じているようだ。VIP校にはあって、自分たちには無い何かを。
107 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:11:29 ID:OATFyt1p0
そしてまたニャー速高の攻撃に入る。綺麗なパス回しは健在だが、それぞれの選手の顔には前半あった余裕のような表情が完全に消えている。
ダディは特にだ。
(^Д^)「ついに相手も限界を出してくる気になったか・・舐めやがってよ。最初から限界でこいってんだ」
ニャー速は前半、手を抜いているような様子は全く無かった。だが極めて普通の攻撃しかしてこなかったのは目に見えた。
いわゆる奥の手をようやく出す気になったようだ。プギャーは初めからそれを見抜いていたようだ。
なかなか仕掛けてこないニャー速。これもおそらくVIP高の集中力を削ぐ為に行っているのだろう。だが、もうそんな戦略が通用するVIP高ではない。
個々の精神力はもうしっかりと完成されていた。
この作戦は通用しないと分かったニャー速はついに仕掛けてくる様子へと変化した。ダディが一対一を仕掛けてくるようだ。
108 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:14:52 ID:OATFyt1p0
|(●) (●)、.:|「・・・・・・・・・・・・」
何も言わない。それだけで充分VIP高を威圧している。このプレーヤーのオーラは普通の人間が持つようなチャチなオーラではない。
(^Д^)「こっちもそう簡単にやられる訳にはいかねーんだ。行くぞ」
プギャーがその攻撃を消そうと勝負に出る。まだダディがどう出てくるかは分からない。
少し硬直するプレー。どちらが先に動くのか。お互いそれを見合っているような状態だ。
そしてダディが動く。プギャ−は一瞬だったその動きを捉えられなかった。あまりにも速すぎて。
(;^Д^)「なんて速さなんだ・・!こいつ、やはりわかってます以上のプレーヤー・・」
楽々とプギャーを抜いたダディ。素早くフォローに入ったドクオ。ダディは依然、真っ直ぐに向かってくる。
('A`) 「同じような手が通用すると・・」
そう言いかけた瞬間、もうダディはボールを持っていなかった。相手の45がフリーで七〜八メートルあたりからシュートを狙っている
109 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:25:44 ID:OATFyt1p0
ダディはプギャーを抜いた瞬間、もう後ろへとパスを回していた。全く仲間を見ないで。しかもとても精密なパスで。
ドクオから全く目を離さなかったのにも関わらずこのパスの精度。やはり最強の選手と言われるだけあるようだ。
(;'A`) 「いつの間に・・」
ドクオはそのプレーの凄さに思わず動くのを止めてしまう。その間に相手の45はベストな状態でロングシュートを投げ込んだ。
敵45「俺のボールはクセ球だからな。気をつけな」
わざわざそんな言葉を残していった敵45。祐はそのボールが自分の手元にくるまでその意味が分からなかった。
コースはかなり甘め。少し腕を伸ばせば取れる。そのくらい甘いコースだ。なぜここに打ち込んできたのか。
「止めてください」とでも言わんばかりのコースだっていうのに。
110 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:28:12 ID:OATFyt1p0
(´―`)「何に気をつければい・・!!」
またも言葉を言い終わる前に祐は気が付く。そのボールが少し伸びていることに。それによりコースはかなり厳しくなっている。
(;´―`)「このことだったのか・・!!」
余裕で止められると思っていた祐は、慌ててジャンプしてそのボールを取りに行く。反応が遅くなっているのは紛れも無い事実である。止められるのか?
そのボールは勢いを緩めずにゴールへと向かっていく。祐のこの反応のタイミングでは取ることはかなり難しいと思われた。
(;´―`)「皆が頑張ってるのに、俺が期待に答えない訳には行かないんだ!!」
その気合とともに腕が伸びていく。奇跡的に、ギリギリ届く位置まで腕が伸びた。後は祐の気持ち次第だ。
(;´―`)「うわああああ!!!」
指先だけ触れたそのシュートを気合と根性で前に叩き落してみせる祐。
敵45「ま、マジかよ!」
111 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:31:25 ID:OATFyt1p0
その様子に唖然とする敵45。ディフェンスに戻る事も忘れて。だが祐は容赦しない。止めたボールをすぐに手に持ち替えて、
(;´―`)「ブーン、行くぞ!!」
もうスタートを切っていたブーンに、入学当初ではとても投げ込めなかった弾丸のようなパスをブーンへと出した。
まだニャー速ディフェンスは追いつけていない。
ブーンはダッシュしてそのボールをがっちりと掴んだ。そして、相手のゴールへとドリブルしながら向かっていく。
ドリブルでスピードを落とさないのはかなり難しいのにも関わらず、ブーンのスピードはほとんど落ちていなかった。
全力で走り続けるブーン。その脳裏には今までの辛い経験、嬉しいことなど色々な思いが駆け巡っていた。
( ^ω^)「僕はここに来る為に今まで辛い練習に耐えてきたんだお。最後の最後にこんなに頑張れて僕は嬉しいお」
つぶやいているうちにもう、相手のキーパーが見える。後ろにブーンの走りについていける奴はいなかったので誰もついてきてはいなかった。
( ^ω^)「そして・・僕等は勝つお。それがこのチームで願う最後の思いなんだお」
112 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:32:32 ID:OATFyt1p0
ブーンがしっかりと地面を踏んで、飛び上がった。そのジャンプは今まで見たことが無いくらい高いジャンプだった。
敵味方問わず、その姿に思わず見とれてしまうグランドにいた人間たち。それほどそのジャンプは綺麗なものだった。さっきのダディを越えて。
|(●) (●)、.:|「俺を超えるジャンパーがいるなんてな・・」
ダディも思わずそう呟いた。認めざるを得ないそのブーンの姿を。
( ^ω^)「決めるお!!」
ブーンのシュートはいつもよりも何倍も気合、そして勢いのあるものとなり、ゴールへと真っ直ぐと向かっていく。キーパーはその小細工のないあまりにも真っ直ぐなボールに、
一瞬呆気に取られるが反応を始める。だがもう遅い。その小細工が無いシュートはあまりにも速かった。反応を始めた頃にはもうネットを揺らしていた。
( ^ω^)「おっしゃぁぁぁだお!!」
ブーンはいつもよりも数倍大きい声を出して喜びを体全体で表現している。その周りにメンバーも集まってくる。それぞれかけた言葉は様々だった。そしてブーンは口を開く。
( ^ω^)「・・さあ!!皆切り替えるお!!次のプレーに集中するお!!」
113 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:35:44 ID:OATFyt1p0
ブーンがそう声をかけるとともに、メンバーはもう一度自分のディフェンス位置へと散っていった。
それからはお互い全く引けを取らない凄まじい展開になった。ニャー速もついに火がついたのか、怒涛の反撃を見せる。特にダディ。
|(●) (●)、.:|「・・・・・・・・・・ッ!!」
ゴールからおそらく10mほど離れていた位置だったのにも関わらず、そこから超ロングシュートを打ち込んできたのだ。その時のダディの様子はまさに鬼。
味方すら近くに来させず、俺の邪魔をしたら絶対に許さないとでも言わんばかりのその態度。
凄まじいロングシュートが飛んでくる。祐も少し慌てていた。今まで受けた事もないようなシュートなのだから。
(;´―`)「く
言葉を発する時間さえ許さなかった。もうボールはゴールを割っていたのだから。
(;´―`)「・・・・・・・・・」
思わず言葉を失ってしまう祐。なんてシュートだ。ここまで一生懸命練習して、ようやく一流のキーパーの仲間入りを果たした祐でさえも、全く動けなかったのだから。
114 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:43:00 ID:OATFyt1p0
そんな祐にブーンがいつもの様子で声をかけた。
( ^ω^)「祐、まだ一点差なんだお。気にしちゃダメだお」
そのブーンの笑顔に、険しかった祐の顔が自然とほころんだ。
(´ー`)「・・うん。オフェンス頑張ってきてくれよ」
その言葉にブーンだけでなく、メンバー全員が声を出して、向かっていった。
(´ー`)「皆・・ありがとう」
VIP高コートにはその祐の言葉以外には、何も聞こえてこなかった。
それから、更に結束の増したVIP高が反撃に成功し、再び同点に戻す。勝負はまだまだ分からない。
だが何故かそこからお互い、硬直状態が始まり、残り1分まで得点が入る事がなかった。
刻々と時間は過ぎていく。そんな時、ニャー速高校は痛恨のミスを犯した。
審判「4番!オーバー!!」
|(●) (●)、.:|「なっ!!」
珍しくダディクールがオーバーを取られた。時間もなく、シュートが入らない事にイライラし始めていたのだろう。
ダディはしぶしぶ、ボールを地面におき、すぐにディフェンスへと戻っていった。
( ^ω^)「ここで入れれば僕等の優勝なんだお!!慎重に、なおかつスピーディーに攻めるお!」
115 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:44:18 ID:OATFyt1p0
ブーンの言葉を聞き終わる前に、メンバーは既に散らばっていた。やる気は充分といった所か。
(^Д^)(ここは・・今までイマイチつかえてなかったポスト、貞治に託したい。行くぞ!!)
プギャーがパスを回しだす。お互い、緊迫した雰囲気での勝負となる。もう一点入れば、ニャー速の負けは確定するようなものなのだから。
その状態なのでやはり、更にディフェンスは厳しくなっていた。
(^Д^)(やっぱ簡単には行かないか、よし・・あの手で行くしかないな)
プギャーは全員にサインを送った。それに呼応し、皆はプギャーの方をチラッと見て、また元に戻る。
|(●) (●)、.:|「・・何を考えている」
何故かVIP高メンバーは前に前進している。パスカットも狙おうとすれば狙える距離にいる。
ニャー速はその様子を見て、いつでもパスカットできるような状態に切り替えていた。
116 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:45:39 ID:OATFyt1p0
(^Д^)(それでいい・・俺の狙いは)
プギャーが一体、何を考えているのかはまだ現状では分からない。
パスが回っていく。少し浮き気味になっているニャー速。その様子も気にしないように、VIP高のパス回しは続く。
長くなるに連れて、焦ってくるニャー速。動きにもそれが出ている。だがまだ仕掛けようとはしないVIP高。
そしてまたプギャーにパスが回ったその時・・。
(^Д^)「貞治!!」
なんとプギャーはそのボールを思い切りはじき、貞治へと高速パスを回したのだ。敵も反応が遅れたせいでそのパスは余裕で通るのだった。
|(●) (●)、.:|「まだ間に合う!挟め!!」
ダディがそう言った瞬間に貞治はすでに飛んでいた。シュートを打つ体勢に入ってしまったらもう邪魔は出来ない。キーパーVS貞治の勝負となった。
117 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:48:12 ID:OATFyt1p0
(^∀^)「このシュートに・・みんなの悲願がかかってるんだよ!!」
貞治も皆と同じように、叫び、そしてシュートを放った。
VIP校はその様子を願うように見つめている。ニャー速もまた。
どちらの願い、執念が身を結ぶのだろうか。その結果は神のみが知る・・
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・」
ブーンは無言で頭を下げながらその様子を聞いていた。ふと、ネットを揺らす音が聞こえた。ブーンは顔を上げる。
そこにはVサインをしながらうれし泣きをしている貞治がいた。ブーンはその様子から全てを察知した。
( ^ω^)「貞治・・!!」
( ;ω;)「貞治ぅぅぅぅ!!!!!!」
118 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 16:52:55 ID:OATFyt1p0
ブーンだけでなく、VIP高全員がその場に泣きながら集合していった。今、VIP校は全国の頂点に立ったのだ。
その様子を悔し泣きをしながら見つめるニャー速。ダディは彼等の姿をみて、
|(●) (●)、.:|「俺らに足りなかった物。何かわかったよ」
それだけ言い残し、去っていった。会場からはもうVIP高ハンド部の嬉れし泣きしか聞こえてこなかった。
( ;ω;)「やったぉぉぉぉぉ!!!!!!」
こうしてVIP校ハンド部は全国優勝という最高の形で勝負の幕を下ろした。三年生は引退となったが、誰も悔いを残した人はいなかったようだ。
しばらくは地元の人に話し掛けられっぱなしだったようだが。
そして、三年生は卒業し、VIP高メンバーはそれぞれの道へと進んでいった。
メンバーたちの顔つきは昔の情けなさはもう残していなかった。立派な大人の顔になっていた。
これから色々、嫌なことやめんどくさい事が沢山襲ってくるのは間違いない。
だけど彼等は絶対にくじけないだろう。ハンドボールを通して学んだ沢山のものがあるのだから。
( ^ω^)「ハンドボールって素晴らしいお!!」
( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです 完
119 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 17:08:35 ID:OATFyt1p0
あとがき
ようやく終わりました・・まさかここまで長くなるとは俺自身予想外でした。
ここまで見守ってくれてた読者さんにお礼をいいたいです。どうもありがとうございました。
小説の基礎すら全く分からず、作成を始めたこの作品。始めの頃はただ楽しくて書いてただけな気がします。
でも書き進めるうちに叩かれたり、注意されたり・・色々ありました。その指摘のおかげで少しずつ小説というものが分かり始め・・
そして今に致ります。
完結までちゃんと書けて本当に安心しました。
また新しい作品を書くかもしれませんが、その時はまたよろしくお願いします。
そして最後に、もう一度皆様にお礼を言いたいです。今までこの小説を暖かい目で見守ってくれて本当にありがとうございました!
とりあえず乙
121 :
私事ですが名無しです:2007/01/20(土) 21:01:32 ID:hhhxKSjS0
( ^ω^)本当に長編乙ですおおお
ブーンが世界から色を奪うようです。
もこれから読ませてもらいますお
122 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/20(土) 21:06:23 ID:vDJd2+e30
>>121 俺の未熟な処女作を読んでくれて本当にありがとうございました!
色のほかにももう一作作成中なので出来れば見てもらえると嬉しいです。
123 :
私事ですが名無しです:2007/01/21(日) 23:01:32 ID:1k8Q/UA40
( ^ω^)作品がありましたら是非、紹介してくださいお
合間、合間に読ませてもらって重宝してますお
124 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 23:29:00 ID:A7WVuecu0
125 :
私事ですが名無しです:2007/02/03(土) 20:49:35 ID:v3ceW9Dx0
保守
126 :
私事ですが名無しです:2007/02/03(土) 20:56:33 ID:Yx/v/SWX0
【ゴールデンレス】
∩ ・∀・)∩∩ ´∀`)∩ このレスを見た人はコピペでもいいので
〉 _ノ 〉 _ノ10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
ノ ノ ノ ノ ノ ノそうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
し´(_) し´(_) 出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
127 :
私事ですが名無しです:2007/02/03(土) 22:21:01 ID:vQBZOIEW0
俺も高校のころハンドボールやってたよ。スカイプレーのつもりが先に着地しちゃったりしてwww
128 :
私事ですが名無しです:2007/02/18(日) 13:59:46 ID:xfPJCWhb0
,,,,,_ .,,,,,,,,,,iiiiiiillllllllllllllllllllllllllllllllllll丶
゙llllllllliiillllllllllllllllllllllll!!!!llllllllllllllllllllllll!!゙
゙!llllllllllllllllllll!!!゙゙゙° ,,illllllllllllllllllll!゙゜
゙!lllllll!!l゙゙’ .,,illlllllllllllllll!!゙゜
^ .,,illllllllllllllll!!゙゜
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,,illllllllll!!゙ i _.,.,_
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,,illllllll!三);(三) ////゙l゙l
,,illllllll!゙ :::__)..:: } l .i .! |
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llllllllllli, ___ !_ ,,,,..{ .ノ.ノ
!llllllllllllllliiiiiiiiiiiii,,,,,,,,,,,,,,,iiiiiiiiiiiiiilllllllllll/ / .|
゙゙!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
゙゙゙゙!!!!!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!!!l゙゙゙゜
129 :
私事ですが名無しです:2007/02/18(日) 14:10:53 ID:vJ6mYkSN0
( ・∀・)15日レスが無くても落ちないって凄いお
( ^ω^)保守
131 :
私事ですが名無しです:2007/03/19(月) 02:38:16 ID:74QJwJei0
( ・∀・)保守お
132 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:49:45 ID:wcqZ1PN80
保守してもらってるし、前書いた短編でも少し投下するかな。
133 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:51:37 ID:wcqZ1PN80
( ^ω^)ブーンが人生を歩いていくようです
第一話
季節は夏。暑い日ざしが町に降り注ぐ。
沢山のサラリーマンや学生達が通学を急ぐ中、その中に一人、変わった男がいる。
(;^ω^)「急ぐお!遅刻しちゃうんだお!!」
語尾に「お」とつけるこの男、見た目から今働き盛りな年齢と取れる。
ピチッとしたスーツを身につけるその姿はいかにもサラリーマンらしく見えた。
(;^ω^)「今日は大事な会議があるんだお!!遅刻したら減給になるお!!」
男は自分の会社のドアを思い切り叩いて、急いで階段を駆け上る。
(;^ω^)「すいませんお!今、出勤しましたお!」
( ・∀・)「内藤君、遅いよ〜まぁ、ギリギリセーフにしといてあげるから早く仕事についてね」
134 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:52:30 ID:wcqZ1PN80
(;^ω^)「いつもいつもお世話になりますお」
( ・∀・)「構わないよ。君はしっかり仕事をこなしてくれてるからね。今日の会議、頑張ってくれ」
( ^ω^)「把握ですお!部長!!」
内藤と呼ばれるその男は、自分のデスクに座り、今日の準備を始める。
(*゚∀゚) 「おはようございます!課長!」
( ^ω^)「おっおっ、つー君、おはようだお」
明るく快活そうな女性が内藤に挨拶をする。彼はどうやら課長のようだ。
(*゚∀゚) 「今日は大事な会議の日ですよ〜?頑張ってくださいね?」
( ^ω^)「わかってるお。まかせてくれお!」
135 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:53:26 ID:wcqZ1PN80
(*゚∀゚) 「うふふっ、さすが課長ですねw」
( ^ω^)「おっおっ!」
つーは少し話してから、自分のデスクへ戻っていった。彼女はどうやらブーンに尊敬の念を抱いているらしい。
( ^ω^)「相変わらずつー君は元気でいい後輩だお。さて・・準備をすすめるお」
今日のプレゼンのために準備した物を整理する内藤。
( ^ω^)「今日もいつもの通り、頑張るお!」
( ^ω^)「まだ失敗はないお!」
そう、ブーンは今出世街道まっしぐらな三十五歳、課長である。
だが仕事が忙しいせいもあってなのか、家族にはあまり接していなかった。
136 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:54:06 ID:wcqZ1PN80
( ^ω^)「さて・・そろそろ行くかお」
プレゼンが開始される。ブーンはいつものように達者なしゃべり方でドンドンプレゼンを遂行させていく。
( ・∀・)「さすがはブーン君だな」
部長もその様子に満足気だ。
( ^ω^)「・・という訳ですお。ヨロシクお願いしますお」
プレゼンを見事完遂し、安堵の表情を見せる内藤。
( ・∀・)「やっぱり内藤君に任せて正解だったよ。君は優秀な部下だな。昇進も近いよ」
( ^ω^)「ありがとうございますお!また何かあったら言ってくださいお!」
( ・∀・)「ふふっ、頼りにしてるよ」
そう言ってモララーは自分のデスクへ戻っていく。
後は変わったことは何も無く、いつも通り仕事をこなしていくブーン。
137 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:54:50 ID:wcqZ1PN80
(*゚∀゚) 「課長・・ちょっと質問が・・」
( ^ω^)「おっ?なんだお?」
(*゚∀゚) 「ちょっとここを見て欲しいんですが・・」
( ^ω^)「おっ・・これはこうするんだお」
(*゚∀゚) 「なるほどおっ!ありがとうございます」
( ^ω^)「また何かあったらいうんだお?」
内藤は部下の面倒見も良かった。社内の評判はかなり高い方だ。
( ^ω^)(フヒヒww出世街道まっしぐらなんだおwww)
頭の中で考えている事は不純なようだ。さっさと仕事を済まし、家へ戻るブーン。
138 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:55:20 ID:wcqZ1PN80
( ^ω^)「ただいまだお!」
いつものように元気良く帰りの挨拶をする内藤。だが今日はどこか様子が違った。
( ^ω^)「あれ・・ツンが出てこないお」
いつもはツンが走ってきておかえりと言ってくれるはずなのに、今日はそれが無い。
( ^ω^)「・・?まぁいいお、とりあえず家の中に入るお」
違和感を感じつつ、家へ入る内藤。家の中の雰囲気までいつもと違うような気がしていた。
なんだか凍りついたような・・そんな感じの雰囲気を漂わせている。
リビングのソファーに、ツンは一人座って待っていた。
( ^ω^)「なんで今日はd
ξ゚听)ξ「いいから座りなさい」
有無を言わせぬツンの態度に押されてしぶしぶとソファーに座る内藤。
139 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:55:53 ID:wcqZ1PN80
ξ゚听)ξ「ねぇ、ブーン」
( ^ω^)「なんだお?」
ξ゚听)ξ「最近仕事が忙しいのは分かるけど・・家庭をないがしろにしすぎじゃないの?」
( ^ω^)「・・・・・」
ξ゚听)ξ「大変なのは分かる。でも土日まで仕事が入るときがあって最近は家族でお出かけすらできないじゃない」
ξ゚听)ξ「デレはまだ小学二年生なのよ。家族の愛が必要な時なのよ」
( ^ω^)「それは分かってるお・・」
ξ゚听)ξ「ホントに分かってる?分かってないからそんなんじゃないの?」
( ^ω^)「・・・・・・・・」
沈黙するブーン。
ξ゚听)ξ「なんか変わったよね、ブーン」
140 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:56:39 ID:wcqZ1PN80
( ^ω^)「お・・?」
ξ゚听)ξ「前は仕事よりもずっと家庭を優先してくれてたのに」
ξ゚听)ξ「今となっては仕事だから無理ばっかりで・・」
(#^ω^)「しかたないんだお!!」
ブーンが怒鳴り声をあげて立ち上がる。
ξ゚听)ξ「怒鳴らないでよ!デレが寝てるんだから!!」
(#^ω^)「お・・・・・」
ξ゚听)ξ「その目・・何かいいたそうね。言ってみなさいよ」
(#^ω^)「誰の為に働いてると思ってるんだお?」
(#^ω^)「ツンとデレの為だお。それなのに・・」
ξ゚听)ξ「その言葉、本気で言ってるのね?」
(#^ω^)「当たり前だお!!」
ξ゚听)ξ「嘘よ。今のあなたは、自分の出世の為にしか働いてないもの」
規制回避
142 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:58:04 ID:wcqZ1PN80
(#^ω^)「出世の何が悪いお?家族も楽出来るようになるし、自分の身分も上がる。悪い事ないお?」
ξ#゚听)ξ「あーもう我慢できないっ!やっぱり仕事の方が大事なんじゃないっ!!」
思い切り机を叩いてブーンに反論をかけるツン。
ξ#゚听)ξ「何が家族の為よ。聞いてて反吐が出るわ。私もう寝るから」
(#^ω^)「待てお!まだ終わってないお!!」
ξ#゚听)ξ「うるさい、偽善者」
それだけ言い残して、デレの寝る寝室へと向かっていくツン。その姿を悔しそうに見つめるブーン。
相当イライラしていたのか、凄い勢いでソファーに座りこむブーン。
(#^ω^)「ちくしょう・・なんだお、あの言い分は。腹が立つお」
(#^ω^)「沢山働いて出世するのが何が悪いんだお。のちのち家族も楽できるんだお。ふざけやがるお・・」
ブーンは気が付いていない。本当は何が大事なのかを。
だが今のままでは分かるはずもないだろう。
あまりに胸糞の悪かったブーンはその日、自分の部屋から毛布を持ってきて、ソファーで眠った。
143 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:58:55 ID:wcqZ1PN80
(´・ω・`)「すまないまだ開店は・・ってブーンじゃないか。久しぶり」
( ^ω^)「久しぶりだお、ショボン」
この男はショボン。「バーボンハウス」の店長であると共に、ブーンの親友である。
高校卒業と同時にバーを始め、今ではかなり賑わう人気のバーへと、成長を遂げた。
(´・ω・`)「ほら、このジュースはサービスだ。今日はどうしたんだい。いつもなら家族全員で顔を見せてくれるはずだが・・」
( ^ω^)「そのことで相談があってやってきたんだお、ちょっと聞いてくれお」
(´・ω・`)「なんだい、話してごらんよ」
昨日までのいきさつを説明しだすブーン。
( ^ω^)「僕が頑張ってるのに、その結果家庭をないがしろにしてるって言われても困るんだお!!」
(´・ω・`)「・・そうかい」
(´・ω・`)「ブーン、はっきり言おう、君の言ってることは間違ってるよ」
(´・ω・`)「君はメリットにつけこんで自分のために仕事を頑張りたいだけじゃないのかい?」
( ^ω^)「!!」
(´・ω・`)「それじゃあ家族をないがしろにしてるって言われても仕方ないよ」
144 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:59:27 ID:wcqZ1PN80
( ^ω^)「う、うるさいお!!」
(´・ω・`)「少し考え直したらどうなんだい?ツンへの、デレちゃんへの対応を」
( ^ω^)「・・・・・・・・」
(´・ω・`)「仕事を頑張ることだけが、父親の仕事じゃないんだよ。わかってるかい?」
( ^ω^)「あーあ、わかったお、ショボンまでツンの味方なんだおね。わかったお、帰るお」
(´・ω・`)「そういうわけじゃない。話をちゃんと聞け」
( ^ω^)「はいはい、ジュースごちそうさまだお、帰るお」
(´・ω・`)「ちょっと待て!!」
カランカラン・・
ブーンはショボンの静止を無視して、出て行った。
(´・ω・`)「・・・・・何だ、あいつは」
その夜、バーボンハウスでは・・
145 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/21(水) 08:59:57 ID:wcqZ1PN80
('A`)「やぁ、ショボン」
川 ゚ -゚)「いつも世話になる」
ショボンと同じく、ブーンの親友であるドクオ、そして妻のクーがバーボンハウスを訪れていた。
(´・ω・`)「今日ブーンが見せに来てね」
('A`)「ホントか?」
(´・ω・`)「うん、今日は珍しく一人で来てね・・どうやら家族関係が上手くいっていないみたいでね」
('A`)「あの二人が・・珍しいこともあるもんだな」
川 ゚ -゚)「倦怠期だな」
(´・ω・`)「・・凄く、嫌な予感がする」
('A`)「気のせいさ」
その日、ドクオ、クー夫婦は遅くまでショボンの店で酒を飲んでいた。
ショボンの嫌な予感が的中している事も知らずに
第一話 完
146 :
JUDY ◆Goldj.iwSA :2007/03/22(木) 15:15:47 ID:rCQaZfqn0
とても面白く拝見しました。
頑張って下さい。
147 :
私事ですが名無しです:2007/03/22(木) 19:05:32 ID:oVqx8sHE0
( ^ω^)おっ今から読みますお
148 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:28:53 ID:NrtHnBZ80
第二話
ブーンはバーボンハウスを勢いよく飛び出していった。
凄く気分が悪いようだ。
( ^ω^)「なんなんだお、ショボンなら僕に賛成してくれるって思ってお!」
( ^ω^)「それなのに、僕が悪い?そんなことないんだお!!」
ずっとぶつぶつと陰口を叩いていた。何故自分に完全に非がないと言い切れるのか、その自信がどこから出てくるかは分からない。
( ^ω^)「ちっくしょう・・」
愛用のタバコを取り出して、火をつける。ようやく少し落ち着いたみたいだ。
149 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:29:45 ID:NrtHnBZ80
( ^ω^)「・・仕方ないから家に帰って趣味の一人カラオケでもするかお」
家に戻り、前に買った家でもカラオケできる機械を準備して、カラオケを始める。
( ^ω^)「おっおっおっ〜おっおっおっおっおっおっ〜♪」
自分の好きなように歌ってストレス発散をするブーン。
声を出すことが好きなので、いいストレス発散になるようだ。
( ^ω^)「やっぱりこの曲は最高だおwwwwww」
( ^ω^)「さーて、次いくおwww」
ドンドン自分の好きな曲を入れ、好き勝手に歌っていくブーン。
ちなみにブーンの歌声は意外に綺麗なので、苦情等はこないみたいだ。
ツンやデレがいる時はこれが出来ないので、小さな楽しみになっているらしい。
( ^ω^)「おっー!!!!!!」
ピンポーン。
150 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:30:35 ID:NrtHnBZ80
( ^ω^)「誰だお?こんないい時に・・」
がちゃ
ζ(゚ー゚*ζ「あ・・ただいま、お父さん」
( ^ω^)「デレ、お帰りだお。お母さんはどうしたんだお?」
ζ(゚ー゚*ζ「ママは・・寄るところがあるって・・」
( ^ω^)「・・そうかお」
デレだけだったので内心で舌打ちするブーン。
( ^ω^)(正直、子どもとの接し方なんて覚えてないお。ツンに任せとけばそれでいいんだお)
このようにブーンは仕事が忙しくなってから完全に仕事人間になってしまっていた。
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ・・パパ」
( ^ω^)「なんだお(ったく・・何のようだお?)」
あきらかに自分の気分が出てるような返事をするブーン。
ζ(゚ー゚*ζ「う、ううん、なんでもない・・」
( ^ω^)「そうかお(それじゃあいちいち呼ぶなお)」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・・」
デレは無言でソファーに座り、ブーンと一緒にTVを見ていた。その姿はなんだか怯えて見える。
151 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:31:53 ID:NrtHnBZ80
( ^ω^)「・・・・・(ツン、いつになったら帰ってくるお・・)」
またブーンはイライラし始めた。
ζ(゚ー゚*ζ「ね・・ねぇ・・パパ」
( ^ω^)「ん?なんだお?」
さっきより更に不機嫌そうな返事をするブーン。
ζ(゚ー゚*ζ「一緒に・・トランプしようよ」
( ^ω^)「ごめんお、デレ、今は忙しいんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「え・・でも・・」
( ^ω^)「ごめんお、こう見えて仕事中なんだお」
あからさまな嘘をつくブーン。
ζ(゚ー゚*ζ「わかった・・」
それでもデレは強く要求できずにまたTVの画面を眺めはじめる。
( ^ω^)(・・なんだお、この罪悪感)
( ^ω^)(胸が痛いお・・やっぱり僕は間違ってるのかお?)
( ^ω^)(いや、そんなことないお)
デレからの誘いを断ってしまったことにより、罪悪感が生まれたが、そのまま放っておくことにしたようだ。
152 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:33:54 ID:NrtHnBZ80
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・たね」
( ^ω^)「なんだお?」
ζ(゚ー゚*ζ「パパ、昔に比べて変わったね・・前は沢山遊んでくれたのに・・」
昨日、全く同じ事をツンに言われたのを思い出して、また腹を立てるブーン。
(#^ω^)「うるさいんだお!!!」
思わずデレを相手に怒鳴ってしまう。
ζ(゚ー゚*ζ「っ!!!!」
普段怒鳴らない父親の姿を見てビックリするデレ。
(#^ω^)「子どもには何も分からない癖に!!聞いた口きくなお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・・」
ζ(つー゚*ζ「・・グスッ」
ζ(;ー;*ζ「ふええ・・ふえーん・・」
泣き出してしまったデレ。
(;^ω^)「ご、ごめんお・・デレ・・」
ζ(;ー;*ζ「グスッグスッ・・・」
(;^ω^)(子どもってのは・・なんでこんなにめんどくさいもんなんだお)
153 :
私事ですが名無しです:2007/03/24(土) 00:34:15 ID:cjyxE5ku0
( ^ω^)いえ〜い!!!
生遭遇だぜ〜
154 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:35:09 ID:NrtHnBZ80
自分が日に日に忙しくなるに連れて、子どももうっとおしく感じるようになった。
いつしか、家庭など最低限の生活を満たす所。そういう認識に変わっていってしまっていたブーン。
(;^ω^)「ほら、泣かないでくれお。デレ。一緒に遊ぼうお」
ζ(;ー;*ζ「・・・・・・」
ζ(つー゚*ζ「グスッ・・うん」
(;^ω^)(ようやく泣き止んでくれたお。めんどくせーお・・)
二人はトランプを始めた。赤い目をこすりながらトランプを楽しむデレとは正反対に、つまらなそうなブーン。
その頃、ツンはというと・・
ξ゚听)ξ「ねぇ・・ショボン、どうすればいいかな・・?」
(´・ω・`)「う〜ん・・昨日ブーンもここに来て散々文句をいって帰ってたからな・・」
(´・ω・`)「あいつは間違ってる。本人はそれを正当化しようとしているが、そんなこと通用はしないよ」
バーボンハウスに相談しにきたツン。ツン、クー、ドクオ、ショボン、ブーンは昔から仲は良く、今でもこのバーボンハウスで集合したりするのだ。
ξ゚听)ξ「最近なんて特にヒドイよ・・帰って来たらご飯食べて寝るだけ。私たちなんてどうでもいいって思ってるに違いないよ」
(´・ω・`)「正直、僕もそう思うんだ。あいつは今自分さえ良ければそれでいいという状況になっている」
ξ゚听)ξ「・・だよね、どうすればいいかな」
155 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:37:52 ID:NrtHnBZ80
(´・ω・`)「うーん・・」
カランカラン
川 ゚ -゚)「やあ、ツン」
('A`)「久しぶりだね。あれ、相方と子どもは無しか」
(´・ω・`)「ちょうどいいところに来た。ちょっと相談に乗ってくれないか?」
('A`)「ん、どうしたんだ?」
(´・ω・`)「ツン、ドクオ達なら構わないよな?」
ξ゚听)ξ「うん、むしろ助けて欲しいもの」
(´・ω・`)「実はな・・」
これまでのいきさつを話すショボン。
('A`)「ふーん・・仕事ばっかり優先して家族を構わないのか・・」
川 ゚ -゚)「ずばり言おう。最低だな」
('A`)「ちょwwwはっきりいいすぎだよ」
ξ゚听)ξ「いいのよ、事実なんだから」
(´・ω・`)「それでな?今ブーンに家族の大切さを再認識させようと猛奮闘している所なんだ」
川 ゚ -゚)「ふーん・・なるほどねぇ」
156 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:55:15 ID:NrtHnBZ80
川 ゚ -゚)「私にいい考えがあるのだが、聞いてもらえるか?」
一同「な、なんだってー!!!!!!!」
川 ゚ -゚)「聞いてくれる気があるなら、ちょっとデレちゃんをここに呼んでからにして欲しい」
ξ゚听)ξ「わかった。じゃあデレを呼ぶね」
川 ゚ -゚)「ちょwww電話で平気なのか?」
ξ゚听)ξ「大丈夫だよ。どうせめんどくさがって、デレに出させるから」
タタタタタタッタータラララー
(;^ω^)「おっ、電話だお。デレ、悪いけど出てくれるかお?」
ツンの予想通り、デレが電話に出た。
ζ(゚ー゚*ζ「もしもし・・お母さん?」
ξ゚听)ξ「しっ!ブーンには聞こえない声で話せる?」
幸い、TVの音が結構大きいお陰でブーンには声が届いていないようだ。
157 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:57:41 ID:NrtHnBZ80
ξ゚听)ξ「ちょっと・・バーボンハウスまで来て欲しいんだけど・・道、分かるよね?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、分かるよ」
ξ゚听)ξ「そしたら、今からきて欲しいんだ。大丈夫?」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・?うん、今から行くね」
ξ゚听)ξ「家から出るときはちょっと出かけてくるだけでいいからね」
ζ(゚ー゚*ζ「わかった、それじゃあ後でね」
電話を切る。
ζ(゚ー゚*ζ「パパ、公園に行ってくる」
( ^ω^)「このクソ暑いのにかお?まぁ、いいお。気をつけるお」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、いってきまーす」
デレがバーボンハウスへと歩き始めた。
ξ゚听)ξ「さて・・そろそろ来てもいいころかな?」
カランコロン。
ζ(゚ー゚*ζ「ママ〜あ、皆さんこんにちわ」
一同「こんにちわ」
158 :
◆gk43jgqTBM :2007/03/24(土) 00:58:22 ID:NrtHnBZ80
(´・ω・`)「よし、デレちゃん、そこに座っててくれ」
ζ(゚ー゚*ζ「うん・・・」
デレも席へとついた。準備は整った。
(´・ω・`)「して・・クー。その方法とは・・?」
川 ゚ -゚)「実はだな・・」
自分の考えた案を皆に話すクー。全員それを聞いて驚いた。
('A`)「そんな大胆な!あいつ、すぐにダメになるような気がするぞ・・」
川 ゚ -゚)「それだからいいんだよ。あいつはすぐに変わってもらわないといけないからな」
ξ゚听)ξ「でもそれをやるんだったら・・場所が」
川 ゚ -゚)「心配するな。私とドクオのところへ来ればいい」
('A`)「ちょwwwwまぁ、構わないけどな」
ξ゚听)ξ「・・じゃあその計画、実行してみようかな。いいよね?デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「パパが優しくなるなら・・いいよ」
ξ゚听)ξ「そうと決まれば、一度、準備のために家に戻るわね」
かくして、「ブーン家族計画」の幕が切って下ろされた。
第二話 完
159 :
私事ですが名無しです:2007/04/01(日) 02:20:38 ID:BbNJxVOZ0
( ^ω^)つづきたのんますお
160 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:16:10 ID:dOvgzE0S0
第三話
ξ゚听)ξ「ごめんね、デレ。パパが最近おかしいからってこんな計画に付きあわせて・・」
ζ(゚ー゚*ζ「いいよ、お母さん。パパが昔のように優しくなってくれるなら、かまわないから」
ξ゚听)ξ「デレ・・ありがとうね」
二人は家に向かう途中、こんな話をしていた。
( ^ω^)「遅い・・遅いお!おなか減ったお!晩飯まだかお!!」
家ではブーンが飯はまだかの状態で暴れ始める。
( ^ω^)「我慢できないお・・仕方ない、コンビニでも行くかお」
そういって玄関に出ようとしたそのとき・・
161 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:17:07 ID:dOvgzE0S0
ξ゚听)ξ「・・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・・」
ツンとデレが帰ってきた。
( ^ω^)「おお、ツンとデレ。通称ツンデレ、帰るの遅かったお。どうしたお」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
その声を華麗にスルーして、寝室へ入っていくツンとデレ。
カギの閉まる音がする。
( ^ω^)「え?ツン、何のつもりだお?」
ξ゚听)ξ「さぁ・・今のうちに荷物準備しちゃって、デレ・・」
ζ(゚ー゚*ζ「うん」
ξ゚听)ξ「そうね・・ブーンが根をあげるのは一週間くらいかしらね、それだけの荷物を準備しといてね」
ζ(゚ー゚*ζ「わかったよ、ママ」
幸い、学校は夏休みに入っていて、学校の心配をする必要はなかった。
162 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:17:45 ID:dOvgzE0S0
( ^ω^)「ちょwwwwなんでカギ閉めるおwwww早くご飯作ってお!!」
ドンドンドアを叩いて、出てくるように促すが、二人は反応しない。
ξ゚听)ξ「デレ、可哀想って思っちゃダメ!これもブーンのためなのよ!!」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・うん」
二人は着々と準備を続けている。
ζ(゚ー゚*ζ「ママ、準備出来たよ」
ξ゚听)ξ「よし、じゃあ出るわね」
ツンが荷物を背負い、カギをあける。
(#^ω^)「ちょ、何のつもり・・」
( ^ω^)「・・・・・」
(;^ω^)「ちょっと待ってくれお!!」
荷物を背負って出てきた二人にさすがに動揺するブーン。
ξ゚听)ξ「もうブーンと一緒に暮らしたくないの。家庭を全く顧みない人とは一緒にいたくないわ」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・」
デレは下を向いたまま、ブーンと目を合わせようとはしない。
163 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:18:26 ID:dOvgzE0S0
(;^ω^)「わ、悪かったお!!」
ξ゚听)ξ「もう遅いの。それじゃあね」
バタン。
(;^ω^)「・・・・・・・・・」
がっくりとうなだれるブーン。
(;^ω^)「まさか・・こんなことになるなんて・・」
一方、扉の外では・・
ξ゚听)ξ「第一段階はおkと・・」
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ・・やっぱり可哀想だよ、ママ・・」
ξ゚听)ξ「いいのよ、これくらいでブーンが家族思いになるなら安いものよ」
ξ゚听)ξ「それじゃあドクオとクーの家にいくよ、デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「・・うん」
優しいデレは父親のことが可哀想で仕方なかった。だが、ツンはあくまで心を鬼にするようだ。
二人はのんびり歩いてドクオの家へ向かっていった。
164 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:19:03 ID:dOvgzE0S0
(;^ω^)「・・・・・・・・・・・」
一人残されたブーン。
(;^ω^)「これから・・どうすればいいんだお」
(;^ω^)「僕は家事なんて一切できないお・・」
(;^ω^)「しかたないから、今日はカップラーメンで我慢するお・・」
とりあえずカップラーメンを持ち出し、食べ始めるブーン。
(;^ω^)「ちくしょう!なんでわかってくれないんだお!!」
(;^ω^)「こうなったらもう・・徹底抗戦だお。相手が謝るまで絶対許さないお・・」
ブーンもどうやら徹底抗戦の構えを取るようだ。
その頃・・
ξ゚听)ξ「第一段階成功したわよ」
('A`)「おk、まずはこれだけで根をあげればいい方だな。次の手もしっかり考えてある。任せておけ」
ξ゚听)ξ「なんかドンドンエスカレートしていくような気がするから怖いわねぇ・・」
川 ゚ -゚)「大丈夫だ。あいつのことだ。寂しい寂しいってすぐ根をあげるよ」
ξ゚听)ξ「そうだといいけどね・・」
165 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:19:46 ID:dOvgzE0S0
川 ゚ -゚)「まあ三日目までは様子見だ。デレちゃん、私達の子と遊んでやってくれないか?」
ξ゚听)ξ「そういえばあなた達の子も同い年だったよね」
川 ゚ -゚)「そうだ、どうも人見知りが酷くてかなわん。出て来い、ヘリカル」
恥ずかしそうに、クーの後ろから出てくる一人の子。
*(‘‘)*「・・・・・・・」
川 ゚ -゚)「ほら、固まらないで自己紹介しなさい」
*(‘‘)*「あああ、あの・・ヘリカルっていいます・・仲良くしてください」
川 ゚ -゚)「今の通り、どうも人付き合いが苦手みたいでな。デレちゃん、仲良くしてやってくれ」
デレはヘリカルを見つめる。
ζ(゚ー゚*ζ「ヨロシク、ヘリカルちゃん♪」
*(‘‘)*「ううううん、・・ヨロシク・・」
なんだかんだで嬉しそうなヘリカル。今回の計画は子どものためにも充分役立っているようだ。
ξ゚听)ξ「じゃあ・・私は何かお手伝いしないとね」
川 ゚ -゚)「ああ、そういえばそうだな。それじゃあ短い間だが、頼むよ」
二人は台所へと向かっていった。その日は特に進展がなく終了した。
166 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:20:26 ID:dOvgzE0S0
次の日・・
( ^ω^)「ふあああ・・朝かお」
( ^ω^)「ご飯食べたいお・・ツン!!」
だが誰も返事をしない。
( ^ω^)「そういえば・・家出したままだったお・・」
( ^ω^)「どこほっつきあるいてるんだお!ツンとデレは・・」
そう言った瞬間、なんだか寂しい気分に襲われるブーン。
( ^ω^)(家族のいない家・・こんなに広いものだったかお?)
( ^ω^)(一体いつになったら戻って来るんだお・・)
ちなみにまだ家出から、一日しか立っていないのは全員が分かっていることだ。
( ^ω^)「何か手がかりが欲しいお・・バーボンハウスにいってみるかお」
今日は日曜なので仕事はまだ休み。ブーンはとりあえずバーボンハウスへ向かってみる事にした。
カランコロン。
( ^ω^)「ぶべらっ!!!」
何か白い布が飛んできた。
167 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:21:10 ID:dOvgzE0S0
(´・ω・`)「まだ開店してないって・・あれ、ブーンか」
( ^ω^)「なんだブーンかじゃないお!!!なんだお、この布!!」
(´・ω・`)「ごめんごめん、僕のふんどしさ、あんまりイラッと来たもんでつい、ね」
(#^ω^)「限度があるお!!限度が!!!」
(´・ω・`)「ちょwwww」
(#^ω^)「ふざけんなお!この禿、ホモ、腐れ眉毛!!」
(#´・ω・`)「んだとコラァ!!この世界では俺はもう結婚してんだよ!ホモってなんだホモッてぇえええ!!!」
(#^ω^)「ホモホモホモホモホモ!!!!!!!!」
(#´・ω・`)「貴様ァ!!!もう許さん!!」
(#^ω^)「逆切れかお!!」
(;^ω^)「ちょwwwwwいてーおwwwwwごめんなさいおwwwww」
(#´・ω・`)「ふざけたことぬかしやがって・・次は親友だろうと許さん。絶対にぶちころす」
(;^ω^)「ごめんなさいお・・」
(´・ω・`)「それでなんだい?今日は何のようなんだい?」
( ^ω^)「あ、そうだお。カクカクシカジカコノキナンノキキニナルキ」
168 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:22:03 ID:dOvgzE0S0
(´・ω・`)「ふん、ツンとデレ、二人合わせてツンデレだぁ、君と僕とでツンデレだ」
( ^ω^)「そんなことどうでもいいお。出てっちゃったんだお」
( ^ω^)「何か知らないかお?今凄く困ってるお」
(´・ω・`)「そうか、とりあえず一言言わせて貰う。自業自得だ」
(#^ω^)「なんでだお!?」
(´・ω・`)「昨日も言っただろう。お前は家庭を全く大事にしてないって。その報いだよ」
(#^ω^)「僕は悪い事してないお!仕事頑張ってるだけだお!!」
(#´・ω・`)「わかんねぇヤロウだなぁ!?仕事と家庭をしっかり両立しろって言ってるだけじゃないか!?」
(#^ω^)「僕が悪いって言うのかお!?」
(#´・ω・`)「そうだっつってんだろが、短小!!!」
(#^ω^)「うるせぇ!陰金、田虫、ホモッ!!」
そのまま走ってバーボンハウスを出て行くブーン。
169 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:22:45 ID:dOvgzE0S0
(#^ω^)「なんなんだお・・皆して僕を攻めるお!!」
( ^ω^)「やっぱり僕が悪いのかお・・今まで仕事ばっかりやってたから・・」
( ^ω^)「ツンとデレは家出して・・ショボンとは喧嘩して・・」
( ^ω^)「・・・・・・・」
( ^ω^)「でも折れる訳にはいかないお、かえるお」
ブーンはゆっくりと家に帰る。その途中に赤いきつねとお弁当を買って家へ帰っていった。
(´・ω・`)「ふぅ、演技で怒るのは疲れるね。ブーンも分からず屋だな」
(´・ω・`)「・・でもまだ折れそうにはない。もっと頑張らなくちゃな」
('A`)「あいつもなかなか強情だよね。自分から態度を改善すればこんな目に合わなくて済むのに」
川 ゚ -゚)「そうだな、昔から自分が悪くないと思ったらなかなか折れない性格だからな」
ξ゚听)ξ「皆ごめんね・・あのゴリライモが迷惑かけて・・」
(´・ω・`)「気にするなよ、ツン。あの馬鹿は絶対そのうち折れるから」
ショボンも自信満々だ。
170 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:24:13 ID:dOvgzE0S0
*(‘‘)*「これ・・おいしいです」
ζ(゚ー゚*ζ「ちょwwwwお酒やんwwww」
それから二日経ってもブーンは折れなかった。だが、
( ^ω^)「・・・・・・・・」
(*゚∀゚)「課長ー!!!」
( ^ω^)「お・・・」
(*゚∀゚)「ちょwwww元気ないですね、どうしたんですか?」
( ^ω^)「なんでもないお・・寂しくなんかないお・・」
(*゚∀゚)「?」
確実にダメージは受けているようだった。
(´・ω・`)「今日で三日目か・・なかなか強情だな」
171 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/03(火) 19:25:46 ID:dOvgzE0S0
ξ゚听)ξ「あの馬鹿・・早く折れてくれないかしら。みんなに迷惑が・・」
川 ゚ -゚)「むしろいてくれる方が楽しいから全然構わないんだがな」
ξ゚听)ξ「・・ありがとう」
(´・ω・`)「ドクオは仕事でいないが・・どうするか?」
川 ゚ -゚)「そうだな・・」
あごに手を当てて、考え込むクー。
川 ゚ -゚)「第二段階へ移行するか」
ξ゚听)ξ「また過激になっちゃうのね・・」
計画は第二段階へと移される事になった。果たして次は何が起こるのだろうか。
第三話 完
172 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:38:01 ID://QDZqGQ0
最終話
ξ゚听)ξ「でも・・第二段階って何するのよ?」
ツンがクーに聞いてみた。クーは難しそうな顔をする。
川 ゚ -゚)「・・正直な所、私も良く分からない。作戦を考えてるのはドクオなんだ」
ξ゚听)ξ「そんなぁ・・」
川 ゚ -゚)「そんなこともあろうかと!!!」
クーがいきなり叫ぶと、何か紙を取り出した。
川 ゚ -゚)「実はコソーリと、ドクオの机の中から作戦ノートをくすねておいたのさ」
ξ゚听)ξ「すごーい!!でもどうやって?」
川 ゚ -゚)「この針金を曲げて・・」
ξ゚听)ξ「ちょwwwwwピッキングっすかwww」
川 ゚ -゚)「昔はカギ開けのクーとも呼ばれていたんだがな・・」
(´・ω・`)「ちょwwwwww僕知らんよ、そんな事」
川 ゚ -゚)「まあそんなことはどうでもいいんだ。とりあえず確認してみようか」
173 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:39:18 ID://QDZqGQ0
ξ゚听)ξ「どうでもよくないような気がするけどね・・」
川 ゚ -゚)「どれどれ・・」
ページを確認するクー。
川 ゚ -゚)「なんとその男はファスナーを開けながらこういった。やらないか」
(*´・ω・`)「うほっ、いいホモ小説・・」
川 ゚ -゚)「これは・・まさか、ドクオの自作小説なのか?」
川 ゚ -゚)「・・・・・・・」
川* ゚ -゚)「うはっ、801ktkr」
(*´・ω・`)「エクスタシィ・・・・・」
*(‘‘)*「デレちゃん、エクスタシィってなんですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「わからないなぁ・・なんか気持ちいいんじゃない?」
*(‘‘)*「ふーん・・私もエクスタシィしてみたいなぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「wwwwwwwwwww」
川 ゚ -゚)「ドクオにこんな趣味があったなんてな・・今度罵ってみようかな」
ξ゚听)ξ「ちょっと!子どもに悪影響よ!早くしまって!!」
川 ゚ -゚)「もう・・ツンは真面目だな。どれどれ・・」
174 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:40:10 ID://QDZqGQ0
今度はちゃんとしたページを開くクー。
川 ゚ -゚)「第二段階は・・・・・」
(´・ω・`)「これは・・・さすがに過激だな」
ξ゚听)ξ「これ本当になったらマズいんじゃない?」
川 ゚ -゚)「まぁ、大丈夫だろう。これで確実にブーンも折れるだろう」
ξ゚听)ξ「大丈夫かなぁ・・」
早速行動を起こすようだ。
*(‘‘)*「大人って大変ですね・・」
ζ(゚ー゚*ζ「そうだねぇ・・」
ブーンが仕事から帰ってくる。
( ^ω^)「ただいまだお・・・」
誰もいない部屋。凄く寂しく感じる。
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・」
( ^ω^)「いつになったら帰ってきてくれるお・・」
ブーンはツンがなかなか帰ってこないことが悲しくなってきたようだ。
175 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:41:15 ID://QDZqGQ0
( ^ω^)「おっ・・留守電だお」
赤くランプが光っていることに気がつくブーン。
( ^ω^)「ぽちっとな」
「なんだかんだと聞かれたら!答えてあげるが世の情け!!」
( ^ω^)「間違えたお。こっちだお」
留守電、一件デス
「ツンだけど・・色々考えさせてもらったんだけど・・」
( ^ω^)「おっ!!!」
「私・・もうブーンと暮らしていく自信がないの・・」
( ^ω^)「・・・・・・」
「それに私・・今まで黙ってたけど、重い病気なんだ・・」
( ^ω^)「えぇ・・!!!!」
「だから・・私オワタ\(^o^)/」
( ^ω^)「ちょwwwwwwwwwwww」
「でも・・一つだけ助かる方法があるんだ」
( ^ω^)「・・・・?」
「ブーンが家族思いな優しいお父さんになってくれること。それだけで私の病気は良くなるはずなの」
176 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:41:58 ID://QDZqGQ0
( ^ω^)「?????」
「ほら、病は気からって言うよね?」
「いや、言うわよっ!絶対言うわよ!!!」
( ^ω^)「なんで電話越しなのにこんな必死だお・・?」
「とにかくっ!私を助ける気があるなら、今の性格を直してドクオの家に来てね。それじゃあね」
( ^ω^)「・・絶対嘘だお」
簡単に見破られてしまった。当たり前といった所か。
ドクオの家では・・
川 ゚ -゚)「これでよし・・我ながら完璧だな」
(´・ω・`)「うん、さすがは高校時代演劇部の脚本を手がけてるだけあるよね」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「クーが書いた台本で演技したら余裕で演劇部負けたじゃない・・」
川 ゚ -゚)「なんかいったか?」
ξ゚听)ξ「い、いえ・・何も・・」
川 ゚ -゚)「あんまり口がすべると・・私のアイアンクローが君の胸に飛んでいくから気をつけるんだな」
ξ゚听)ξ「ちょwwww堂々セクハラ宣言っすかwww」
177 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:42:40 ID://QDZqGQ0
('A`)「ただいまー」
川 ゚ -゚)「お帰り、ドクオ。後で話があるんだが・・いいかな?」
('A`)「えっ?ああ、うん。それより、作戦はどうしたんだ?」
川 ゚ -゚)「第二段階へ移行した。これで成功ならブーンがここにやってくるはずだ」
('A`)「そうか・・でも俺は台本書いてなかったぞ、誰が・・?」
川 ゚ -゚)「私だ」
('A`)「ちょっと見せてくれ・・」
一分ほど静止してその文章を眺めるドクオ。
('A`)「ちょwwwwこれじゃあ無理っすよwwww」
川 ゚ -゚)「ちょっと来い」
失言をしたドクオはどこかへ連れて行かれた。
(´・ω・`)「まさか・・罰?」
ショボンの予想は当たった。
川 ゚ -゚)「このど変態が!!!!!!」
(*'A`)「アッー!!らめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
178 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:43:49 ID://QDZqGQ0
悲鳴(?)が家の中に響き渡っていた。
*(‘‘)*「なんかエッチな叫び声ですぅ・・」
ζ(゚ー゚*ζ「体が熱い・・」
ξ゚听)ξ「悪影響だって言ってるのに・・・それより、ブーンを待たなきゃね」
その頃ブーンは・・
( ^ω^)「・・やっぱり父親として、ツンやデレをもっと構ってあげるべきなのかもしれないお」
ブーンは家族皆で取った写真を見つめた。皆満面の笑みで映っていた
( ^ω^)「・・昔の自分に、戻るんだお」
ゆっくりと扉をあけてドクオの家へ向かっていくブーン。
( ^ω^)「・・・・・・・・」
夏だって言うのに、妙に風邪が冷たくて気持ちが良かった。
ξ゚听)ξ「あら・・・・・・・ブーン?」
('A`)「ほんとに?」
紛れも無くそれはブーンの姿だった。
川 ゚ -゚)「まさか・・あれできたってのか?」
(´・ω・`)「ちょwww自分で会心の出来っていってたじゃんww」
ピーンポーン。
179 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:44:21 ID://QDZqGQ0
川 ゚ -゚)「ほら、デレ、出てあげるんだ」
ξ゚听)ξ「・・・・・うん」
がちゃ
ξ゚听)ξ「・・・・っ!」
ドアを開けた瞬間、ブーンに抱きしめられるツン。
( ^ω^)「ごめんお・・」
( ^ω^)「やっと気が付いたお。僕は仕事ばっかに目がくらんでいたお」
( ^ω^)「でも・・ツンとデレがいない日は寂しくて仕方なかったんだお」
( ^ω^)「いなくなって・・ようやくわかったお。家族の大切さが」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
( ^ω^)「もう一度、やりなおそうお。心を入れ替えて頑張るお」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
180 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 17:45:18 ID://QDZqGQ0
ξ゚听)ξ「デレ・・いい?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、パパ、反省してるもの」
( ^ω^)「ありがとうだお・・二人とも。それじゃあ荷物もって帰るお」
ξ゚听)ξ「え・・車で着てくれたんじゃないの?」
( ^ω^)「歩きだお」
ξ゚听)ξ「え!!!!!なんでそういうところ気を使ってくれないのよ!!!」
( ^ω^)「急いでたから仕方ないお!!」
ξ゚听)ξ「大体あんたはねぇ・・」
仲直りしたと思ったら、また喧嘩を始める二人。
川 ゚ -゚)「あいつららしいな・・」
('A`)「そうだな・・」
(´・ω・`)「あれだからこそ、いいんじゃないか?」
三人はお互いを見て笑いあう。
ζ(゚ー゚*ζ「フフッ」
デレの笑顔も、なんだかいつもより明るく見えるのだった。
( ^ω^)ブーンが人生を歩いていくようです 完
181 :
私事ですが名無しです:2007/04/05(木) 18:10:09 ID:bizjik5P0
ん?完って、終わったのか??ごくろーさん!!おまえさんは
すごいYO!ハンドボールみたいなマイナーなスポーツを2chのスレで
小説化するんだ!ぜひとも、本にしてほしいな!電車男みたいに。
俺の友達の蒲生清明に頼んどくよ!
182 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:51:21 ID://QDZqGQ0
>>181 ありがとうございます。
でも俺のやつを小説化しても売れませんよw
それじゃ、人生の番外編、投下しますね。
183 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:52:39 ID://QDZqGQ0
その後
( ^ω^)「おっおっおっ!休みだお!!」
ξ゚听)ξ「先週も遊園地に出かけたし・・今日はのんびりしましょうか?」
( ^ω^)「そうするお!!」
どうやらブーンはあの作戦のおかげで自分の愚かさを恥じて、しっかり悪い所を改善したようだ。
ξ゚ー゚)ξ「ふふっ、のんびりするのも悪くないわね」
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ〜」
ξ゚ー゚)ξ「ん、どうしたの?」
ζ(゚ー゚*ζ「三人でババ抜きしようよ〜」
( ^ω^)「・・デレ、僕がババ抜き弱い事知ってていってるお?」
ζ(゚ー゚*ζ「違うよ〜w」
口ではそういうものの、顔は明らかににやけているデレ。
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、やろうよ〜」
( ^ω^)「え〜・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「分かった、パパ負けるの怖いんでしょ?」
そのデレの言葉についムキになってしまうブーン。
184 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:53:55 ID://QDZqGQ0
( ^ω^)「おっおっおっ・・・デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「なーに?お父さん」
( ^ω^)「僕が伊達にババ抜きの鬼、ブーンと呼ばれていないか教えてやるお」
ξ゚听)ξ(・・・・昔からババ抜きやるとぶっちぎりでビリだったくせに・・)
ツンは知っている。ブーンは致命的なくらいババ抜きが弱い事を。
ζ(゚ー゚*ζ「いったねー?じゃあ負けたら何してくれる?」
( ^ω^)「一発芸やるお!!」
ξ゚听)ξ「うわっ、その言葉、高くつくわよ絶対」
( ^ω^)「甘いお!!僕の生まれ変わった所をみるお!最初からクライマックスだお!!」
ξ゚听)ξ(なに仮面ライダーに影響されてんのよ、ガキね・・)
( ^ω^)「さあ、切るお!デレ!大人の絶対的能力の差を見せ付けてやるお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「はい、パパ」
ブーンに山札が配られる。その中を見たブーンのリアクションは・・これだ!!
185 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:54:49 ID://QDZqGQ0
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
(;^ω^)「じょ・・ジョーカー・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「あれ、パパ、どうしたの?顔が上擦ってるねwwwww」
デレはそれに気がついたのか、嫌味っぽくそういう。
(;^ω^)「んんん、んな訳あるかお!!!僕はトランプの鬼だお。神がついてるんだお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「そうwww」
ξ゚听)ξ「じゃあ始めようか。私がブーンのを引くね」
(;^ω^)(ジョーカーひけお!ジョーカーひけお!ジョーカーひけお!!)
ひたすら心の中で祈るブーン。
ξ゚听)ξ「じゃあ・・これっ!!」
(;^ω^)「ガーン!!」
ξ゚听)ξ「ジョーカー持ってるのはしってんのよ。多分負けるわよ?」
(;^ω^)「ぼ、僕は負けないお!!無敵超人だお!最初からクライマックスなんだお!!」
186 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:56:22 ID://QDZqGQ0
ξ゚听)ξ「確かに最初からクライマックスねwww」
ツンに馬鹿にされるブーン。
(#^ω^)「ちくしょう!絶対負けんお!!このブーン、絶対にまけんのだぁぁぁぁぁぁ!!」
ξ゚听)ξ「はいはい、DIO様乙」
軽くツンに流されてしまった。
(#^ω^)「見とけお・・絶対に負けないお」
だがブーンに奥の手などあるわけが無い。ドンドンと勝負は進んでいき・・
ξ゚听)ξ「はい!あがりー!!」
ツンが最初に抜ける。ブーンを明らかに馬鹿にしたような目つきで見つめ、
ξ゚听)ξ「さっきまでの勢いはドコにいったのかな?ブーンちゃんwwww」
(#^ω^)「ムキーッ!!!!」
ξ゚听)ξ「負け犬乙wwwwwwwwwwww」
(#^ω^)「黙れお!訂正するお!!」
ξ゚听)ξ「事実だから仕方ないじゃないwwwww」
(#^ω^)「・・・・」
ξ゚听)ξ「デレに勝ったら訂正してあげるわよwwwwwwwww」
187 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:57:06 ID://QDZqGQ0
(#^ω^)「その言葉、後悔するお!デレ、勝負だお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「言われなくても待ってるよ〜さぁ、引いて」
(#^ω^)「・・・・・これだお!!!」
何とかペアで二枚カードを減らすブーン。
( ^ω^)「フヒヒwwwwどうだお、デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「む・・・絶対負けないもんね!!」
デレも負けじと、手札のカードを減らしていく。
(;^ω^)「む・・やるお、デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「明らかにパパの方が不利だね♪ジョーカー持ってるもんね」
二人の手札も残り少ない。
(;^ω^)「お!!ここでジョーカーを引かせれば、僕の勝機はあるんだお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「残念、パパは私にジョーカーを引かせることは出来ないよ」
(#^ω^)「なんでだお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「ふふ、わからないはずだよ♪」
(#^ω^)「お・・社会に放り出されてはや十年。そこで培われた精神力をなめるなお!!ハンフリー精神だお!!」
ξ゚听)ξ(それを言うならハングリーじゃないの?しかもこういう時使う言葉じゃないし)
188 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:58:02 ID://QDZqGQ0
ブーンはけして馬鹿ではなく、天然なのだ。おそらくだが。
ζ(゚ー゚*ζ「ははwwなにそれ」
(#^ω^)「馬鹿にするなお!勝負だお!!」
ξ゚听)ξ(小学二年生にまで馬鹿にされるとは・・こいつオワてるわね)
遂にデレとブーンの一騎打ちが始まる。
(#^ω^)(表情にさえ出さなければ・・僕の勝ちだお)
(#^ω^)(ここで一発ガツーンとツンデレの奴等を見返すんだお)
何故かブーンの頭の中にはこの二人が一人の名前に収束されてしまっているらしい。
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあひくよ〜パパ、準備はいい?」
(;^ω^)「かつお!!まだ準備が終わってないお!!」
ζ(゚ー゚*ζ(かつお・・?)
少しパパは頭が動転している。きっとそうだとデレは自分に言い聞かせた。
ζ(゚ー゚*ζ(どうしよう・・パパがババ抜きだけでおかしくなったら)
ζ(゚ー゚*ζ(友達にはなんて言えばいいのかな・・)
ζ(゚ー゚*ζ(パパおかしくなっちゃったーwwいやそれじゃ・・)
189 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:58:55 ID://QDZqGQ0
デレの心配は何だかおかしい方向へ向かっていた。
(;^ω^)「よし!!いいお!来るお!!」
(;^ω^)(フヒヒ・・僕も上か下、どっちかジョーカーか分からないお。完全に運の勝負なんだお)
( ^ω^)「いいお!!」
ζ(゚ー゚*ζ(やっぱりパパ気が付いてないよ♪)
デレは自信満々にこう答えた。
ζ(゚ー゚*ζ「うーえっ♪」
( ^ω^)「後悔しないお?」
ζ(゚ー゚*ζ「うんっ!」
( ^ω^)「はい、デレ」
ブーンは自分の手元に残ったカードを恐る恐る見てみると・・
190 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 18:59:35 ID://QDZqGQ0
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ヽ |/ | | /
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( ^ω^)「う・・嘘だお。ジョーカーなんて・・」
ζ(゚ー゚*ζ「パパ知らないんだね。このジョーカーの見分け方・・」
( ^ω^)「お?」
ζ(゚ー゚*ζ「実はちょっと角が折れてるんだ。私、最近それを発見したんだよ」
ζ(゚ー゚*ζ「お母さんも知ってるから、ジョーカーがパパに渡った時点で負けは確定してたんだよ」
(;^ω^)「な、なんだってー!?」
(;^ω^)「こいつは再戦を要求するお!!」
191 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 19:00:37 ID://QDZqGQ0
ξ゚听)ξ「もう無理よ。早く一発芸やりなさいよwwwwwww」
(#^ω^)「これは不正なんだお!!」
精一杯ツンに食いつくブーン。
(#^ω^)「だっt
ξ゚ー゚)ξ「気が付かなかった方が悪いのよwwwwwwwwさぁ、早くしてよwwwwwww」
(#^ω^)「ふざけんなお!海より深く反省しろお!絶対やらないお!!」
断固拒否の姿勢を崩さないブーン。
ξ゚听)ξ「へー・・そう、子どもに嘘つくのね?」
デレの方にウインクするツン。すると・・
ζ(つー゚*ζ「グスッ・・うそつきなんだね」
デレが泣きはじめる。思わず動揺するブーン。
(;^ω^)「ちょ、泣かないでお、デレ」
ζ(つー゚*ζ「パパが約束守ってくれるなら泣きやむ・・」
(;^ω^)「わかったお!一発芸くらいやるから泣かないでお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「わーい、早くやって♪」
すぐに笑顔に戻るデレ。泣きまねだったのだ。見事にはめられたブーン。
(#^ω^)「・・仕方ないお。モノマネするお」
192 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/05(木) 19:01:30 ID://QDZqGQ0
ξ゚听)ξ「いいぞー!!」
(#^ω^)「・・・・・・」
少し静寂するその場。
(#^ω^)「あいとぅいまてぇ〜ん!!」
その場が硬直する。
ξ゚听)ξ「・・・うわ、ツマンネ」
ζ(゚ー゚*ζ「似てないね・・」
(#^ω^)「悪いかお!本当はモノマネなんかできないお!!」
ξ゚听)ξ「これだけつまんないのは無いわー。デレ、実家に帰ろうか?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、そうだね・・」
(;^ω^)「ちょっとまってくれお!!」
ξ゚听)ξ「ふふっ、嘘だよwwwあ、こんな時間だね。そろそろ買い物行こうか。久しぶりに皆で・・」
( ^ω^)「それがいいお!」
ζ(゚ー゚*ζ「わーい!!楽しみ!!」
トランプも終わって、ブーン一家はノンビリと外へ出て行き、買い物に出かけていった。
あの計画のおかげで、昔のような仲の良い家族に戻ったブーン一家の休日だった。
その後 完
193 :
私事ですが名無しです:2007/04/05(木) 21:22:00 ID:m1El+1RW0
( ^ω^)やっと書き込めたお。今から読ませてもらうお!!
194 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 01:20:53 ID:XXSlB3OrO
さて、近々最近投下した短編をこっちにも投下しますね
195 :
私事ですが名無しです:2007/04/07(土) 02:10:54 ID:D4COVguV0
( ^ω^)楽しみだお。おもしろいですお。
196 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 14:53:28 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)ブーンは壮大な夜空を見に行くようです
ある夜、何も変哲の無い恋人が街中を歩いている。
誰が見てもその様子は幸せそのもの。二人とも満面の笑顔で歩いている。
ふと、多少太っている男、彼女に向かって話す。
( ^ω^)「ツン、今日で僕等が付き合って一年記念だおね」
隣にいたブロンズの綺麗な巻き髪、まるでこの男と釣り合っていない女は男を真っ直ぐに見つめている。
少し頬を赤らめながら。
ξ*゚听)ξ「ええ、そうね。今となっては付き合った当初が懐かしいよね」
その様子が男にとっては愛くるしくてたまらなかった。
つられるように頬を赤くする。
(*^ω^)「おっ・・あの頃のツンは今よりずっとツンツンして・・」
ξ///)ξ「あ・・あんまり当時の事思い出させないでよ。恥ずかしいんだから・・」
どうやら彼女は付き合う前はツンツンだったらしい。
(*^ω^)「おっおっ・・すまないお」
ξ///)ξ「ま・・まぁいいんだけどね・・」
一連の会話を終えると、二人は手を繋いだまま、駅の方へ向かっていった。
時計はもう十一時を回っている。
普通なら一年記念という事で二人一緒に過ごすものだろう。だが、ツンは用事があるらしく今日は帰らないといけないらしい。
( ^ω^)「ホントに一人で大丈夫かお?僕が送っていくお」
ξ゚听)ξ「大丈夫よ。子どもじゃないんだしwそれにあんまりブーンに迷惑掛けたくないし・・」
( ^ω^)「おっおっ・・でも、心配だお」
この男、ブーンは誰が見ても分かるくらいに心配した顔をしながら彼女を見つめる。
だが、ツンの様子は変わらない。その気丈な表情はどこかブーンよりもずっと大人びた雰囲気を漂わせていた。
198 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 14:55:01 ID:HtsQPtQc0
ξ゚听)ξ「ホントに大丈夫だって!立派な社会人なんだからさw」
( ^ω^)「・・わかったお。絶対気をつけるんだお?絶対だお?」
ξ゚ー゚)ξ「ふふっ、大丈夫だよw心配しないでよ、ブーン」
ツンはブーンにまるでひまわりのような満面の笑みを送った。
その笑顔に思わず見とれるブーン。
ξ////)ξ「あ、あんまり見ないでよね、恥ずかしいんだから・・」
(*^ω^)「おっ、ごめんお!あ、帰る前に渡す物があるお!」
自分自身のバックをがさがさとあさり小さな箱を取り出す。
その箱に何が入っているのかは誰の目にも明白だ。
199 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 14:55:47 ID:HtsQPtQc0
ξ゚听)ξ「え・・これ・・」
( ^ω^)「プレゼントだお!開けてみてくれお!」
ゆっくりとその箱に手をかける。
その中に入っていたのはやはり指輪だった。彼なりの誠意のこもったプレゼント。
( ^ω^)「つけて・・みてくれないかお?」
ξ゚听)ξ「うん・・」
自分の指へ指輪を恐る恐るはめる。
ξ゚听)ξ「・・ピッタリだよ、ブーン」
( ^ω^)「よかったお!正直心配だったんだお!」
ほっと胸をなでおろす。ツンは表情を変えずブーンを見つめていた。
200 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 14:56:27 ID:HtsQPtQc0
ξ゚听)ξ「・・これ、高かったんじゃ・・?」
( ^ω^)「ツンのことを思えばこのくらい、楽勝だお!」
明るい表情のまま、そう言いきった。
ξ゚ー゚)ξ「ありがとう・・ブーン」
そんなブーンにゆっくりと向かっていって、静かに肩に手をかけた。
ブーンもその様子を察してなのか、ゆっくり目を閉じた。
二人の唇が重なる。お互いの存在を確認し合うように。そして残念そうに二人の唇は離れた。
ξ///)ξ「・・それじゃ、またね、ブーン」
( ^ω^)「おっ!帰り道気をつけるんだお!」
201 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 14:57:23 ID:HtsQPtQc0
別れを惜しみながら、ツンは駅のホームへと向かっていった。
この二人、お互い住んでいるところが遠いので、会うのさえ大変なのだ。
( ^ω^)「・・次はいつ会えるのかお」
そう呟いた声は少し震えていた。
自分のバイクの所まで向かって、エンジンをかける。いつもと何も変わりは無かった。
そして道路へと飛び出し、自分の家へと帰宅を始める。ツンのことを思いながら。彼の心配が現実のものとなる事はまだ彼には分からなかった。
数日後・・
今日も天気はいつも通りだった。
太陽の光がブーンの部屋にも差し込んでいた。
202 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 14:58:07 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「・・お」
今日は久しぶりの休日だ。ツンと会おうと思ったが、彼女は休日出勤らしい。
なので家でノンビリと過ごしていた。起きたのは昼だった。
ふと携帯を覗くと、公衆電話からの着信が入っていた。
( ^ω^)「誰だお・・」
そう疑問を抱くと同時にまた電話がかかってくる。公衆電話であることには変わりない。
とりあえず出てみないことには始まらない。ブーンは電話に出た。
203 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 14:58:40 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「はい・・」
「もしもし!?内藤君!?大変なのよ!すぐにニュー速病院に来て!!」
規制回避
205 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:00:11 ID:HtsQPtQc0
受話器越しに聞こえてくる声は悲鳴にも似ていた。
その声には聞き覚えがあった。ツンの母親だ。
( ^ω^)「ツンのお母さんですかお!?何があったんですかお!?」
彼女の母親からかかってきた電話。
しかも病院へ来てくれ。この言葉で何が起きたのか大体は把握できるはずだ。
「ツンが・・お昼休みに交通事故にあって・・」
(;^ω^)「えっ・・!?」
206 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:00:50 ID:HtsQPtQc0
あまりにも突然だった、その言葉。
ブーンの心に重くのしかかった。まさか彼女が交通事故に遭うなんて。
(;^ω^)「わかりましたお!すぐ行きますお!」
すぐに着替えを終えると、バイクに素早く乗り、急発進した。
とにかく必死だった。数日前に会った彼女が、あの元気いっぱいだったツンが危ないのだから。
バイクがもの凄い勢いで風を切りながら、病院へと向かっている。その姿は必死そのものだった。
「あ、ブーン君!早く!こっちよ!」
入り口にはツンの母親がブーンを待ってくれていた。
(;^ω^)「はいですお!」
すぐに駆け出し、ツンのところへ向かった。
周りの人たちに気を配っている余裕なんてなかった。
彼女の部屋の前に着いたが、そのドアを開けることが彼には怖かった。
207 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:02:25 ID:HtsQPtQc0
(;^ω^)「・・もし・・」
ツンがもう手遅れだったら、自分はどうすればいいんだろう。
嫌な想像ばかりが頭の中を駆け巡っていた。
だが、頭の中に浮かぶ想像を振り払い、ドアを勢いよく開ける。
(;^ω^)「・・・・・・・・」
目の前に入ってきた光景は自分が想像した以上のものだった。
看護士達が、もうどうしようも無いという表情で彼女を見つめていた。
担当医は全てが終わったとでも言いたそうだった。それでもあえて聞かなければならない。
(;^ω^)「先生!ツンは、ツンは大丈夫なんですかお!?」
208 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:03:08 ID:HtsQPtQc0
必死に担当医に訴えかける。
ブーンの表情を見ると同時にますます表情が曇った担当医。
彼女が今どんな状況にいるのか、その顔を見ただけで理解できた。
「・・残念ながら、もう・・ご臨終です・・」
(;^ω^)「え・・?」
担当医の言葉が理解できなかった。もう死んでいるなんて。
どう見ても寝てるだけにしか見えなかった。
(;^ω^)「嘘・・ですおね?」
そう聞いても担当医は何も話そうとはしない。
ただ下を向いているだけだった。
209 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:03:53 ID:HtsQPtQc0
(;^ω^)「ねぇ、ツン、寝てるだけなんだおね?」
いくら揺らしても、いくら話し掛けても、ツンは目を開けなかった。
( ^ω^)「・・・・嘘だお」
( ;ω;)「誰か嘘だっていってくれお!!!!!!!!!」
その叫び声は病院中に響き渡る程悲痛なものだった。
( ;ω:)「まだまだやりのこした事がいっぱいあるんだお・・」
( ;ω;)「まだ早いんだお・・ツン!」
( ;ω;)「目を・・目を開けてくれお!!」
210 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:04:25 ID:HtsQPtQc0
さらに悲痛になった叫び声でツンに訴えかけるブーン。
他に部屋にいた人も、涙を流しながらその様子を見つめている。
( ;ω;)「もう一回、あの場所に行くって約束・・果たせなかったお・・」
そう言うと崩れ落ち、号泣するブーン。
その部屋の中に、嗚咽以外の音は聞こえなかった。
211 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:06:29 ID:HtsQPtQc0
ツンが亡くなってからブーンは生きる気力を無くしていた。家に篭りっぱなしで食事もノドを通らない。
いっそ自分も死んでツンのところへ行こうか・・そう考えていた。
( ^ω^)「・・ツン」
彼女の名前を呟くと同時にふと、ある景色が頭の中に浮かぶ。
それはツンと一緒に行った、あの綺麗な夜空が見える丘。もう一度行こうねと約束した、あの場所。
( ^ω^)「・・」
もう一度そこに行ってからでも遅くは無いだろう。
彼女との思い出を鮮明に思い出してからでも。
( ^ω^)「ツン、いこうお、あの場所に・・」
重い腰を持ち上げて、準備をする。
確かあの場所はややこしい場所にあった気がする。
212 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:07:31 ID:HtsQPtQc0
二人で頑張ってようやく見つけたあの場所。ゆっくりとバイクにまたがると、すぐに発進した。
( ^ω^)「あの場所は確か・・」
少し霞んでいる記憶を思い起こして、その場所を探す。
だが何故か鮮明には思い出せなかった。
しばらく走っていると、全く見覚えの無い場所へ出た。
辺りに目立つものは無く、ただ自然が広がっている。
( ^ω^)「・・・どこだお、ここ」
確かあの時は夜だった。昼の景色なんて分からない。
だが、確かに記憶の片隅に残っているあの場所。間違ってはいない・・きっと。
規制回避
214 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:09:55 ID:HtsQPtQc0
二人で頑張ってようやく見つけたあの場所。ゆっくりとバイクにまたがると、すぐに発進した。
( ^ω^)「あの場所は確か・・」
少し霞んでいる記憶を思い起こして、その場所を探す。
だが何故か鮮明には思い出せなかった。
しばらく走っていると、全く見覚えの無い場所へ出た。
辺りに目立つものは無く、ただ自然が広がっている。
( ^ω^)「・・・どこだお、ここ」
確かあの時は夜だった。昼の景色なんて分からない。
だが、確かに記憶の片隅に残っているあの場所。間違ってはいない・・きっと。
215 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:11:27 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「・・・・・・・」
(二人とも諦めてその時だったかお・・
少し変わった森を見つけたお。その森はその時の空の色に染められていたお
きっとここには何かあると思って・・)
( ^ω^)「そうだお!森だお!」
ようやく思い出したブーンはその森へ向かっていく。
辺りはもう真っ暗になっていた。
( ^ω^)「あったお!この森だお!」
あの日の景色と変わらず、森は夜空の色に染められていた。
バイクのキーを抜いて、ゆっくりと森の奥へと進んでいった。
真っ暗だったが、不思議と恐くは無かった。そこにツンとの思い出があるのなら。
216 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:13:17 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「・・なかなかあの小高い丘を見つけられないお」
あの時は真っ直ぐに進んだだけで、すぐにたどり着いた。
だが今日は違う。何故なのか。
( ^ω^)「お・・・・・」
暗い森がブーンの気持ちを煽ろうとした。
だが今のブーンにはそんなことは目には入らなかった。
ツンとの約束の場所を探す。その思いが強かったから。
( ^ω^)「とりあえず・・自分の勘を信じて進むお」
ブーンは自分の勘を信じ、思った方向へ進む。
人が本気になった時程、能力を発揮する時は無い。
見事勘が当たり、それらしい景色がブーンの目の前に広がってきた。
217 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:14:16 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「おっ!ようやく見つけたお!ツン・・」
少し進むと確かにその場所はあった。小高い丘。その周りには夜空に染められた森が広がっていて・・
綺麗な月が見えていたのを覚えている。
( ^ω^)「確かにここだお・・確かあの日も・・」
まだ空を見上げる訳には行かなかった。一人で見ても意味が無いから。
約束はこの場所にもう一度来て、一緒にこの空を見上げる事だったから。
ブーンは持ってきたバックに手を入れると、ツンの写真を取り出した。
218 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:15:09 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「もう一度来たんだお、ツン。さぁ、一緒に見るお」
ゆっくり、本当にゆっくりと顔を夜空の方に向けた。
( ^ω^)「おぉ・・」
219 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:16:06 ID:HtsQPtQc0
目の前に広がったのは、幻想的な夜空だった。
星が空いっぱいに広がって、綺麗な満月がこっちを見ている。
色褪せた街角から見る夜空とは全く違う、綺麗な、本当に綺麗な景色だった。
( ^ω^)「・・・・」
この景色、この夜を探していた。
今はツンもこの綺麗な夜空のどこかに居るのだろうか。
何億もの星達を超えて。
( ^ω^)「ツン・・・」
何回目だろうか。彼女の名前を呟くのは。彼の瞳には涙が溜まっていた。
綺麗な星と月、幻想的な夜空。この空はどこまでも広がっていて、壮大だった。
彼女と見たこの空。ここでしか見れない、みていると自分も飲み込まれそうになる、そんな錯覚さえ起こしそうになる、この空・・
220 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:17:06 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「・・僕は一体、この場所に何を求めてやってきたんだお・・」
小さく呟いた。彼女との思い出であることは確かだった。
だが、それだけではない気がした。何かを無くしたような、そんな気がしたから。
この空が自分の未来を包んでくれるような気がしたから。
( ^ω^)「ツン・・」
もう一度、この世には居ない彼女の名前を呟いた。
ここでこの景色を見て、何度も何度も、自分達の存在を確かめ合っていた。
暖かい、小さな手。抱きしめたら壊れそうな華奢な体。ひまわりのような笑顔。
自分の隣にはもう居ないが、目を瞑れば、すぐ近くに居るような気がした。
221 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:18:29 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「なんで、ツンは死んでしまったのかお・・?」
何故、彼女が犠牲にならなければいけなかったのか。
( ^ω^)「・・これが運命だったら、神様は最低だお」
その場所には彼の声しか聞こえない。
夜空は相変わらずブーンを見つめている。どこか寂しげに。
( ^ω^)「僕が・・ツンにしてあげられる事って、まだ残っているのかお?」
壮大な夜空を見つめながらそう呟いた。
今なら何か答えてくれそうな気がしたから。
規制
223 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:20:22 ID:HtsQPtQc0
( ^ω^)「・・・・・・・」
だがやはり何かが返ってくるわけじゃない。当たり前なのだが。
ブーンの髪を風が揺らす。色鮮やかな風が。
( ^ω^)「おっ・・?」
ブーンが見つめていたその夜空に、一匹の鳥が飛び立っていく。
小さいのに、一生懸命羽を開く。その懸命な様子はどこかツンに似ているような気がした。
( ^ω^)「名前も分からないまま、飛び立つ鳥・・」
( ^ω^)「そんな鳥でさえも、強く生きていくのかお・・」
224 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:21:20 ID:HtsQPtQc0
小さく呟いた。その鳥にツンの姿を重ねて。
あの鳥は何を思って生きるのだろうか。ブーンは考える。
鳥でさえ一生懸命生きようとしている。
( ^ω^)「・・それなのに、僕がツンの分まで生きなかったら意味ないんだお」
さっきまで死のうと思っていた自分はどれだけ馬鹿だったのだろうか。
そう思うとすっと立ち上がった。そしてその夜空に背を向けた。
( ^ω^)「僕は・・生きるお。ツンの分まで・・ツンが出来なかった事を代わりに成し遂げるお」
( ^ω^)「どんなに辛い事でも耐えてみせるお。自分の為、ツンの為に・・」
( ^ω^)「正しいのかは分からないお。でも、それが・・僕がツンにしてあげられる事だと思うんだお」
225 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:22:37 ID:HtsQPtQc0
小さく呟いた。その鳥にツンの姿を重ねて。
あの鳥は何を思って生きるのだろうか。ブーンは考える。
鳥でさえ一生懸命生きようとしている。
( ^ω^)「・・それなのに、僕がツンの分まで生きなかったら意味ないんだお」
さっきまで死のうと思っていた自分はどれだけ馬鹿だったのだろうか。
そう思うとすっと立ち上がった。そしてその夜空に背を向けた。
( ^ω^)「僕は・・生きるお。ツンの分まで・・ツンが出来なかった事を代わりに成し遂げるお」
( ^ω^)「どんなに辛い事でも耐えてみせるお。自分の為、ツンの為に・・」
( ^ω^)「正しいのかは分からないお。でも、それが・・僕がツンにしてあげられる事だと思うんだお」
226 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:23:33 ID:HtsQPtQc0
そう呟いて、夜空に背を向け、来た道を引き返していく。
その帰り道だった。
ξ゚ー゚)ξ「ブーン・・私の分まで頑張ってね」
227 :
◆gk43jgqTBM :2007/04/07(土) 15:24:26 ID:HtsQPtQc0
ツンだ。ツンの声が聞こえた気がした。
その声に向けてなのか、ブーンは力いっぱい叫んだ。
( ^ω^)「必ずツンの分まで生きるお!ずっと・・見ててくれお!」
叫び終えて、彼は笑った。
いつまでも笑って、ツンの分まで強く生きていく為に。
そんな彼の背中は今まで以上に大きく見えたのだった。
( ^ω^)ブーンは壮大な夜空を見に行くようです 完
228 :
私事ですが名無しです:2007/04/14(土) 20:17:56 ID:ydvTWDHM0
( ^ω^)新作きたおー!
229 :
私事ですが名無しです:2007/04/22(日) 03:10:43 ID:E1jjvtpc0
( ^ω^)ほしゅお
230 :
私事ですが名無しです:2007/04/27(金) 18:38:07 ID:TfmHtKmJ0
231 :
私事ですが名無しです:2007/05/03(木) 19:17:40 ID:vObDEemK0
( ^ω^)おもしろいだおおおおおおおおおおお!
232 :
私事ですが名無しです:2007/05/06(日) 19:18:47 ID:Oka+gIYI0
ディフェンス専門のポストで県選抜に選ばれたころがなつかしや
他県の猛者どもを反則ギリギリの技でシュート体勢に入る前に吹き飛ばして
鉄のカーテンといわれたな
233 :
私事ですが名無しです:2007/05/06(日) 20:54:12 ID:gJPbGvBM0
( ^ω^)鉄のカーテン・・・かこいいおおおおおおおおおおおお!
はぁはぁ・・・
234 :
私事ですが名無しです:2007/05/09(水) 22:59:31 ID:xtqRUvBm0
( ^ω^)捕手だお。
235 :
私事ですが名無しです:2007/05/12(土) 23:23:06 ID:3zV7Rgwc0
( ^ω^)一塁手だお。
236 :
私事ですが名無しです:2007/05/13(日) 23:01:48 ID:ML+wxzbX0
( ^ω^)二塁手だお。
237 :
私事ですが名無しです:2007/05/15(火) 21:54:56 ID:S/Ozk27T0
( ^ω^)三塁手だお。
238 :
私事ですが名無しです:2007/05/19(土) 22:37:54 ID:eEk3jxbE0
( ^ω^)遊撃手だお
239 :
私事ですが名無しです:2007/05/22(火) 20:58:19 ID:IRX/ZQpU0
( ^ω^)投手だお
240 :
私事ですが名無しです:2007/05/26(土) 23:45:45 ID:XC2svrh/0
( ^ω^)挙手だお
241 :
私事ですが名無しです:2007/06/01(金) 23:29:02 ID:7pi/XRni0
( ^ω^)触手だお
242 :
◆gk43jgqTBM :2007/06/09(土) 19:49:25 ID:ZuTrvL160
地味に保守されてて嬉しいな。
でもまだ新作を書こうにも時間が取れないのでまだまだ後になりそうです。
保守してくれてるお方、申し訳ないです。
243 :
私事ですが名無しです:2007/06/09(土) 22:38:51 ID:suPW2b7L0
( ^ω^)右手だお
244 :
私事ですが名無しです:2007/06/09(土) 22:40:02 ID:suPW2b7L0
( ^ω^)リロードしてなかったお・・・
>>242気長に待ってるお
245 :
私事ですが名無しです:2007/06/13(水) 22:50:30 ID:Hf4PBJCg0
誰かまとめを作ってくれないかね
246 :
◆gk43jgqTBM :2007/06/13(水) 23:10:44 ID:zYPM1CgEO
>>245 ハンドのまとめならオムライスさんにありますよ〜
247 :
私事ですが名無しです:2007/06/13(水) 23:33:07 ID:Hf4PBJCg0
249 :
私事ですが名無しです:2007/06/16(土) 10:50:17 ID:SmEAajY40
( ^ω^)おっ珍しくレスが何個かあるお
250 :
私事ですが名無しです:2007/06/21(木) 17:29:26 ID:hOqJzSiM0
( ^ω^)大手だお
251 :
私事ですが名無しです:2007/07/01(日) 23:32:50 ID:yTuWLHBF0
( ^ω^)ほしゅお
252 :
◆gk43jgqTBM :2007/07/03(火) 01:55:04 ID:5nDJdFZLO
お久しぶりです。
今短編の製作に取り掛かっていますがいかんせん時間がないので執筆は遅いです。九月に試験なのに俺は・・
ジャンルはおそらく壮大な夜空と似た感じのものです。
完成次第、投下します。
保守ありがとうございます
253 :
私事ですが名無しです:2007/07/03(火) 23:36:54 ID:MysamerB0
( ^ω^)気長にまってますお。受験頑張ってください
( ^ω^)同じく待ってるお
テステス
256 :
私事ですが名無しです:2007/07/08(日) 12:42:17 ID:xbs0L2Yo0
( ^ω^)ageageエブリナイトお
257 :
私事ですが名無しです:2007/07/14(土) 16:12:07 ID:5J3wJh920
( ^ω^)おうおう
すいません、自業自得でもう書けなくなっちゃいました
今までありがとう、そしてさようなら
ごめんなさい、今のは取り消しです
260 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 09:17:07 ID:9/KxR28D0
( ^ω^)hosyuu!!!
261 :
私事ですが名無しです:2007/08/04(土) 14:00:17 ID:ljJVzN9i0
( ^ω^)保守するお
262 :
私事ですが名無しです:2007/08/05(日) 16:32:18 ID:JyWydmnk0
( ^ω^)おなじく保守お
アルファベットおもすれー(^ω^)
264 :
私事ですが名無しです:2007/08/19(日) 18:43:08 ID:3B2JXUB+0
( ^ω^)今日でお盆休みも終わりだお・・・保守お!
( ^ω^) チンポうPしていいかお?
266 :
私事ですが名無しです:2007/08/20(月) 13:19:18 ID:rIo01bYk0
267 :
私事ですが名無しです:2007/08/26(日) 07:49:58 ID:aG3KMcNa0
( ^ω^)ザ・保守お
268 :
私事ですが名無しです:2007/09/02(日) 13:08:35 ID:ujvs0nL/0
( ^ω^)補習お
269 :
私事ですが名無しです:2007/09/06(木) 17:41:41 ID:i8SR5j5j0
アルファベットは最近更新されてないからつまらんお( ^ω^)
270 :
私事ですが名無しです:2007/09/08(土) 12:30:45 ID:wfwjqYqX0
( ^ω^)age玉ボンバー!
271 :
私事ですが名無しです:2007/09/17(月) 09:29:25 ID:2d8kcrUQ0
( ^ω^)つI
どうも。今日警視庁の試験受けてきました。
落ちてるっぽいですが、とりあえず時間もできそうなので少しずつ執筆再開していきます。
かなりブランクもあるんで遅くなりますがご勘弁を・・
273 :
私事ですが名無しです:2007/09/23(日) 10:17:55 ID:M5Y1mt7p0
( ^ω^)ageゆっっくりですお
274 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 17:58:13 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)ブーンの家族生活のようです
今宵はクリスマスの夜。
カップル達はこれでもかという程に仲の良い所を見せ付けあう。
町にも幸せなムードが漂っていた。あるレストランにいた二人組も例外ではなかった。
( ^ω^)「ツン・・今日は僕等が付き合って二年の記念日だおね」
ξ゚听)ξ「ええ、懐かしいわね・・ブーンに告白された時が」
( ^ω^)「おっおっ!あれはよく覚えてるお!」
ξ゚听)ξ「あの時のブーンは酷かったわね・・どんだけ噛みながら私に告白した事かw」
( ^ω^)「おっ・・それは言わないで欲しいお。緊張してたんだお」
ξ゚ー゚)ξ「ふふっ、幼馴染の前だったのに、ブーンのあの情けない姿・・いつ想像しても懐かしいな」
この二人が付き合い始めたのは、今の発言でも分かるように、二年前のクリスマス。
それは寒い冬だった。
ブーンとツンは幼馴染で、小さな頃から仲が良く、よく遊んだ。
275 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:00:09 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「おっおっおっ!!ツンちゃん!遊ぼうおー!!」
ξ゚ー゚)ξ「いいよーブーンちゃんー!!」
小さな頃はこんな感じで、ただただ楽しく遊ぶ仲だった。
それが中学くらいだろうか。互いに一緒に居るのがなんだか恥ずかしくなって距離を置き始めた。
その時からなのか、ブーンはツンに対して、幼馴染としてではなく、一人の女性としてツンのことを見始めた。
( ^ω^)「・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・・」
だがブーンはその気持ちを中々行動に移すことは出来ず、高校を卒業するまでずっと、ツンとはろくに話せさえしなかった。
ブーンは大学に進学し、ツンと会うこともどんどん少なくなっていった。
新しい友達も出来た。彼らと遊ぶことがもっぱらブーンの楽しみだった。
('A`)「なぁ、ブーン。お前、普通に遊ぶ時は必ず来る癖になんで合コンになると、いつも来ないんだ?」
もう大学四年生。就職も決まり、時を待つだけになった彼等。
ブーンと一緒に居るこの男。彼はドクオ。高校時代からの友人で、大学に入ってからも仲が良く、よく遊ぶ仲だった。
276 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:02:29 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「お・・それは・・」
('A`)「だれか心に決めた人でも居るのか?」
( ^ω^)「・・うん、実はいるお」
('A`)「ホントかよ!?誰なんだよ。ブーン!」
( ^ω^)「多分・・言っても絶対わからないお。僕の幼馴染なんだお」
('A`)「え?幼馴染?」
( ^ω^)「お・・中学の頃からずっと好きなんだお。でも・・告白とかしてないんだお」
('A`)「何でそんなに思っているのに・・告白しないんだ?」
( ^ω^)「勇気がないお・・断られるのが怖いんだお」
('A`)「なんだよ!そんなことでビビッてんのか?」
( ^ω^)「お・・」
277 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:05:09 ID:cUZ8kkGO0
('A`)「お前、高校時代の俺を見てきただろ?俺は後悔しないため、好きになった子にはいつも告白していたじゃないか」
ドクオの戦歴は五戦五敗。ようは全敗なのだ。
だが、ちゃんと気持ちを伝えているドクオをブーンは凄く羨ましく思っていた。
('A`)「お前がその子を思う気持ちは本物なはずだ。ならばOKでもダメでも少なくとも気持ちはちゃんと伝わるはずだ。そうだろ?」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
('A`)「だから、伝えてみろよ。もう立派な大人なんだからさ」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
( ^ω^)「わかったお。今度会った時、しっかり伝えてみるお」
そして冬。ブーンは無謀にもクリスマスの日、ツンに連絡を取る。
ツンに彼氏が居た場合、もう電話の時点でアウトなのだが。
278 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:07:53 ID:cUZ8kkGO0
ξ゚听)ξ「あっ・・ブーン。久し振りだね」
( ^ω^)「ホントだお。元気にしてたかお?」
ξ゚听)ξ「もちろん元気だったよ、ブーンは?」
( ^ω^)「僕もだお。今日は話があって、ツンに電話したんだお」
ξ゚听)ξ「えっ・・」
ツンは自分の心臓が一回ドクンと大きな音を立てたのを自分で感じていた。
ドキドキしてる。久し振りに・・そう思った。
( ^ω^)「今日の夜、一緒に食事でもどうかお?」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
心臓のドキドキは納まらない。むしろ、激しくなっているのが自分でも判るくらいだった。
279 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:11:02 ID:cUZ8kkGO0
ξ゚听)ξ「えっと・・・」
( ^ω^)「やっぱり・・無理かお?」
ブーンの少し元気の無くなった声に、慌てて反応するツン。
ξ゚听)ξ「だっ、大丈夫だよ!ブーン!今日、楽しみにしてるからっ!」
( ^ω^)「ほ、ホントかお!?(アブねーお。断られてたら予約したレストランドクオと一緒に行くことになってたお)」
ある意味危険なカケだったといえる。
ξ゚听)ξ「そ、それっじゃ!何時にどこへ行けばいいのっ!?」
ツンもドキドキしているせいか口調がおかしかった。
( ^ω^)「七時にラウンジレストランに来て欲しいお!!」
ξ゚听)ξ「ら、ラウンジレストラン!?」
ラウンジレストランは、この町1番の高級レストランとして有名だった。
なんで自分をそんな所にわざわざ招待してくれるのかとツンは少し疑問に思った。
280 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:13:38 ID:cUZ8kkGO0
ξ゚听)ξ(ブーン・・クリスマスの日にそんなレストランで・・)
ξ///)ξ(もしかして・・私のことを・・?)
まぁ、クリスマスに連絡取ってるくらいだから、半分は既にバレているようなものなのだが。
( ^ω^)「そ・・それじゃあ後でだお!!」
ξ゚听)ξ「え、ええ!またね!!」
二人は最後まで何だか慌てたままで、電話を切った。
( ^ω^)「おっおっ・・ついに勝負の時が来てしまったんだお・・」
ブーンはかなり力んでいる。女の子と初めて二人きり。しかも相手は好きな女性であり幼馴染でもある。
どう伝えればいいんだろうか・・それをずっと考えているだけだった。
281 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:17:37 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「・・僕は僕なりに、やるしかないお・・」
( ^ω^)「おっ!ドクオに電話しておくお!!」
ピポパポ・・
('A`)「はい、もしもし・・」
やる気の無さそうな声が受話器越しに伝わってくる。これはドクオで間違いはない。
( ^ω^)「ドクオかお!?僕はやったんだお!」
('A`)「ちょwww落ち着け!!何があった!?」
( ^ω^)「聞いて驚くなお!いや、驚けお!幼馴染を今日、食事に誘う事に成功したんだお!」
('A`)「ちょwwwマジかよwwwお前すげーなwww」
( ^ω^)「それだけ報告する為の電話だお!すまないが準備があるからきるお!」
プツッ。
282 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:32:12 ID:cUZ8kkGO0
('A`)「あいつ・・本当に行動を起こしたのか」
冷静にクリスマスの夜、上手くいったら何が起こるのかドクオは冷静に考えてみた。
('A`)「告白成功→ラブホ→童貞卒業ウマー」
(#'A`)「あいつぅぅぅぅぅぅ!!俺より先に卒業する気かぁぁぁ!!」
まだ上手くいっていないのに、勝手な妄想を繰り広げるドクオ(彼女居ない暦=年齢 童貞)なのであった。
一方ツンは・・
ξ゚听)ξ「本当にブーンに会うのは久し振りだな・・」
ξ゚听)ξ「少しは変わってるのかな・・」
実はというと、ツンもツンで、ブーンに気があった。
中学時代、ブーンが自分から離れていくのが妙に悲しかった。
ブーンという存在が自分にとってどれだけ大事なのかを改めて実感し、それと同時に好意をもっていたことに気が付いた。
283 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:35:11 ID:cUZ8kkGO0
ξ゚听)ξ「・・私も実は奥手な方だからなぁ。伝えられなかったんだよなぁ。懐かしい」
ξ゚听)ξ「でも・・今日は何かありそうな気がするな」
ツンの心はいつのまにか踊るような感じになっていた。
ξ゚ー゚)ξ「楽しみだなぁ・・」
最初は緊張という言葉しか頭に無かったが、もうその文字は消えている。
ブーンに会える。それだけで充分心が躍った。
ξ゚听)ξ「・・・・・」
自分の洋服ダンスを開く。
ξ///)ξ「折角だし・・勝負下着でもはいていってみようかな・・」
やはりツンも女の子だった。だが、まだ早い気がしないでもないが。
準備を進めていく内に、時間はどんどん過ぎていく。集合時間の一時間前になっていた。
284 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:39:41 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「もうこんな時間かお・・」
ブーンはまだ家から出ていなかった。いろいろと確認があるからだ。
( ^ω^)「髪の毛セットおk・・髭剃りおk・・歯磨きおk・・服装おk・・」
確認している内に、あっという間に時間は経っていく。
( ^ω^)「やべーお!後三十分しかないお!!」
急いで玄関に出て愛車(原付)「ブーンmk−弐」に乗り、ツンとの待ち合わせ場所に急いだ。
(;^ω^)「遅れたら男としてこれ程情けないことはないお!超急ぐお!!」
ブーンmk−弐がブーンの体重に対し、少し悲鳴をあげているのが何となく分かる。
エンジンの音がなんだかおかしい。だが、これくらいで壊れるほどやわではないのだろう。
なんてったって三年使っていますからね。彼。
285 :
私事ですが名無しです:2007/09/26(水) 18:40:55 ID:EJ6knzXXO
wktk
286 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 18:42:39 ID:cUZ8kkGO0
(;^ω^)「慣性ドリフトだお!」
ギャギャギャという音を立てながら、カーブを曲がるブーン。とても危険な走行だ。
三分後・・
警「ダメだよ〜君、一般道の法定速度は守らないとね」
(;^ω^)「ごめんなさいごめんなさい・・待ち合わせがあるんですお。許してくださいお」
警「そーなの、じゃあここにハンコ押してね〜」
(;^ω^)「ちょ!!僕のエロゲ貸すから勘弁してくださいお・・!!」
警「・・・っ!警察を買収するつもりか!貴様にもう用はない!行け!!」
(;^ω^)「ちょwwwありがとですお!!」
ブーンは一気にmk−弐のスピードを上げて集合場所へ向かっていった。
警「・・くそっ、エロゲと言う単語に心が動いた自分が情けない・・でも感じちゃう!」ビクビクッ
どうやら彼も彼でまともではないみたいだ。
さるった・・
288 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 19:30:57 ID:cUZ8kkGO0
(;^ω^)「おっおっ・・!もうすぐでつくお!今何時だお!?」
自分の携帯を一瞬だけ開けてみるブーン。
(;^ω^)「おっおっ!七時五分前・・!!なんとか間に合いそうだお!」
またバイクのスピードを上げ、急ぎに急いだ。
やっとの思いで到着すると、既にツンらしき人物が到着していた。
(;^ω^)「おっ・・・・・・」
ξ )ξ「・・・・・・」
289 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 19:32:46 ID:cUZ8kkGO0
後ろを向いているので、ちゃんとツンかどうかとは確認できなかった。
でも印象的な巻き髪が言っている。私がツンだと。
(;^ω^)「ツン!?」
ためしに声をかけてみた。その巻き髪の女性(?)はゆっくりとこっちに顔を向ける・・
ζ´・ω・`ζ「やらないか?」
(;^ω^)「おまwww誰だお!あっちいけお!!」
ζ´・ω・`ζ「声をかけたのは君のほうだろう。やら・・」
ξ゚听)ξ「ブーン!遅れてごめーん!!」
(;^ω^)「おっ!!ツン!!」
ζ´・ω・`ζ「ちっ・・彼女持ちか・・」
妖しげなその男はその場からすぐに消えていった。
その場はすぐに二人の世界になった。
290 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 19:35:39 ID:cUZ8kkGO0
ξ゚听)ξ「久し振りだね・・ブーン」
( ^ω^)「・・・・・」
思わずその姿に見とれてしまう。
昔とは全然違う。かなり綺麗になった。自分と一緒にいるのが不釣合いなくらい・・
ξ゚听)ξ「・・どうしたの?固まっちゃって・・」
ツンはその様子が何だか酷く不自然に見えたので、そう話し掛けた。
( ^ω^)「あ、ああ、ごめんお。じゃあ早くレストランに向かおうかお」
ブーンが自分で声をかけ、二人はラウンジレストランへと入っていった。
ついにブーンの初めての告白が始まる・・!!
2話へ続く
291 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 19:48:05 ID:cUZ8kkGO0
第2話
(;^ω^)「おあっ!!ここが噂のラウンジレストランかお!?」
ブーンは正直ラウンジレストランにきたことは今まで無かった。
ただ高いという事だけは知っていたからお金は沢山持ってきた。だが雰囲気だけにはなかなかなれないみたいだ。
(´・ω・`)「今日ご予約のブーン様でいらっしゃいますか?」
その顔はさっき見た女(?)にそっくりだった。
思わずブーンの体は一瞬震え上がった。
( ^ω^)「あなた・・さっき僕と会いましたかお?」
(´・ω・`)「いえ・・気のせいじゃないですか?」
男は何も動揺すること無く、そう答えた。
( ^ω^)「・・・・・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・・・・」
ツンをほったらかしにして見つあうと素直におしゃべりできない二人。
292 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 19:52:46 ID:cUZ8kkGO0
(*´・ω・`)「・・・・・・・・」
(;^ω^)「・・・・・・・・・・」
頬を赤く染め、まるで乙女のように頬を染めるショボンとは対照的に冷や汗を流すブーン。
そんな様子をツンはじっと見つめていた。
ξ゚听)ξ「・・・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ(これは・・)
ξ*゚听)ξ(やおいフラグktkr)
このツンの微妙なやおい思考。腐女子になりさがったツン。
ξ*゚听)ξ(ガチホモを一度生で見てみたかったんだよね・・たまんないっ!見てるだけで感じちゃうよっ!)ビクビク
(;^ω^)「・・ツン?」
体を変な風にビクビクさせているツンの様子が心配になったブーンはショボンから目を逸らし、ツンに声をかける。
293 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 19:56:48 ID:cUZ8kkGO0
ξ*゚听)ξ「・・えっ!?何、ブーン!?」
頬を真っ赤にしながらブーンに話すツン。
明らかにその様子を異常に思ったブーンは・・
(;^ω^)「すまないお、早く予約した席に連れてってくれお」
(´・ω・`)「すいません。すぐご案内します」
後ろを向いたウェイターのポケットが妙に膨らんでいるのは見なかったことにするブーン。
飛び出していたのは巻き髪のような毛だったからだ。
(;^ω^)「・・・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「さぁ、案内してもらったし、早く座ろうよ」
(;^ω^)「そ・・そうするお」
294 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 20:05:26 ID:cUZ8kkGO0
ブーンの頭の中で、占めている思考は七割があの男のこと、二割は告白の事、一割はドクオのエロゲーのことを考えていた。
完全に無駄な思考が頭の中を駆け巡っている。
(;^ω^)(もし・・告白に失敗したら・・あの男に食われる事は確実だお!!)
そう思うのも無理は無かった。なぜなら・・
(*´・ω・`)「ニヤニヤ」
文字通りニヤニヤしながら頬を赤らめながらずっとこっちを見ているからだ。
その目は妖艶な色を放っている。
(;^ω^)「あうあう・・」
ξ゚听)ξ「どうしたの・・」
295 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 20:23:48 ID:cUZ8kkGO0
('、`*川「ツン・・」
ξ゚听)ξ「これから私は・・ブーンのお嫁にいくけど・・」
ξ゚听)ξ「父さんと母さんの子どもであることには変わりないからね・・」
ξつ听)ξ「だから・・グスッ」
ξ;凵G)ξ「これからも・・ヨロシクね・・」
ξ;凵G)ξ「そして・・ありがとう」
(`つω・´) 「・・・・・」
(;、;*川「グスッ・・滅多に泣かないあなたが泣くなんてね・・やっぱり・・複雑な気分だよね・・」
(`;ω;´) 「あぁ・・」
両親二人もツンの涙に釣られてなのか、号泣していた。
ツンはブーンが見ている方に目を向けると同時に、
ξ*゚听)ξ「モルスァ」
訳の分からない言葉を発し、また体をビクビクッと震わせた。
ξ*゚听)ξ(あぁん・・たまらないよぅ・・ブーンとあの人の絡みを想像するだけでイッちゃうよ・・)
またツンの頭の中は訳の分からない思考が駆け巡っている。
(;^ω^)「つんさーん・・?」
ξ*゚听)ξ「ハァハァ・・あっ、ごめんね」
少し荒くなった息を整えながら、ツンはブーンの言葉に反応する。
(;^ω^)「今日はなんだか様子がおかしいお。ツン」
ξ゚听)ξ「今日はって・・今まで随分会ってなかったじゃないw」
( ^ω^)「そういえばそうだったおw」
二人はにっこりと笑った。
そして、また二人は二人だけの会話を始める。
297 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 20:35:37 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「ツン、今は何してるんだお?」
ξ゚听)ξ「今は・・就職活動かな。ほら、あたし昔ブーンに夢、話したの覚えてる?」
( ^ω^)「あぁ・・あれは忘れもしない十一月二十一日の水曜日、僕等がまだ小学生の頃・・」
ξ゚听)ξ「随分正確に覚えてるわね・・保母さんになりたいって言ったじゃない?」
( ^ω^)「そうだお!あの時ツンは凄く生き生きして、その話をしていたお」
その頃からだったのかもしれない。好意を抱いていたのは。
自分は中学でようやくその気持ちに気が付いた。だからその時は気が付かなかった。
ξ゚听)ξ「あたしね・・その夢、ずっと持ち続けた。それで大学にも行って、ちゃんと勉強したよ」
ξ゚听)ξ「それで・・今は就職活動って言ったけど、実は雇ってくれそうな所が一つあるんだ」
( ^ω^)「ホントかお!?おめでとうだお!!」
ブーンは自分のことのように喜んだ。そんなブーンの混じり気のない笑顔が眩し過ぎて、赤面するツン。
298 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 20:46:41 ID:cUZ8kkGO0
ξ///)ξ「・・ありがとう、ブーン」
( ^ω^)「羨ましいお。ツンはちゃんと夢を叶えていて・・僕には夢が無かったお。だから就職も普通の所に・・」
ξ゚听)ξ「どこに就職が決まったの?」
( ^ω^)「えーと・・ニュー速株式会社だったかお・・」
ξ゚听)ξ「え!?それホントに!?」
( ^ω^)「え・・うん、受けたら受かったんだお」
ξ゚听)ξ「ニュー速株式会社ってあの、今成長著しい企業じゃない。よく合格出来たわね。あそこは狭き門なのよ・・?」
( ^ω^)「え、それホントかお?」
ξ゚听)ξ「ホントよ!少しは世間のことも知ろうとしなさいよ・・そしたらブーン、あんたエリートよ!!」
( ^ω^)「おっおっ!エリート!!いい響きだお!!」
それからもう少し、それ関係の話が続き、会話に花が咲いた。
299 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 20:49:43 ID:cUZ8kkGO0
(´・ω・`)「失礼しまぁす。料理をお持ちしました」
その男、妙にブーンとの距離が近い。いや、ほぼブーンとくっついているようにしか見えない。
( ^ω^)(この男・・やはりモノホンのゲイだお!!やばいお・・)
(*´・ω・`)「フヒヒ・・」
( ^ω^)「キモッ」
思わず口をついて出てしまった。
( ^ω^)「し、しまったお・・!」
それでも男はブーンを妖艶な目つきで見ることをやめようとはしない。やはり本物のホモだ。
ツンは・・
ξ////)ξ「アッー!!!!」
またイキそうになっていた。果たしてこんな状態で告白なんて上手くいくのだろうか。
300 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 20:51:22 ID:cUZ8kkGO0
(*´・ω・`)「ではごゆるりと・・」
ホモがその場から去っていく。
ξ////)ξ「ハァ・・はァ・・」
( ^ω^)「つ・・ツン?平気かお?」
ξ゚听)ξ「あ・・あぁ、ごめんね、大丈夫」
( ^ω^)「ツン・・」
いきなり真面目モードに切り替わり、話を進めるブーン。
( ^ω^)「僕が今日、君をここに呼んだのは他でもないお。ツンも何となく分かっているはずだお」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・・・?」
( ^ω^)「ぼくは
ζ´・ω・`ζ「僕との関係を見せ付けにやってきたんだよな?ブーン」
301 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 20:55:20 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「・・・・・・・・」
ξ////)ξ「そ・・そんな、ヒドイよ、ブーン」
その言葉とは裏腹に顔は真っ赤なままだった。
(#^ω^)「テメーは引っ込んでろお!!」
ζ´・ω・`ζ「うがぁ!!!」
ブーンの渾身の右ストレートがヒットし、男は吹っ飛んでいった。
( ^ω^)「話を戻すお。実は・・僕」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
( ^ω^)「ずっと前からツンのことが大好きだったんだお」
( ^ω^)「でも・・当時は嫌われる事が怖かったお。それにすごく恥ずかしかった・・」
( ^ω^)「そのせいで、ずっと告白できなくて・・自分が情けなかったお」
302 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 21:05:39 ID:cUZ8kkGO0
ξ゚听)ξ「ブーン・・」
( ^ω^)「でも最近、友達に言われたお。そんな思ってるなら、ちゃんと言うべきだろって・・」
( ^ω^)「僕も・・そうだって思ったお。ずっと・・好きだったから」
( ^ω^)「その為に今日はここに来てもらったんだおお・・」
ξ゚听)ξ「・・・・・」
まさか来る前、本当に自分が思っていたことが現実になるとは思っていなかったツン。
少し戸惑ってしまう。
それにしても所々噛んでるなという印象を受けた。
( ^ω^)「だから・・よかったらら・・付き合ってほしいんだだだだだお」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
すぐに答えを出してもよかった。はいといえばそれで・・
でもそうもいかなかった。もし付き合ったとして、ブーンと上手くやっていけるのだろうか。
303 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 21:06:50 ID:cUZ8kkGO0
ξ゚听)ξ「・・ブーン、その気持ち、凄く嬉しいよ」
ξ゚听)ξ「それに・・私もブーンのこと、好き・・」
( ^ω^)「ほほほほほほほ、ホントかお!?」
ξ゚听)ξ「ええ・・でも・・」
( ^ω^)「でも?」
ξ゚听)ξ「付き合うかどうかは、このお店を出るまで考えさせて・・。そのくらいの時間は貰ってもいいでしょ?」
( ^ω^)「・・いいお。しっかり考えて決めてくれお」
その間、店を出るまでずっと二人は無言だった。
緊張していた。しかも告白した、された後だったので、どう反応すればいいのかわからなかったから。
その時・・
ζ#・ω・`ζ「くそぉ・・あの女ぁ!!うらやましすぎだろう・・!!」
一人で、嫉妬の炎を燃やす男もそこにいた。
304 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 21:11:23 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「それじゃ・・一通り食べたし、出ようかお・・」
そう言ったブーンの心臓はずっと高鳴っていた。
ξ゚听)ξ「・・うん」
二人はゆっくり席を立つと、ブーンが支払いを素早くすませ、外に出て行った。
( ^ω^)「それじゃあ・・ツン、答えを聞かせてもらっていいかお」
ブーンが自分で切り出していった。
ξ゚听)ξ「・・・・・・・・」
( ^ω^)「おっ!?」
無言でブーンを抱きしめたツン。思わず言葉が上擦る。
ξ゚听)ξ「ありがとう・・嬉しいよ・・」
ξ゚听)ξ「私はやっぱり・・ブーンが好きだよ」
ξ゚听)ξ「好きな人とずっと一緒にいれるなら・・こんなに幸せなことってないよね・・」
305 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 21:20:20 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「・・・・・・」
ξ゚听)ξ「今までは幼馴染だったけど・・これからは恋人として・・」
ξ///)ξ「ヨロシクね・・」
( ^ω^)「おっ・・・」
(*^ω^)「ツン・・」
ξ*゚听)ξ「ねぇ・・ブーン?」
ξ*゚听)ξ「キス・・しよっか?」
( ^ω^)「おっ・・おおお!?」
いきなりの提案でかなり動揺するブーン。だがツンは全く構う様子は無かった。
ξ*゚听)ξ「いいじゃない・・これからもっと色々するんだからさ・・」
そう言ってブーンの唇を奪うツン。
306 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 21:24:06 ID:cUZ8kkGO0
歓声が飛んでくる。その中にドクオの声も・・
('∀`)「ブーン!サンキューな!!」
その声に答えるかどうかの返答なのか分からないが、ブーンは、
( ^ω^)「ありがとうございますお。それでは今日はこれでお開きにしたいと思いますお」
ξ゚ー゚)ξ「皆様、お疲れ様でした!!」
('∀`)「幸せになー!!!」
川*゚ -゚)「今日はありがとうー!!!」
二人の結婚式は、いい感じのまま終了した。
明日からブーンにはツンとの共同生活が、ドクオには第一歩を踏み出す為の生活が待っている・・
第五話へ続く
307 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 21:25:39 ID:cUZ8kkGO0
( ^ω^)「・・・・・・!!」
唇に当たるなんともいえない柔らかい感触に、ブーンは驚く事しか出来なかった。
ξ*゚听)ξ「・・・・・・・」
照れた様子でブーンを見つめるツン。
(*^ω^)「・・・・ツン、凄く可愛いお」
これからは自分がツンを守ってやらなければ。そう思うブーン。
そして、二人は手を繋ぎ、歩いていった・・
こうして、二人は付き合いだし、二年後の今、クリスマスまで至るという訳だ。
当然の如く、ブーンはDTを卒業していた。
( ^ω^)「つい思い出しちゃったお・・まぁ、二年前と全く同じ、ラウンジレストランにいるんだから仕方ないかもしれないお」
ξ゚听)ξ「まぁねぇ・・それにしても、話ってなによ?ブーン。それに告白した時と同じ店なんて・・」
308 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 21:26:42 ID:cUZ8kkGO0
絶対に何かあるなとツンは予測していた。
それはブーンの様子がいつもと違い、どことなく緊張して見えたから。
( ^ω^)「それは・・」
ごそごそとポケットに手を突っ込み、小さな箱を取り出す。
ξ゚听)ξ「えっ・・?」
( ^ω^)「とりあえず、そいつの中身を見て欲しいお」
ξ゚听)ξ「・・・・」
無言で、その小さな箱を開けてみるツン。
ξ゚听)ξ「・・・・・・・・指輪?」
( ^ω^)「付けてみて・・くれないかお?」
ツンはゆっくりとその指輪を外し、指につけてみる。ブーンに指のサイズなんて言っていないのに、サイズはピッタリだった。
309 :
◆gk43jgqTBM :2007/09/26(水) 21:27:23 ID:cUZ8kkGO0
ξ゚听)ξ「ブーン・・」
( ^ω^)「分かると思うけど・・僕と結婚してほしいんだお!!」
力強く言い放ったブーン。
ある男が未だ姿を変えずブーンの方を見ていると知らずに。
(´・ω・`)(破局・破局!!!!!!)
この男、最悪である。
( ^ω^)「ツン・・答えを・・聞かせて欲しいお!!」
ブーンの一世一代の大勝負に出た!
果たしてツンの答えは・・二人は結婚し、幸せになれるのだろうか!!!!
第三話に続く。
310 :
私事ですが名無しです:2007/09/30(日) 18:26:08 ID:xFvKlVCX0
( ^ω^)更新乙ですお!今から読みますお
( ^ω^)読ましてもらいました!ありがとうお!
312 :
私事ですが名無しです:2007/10/20(土) 11:01:13 ID:MKptTLT+0
顔
キ
モ
ス
313 :
私事ですが名無しです:2007/10/24(水) 13:28:21 ID:rtjTOjrh0
314 :
私事ですが名無しです:2007/11/20(火) 08:48:10 ID:dOFdztCcO
( ^ω^)ここは閉鎖かお
315 :
私事ですが名無しです:2007/11/20(火) 23:35:03 ID:iOtT8r660
( ^ω^)保守し続けるお!
316 :
私事ですが名無しです:2007/11/27(火) 10:02:52 ID:ysohQlaOO
> ∧∧ ∧∧ウーン
> ∧∧・ω)(ω・`)∧∧
>( ・ω) |)(つと(ω・`)
>( つ( ´・)(・` )と丿
>uu(l ) ( 丿uu
> uu uu
>〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
閉鎖するか考え中
317 :
私事ですが名無しです:2007/11/30(金) 04:05:48 ID:kEXO0kr30
保守
318 :
私事ですが名無しです:2007/12/01(土) 08:12:41 ID:pYZKFPau0
( ^ω^)やすもり!
319 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:29:19 ID:y80C5gpm0
第三話
ξ゚听)ξ(もうケコーンなの!?確かに二年は付き合ったけど・・)
ξ゚听)ξ(まだ私には見てない物が多すぎる・・)
ツンは色んなことを考えた。やおいとかやおいとかやおいとか・・ブーンとショボンの絡みとか。
ξ゚听)ξ(ブーンと・・あの男の絡み・・)
ξ*゚听)ξ(ブフォァ、鼻血でそう・・あぁん・・濡れてきちゃったよ・・)
二年経過した今でも、その事は忘れていなかったみたいだ。
(´・ω・`) 「あの女・・何か腐女子のにおいがする・・」
外枠で見ていたショボンは、実はホモの人間と腐女子の人間を見分けることの出来る、
特殊な鼻と目をもっていた。
(´・ω・`) 「ブーン?」
(´・ω・`) 「俺はノンケでも平気で食っちまう男なんだぜ・・」
一人でこう呟いていた。
ツンはツンで・・
ξ゚听)ξ(ブーンとケコーンする為には・・やっぱり私がこういう趣味があるってこと・・分かってもらわないとね・・)
ツンは自分が腐女子(しかも重度)であることを暴露しようとついに決意した!!
何か他にもっと大事な事があるような気もしないでもないが・・
320 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:30:26 ID:y80C5gpm0
ξ゚听)ξ「ねぇ・・ブーン?」
( ^ω^)「な、なんだお?ツン・・」
さすがに少し緊張気味のブーン。
ξ゚听)ξ「あの・・いいにくいんだけど・・」
( ^ω^)「ええっ!無理なのかお!?!!」
明らかに動揺の色を見せるブーン。
まだ何も言っていないのに。
ξ゚听)ξ「ちょwwwwまだ何も話してないじゃないwww」
( ^ω^)「す、すまんこ」
ξ゚听)ξ「悪い、その謝り方だけはヤメレ。たのむから」
( ^ω^)「す、すまねえ・・つい調子に乗ってしまったお」
ξ゚听)ξ「次言ったら・・まぁ、処刑までは行かないけど・・殺すからね?」
( ^ω^)「おっ・・殺されるだけかお。処刑じゃなくてよかったお」
321 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:32:08 ID:y80C5gpm0
どっちも馬鹿であることには間違いない。
ξ゚听)ξ「それで・・もう一回話すけど・・私は変な趣味を持っててね・・」
( ^ω^)「えっ?どんな趣味だお?」
ξ゚听)ξ「一般人から見れば変態的で、ドン引きされることは間違いないわね・・」
( ^ω^)「どんな趣味を持ってようとツンはツンだお!話してみるお!僕は大丈夫だお!!」
一瞬の沈黙が流れる。二人の視線はじっとお互いを見つめる。
何も動こうとしないその状況に、ブーンは痺れを切らし始めた。
女の視線とは・・ここまで鋭いものだったのだろうか。自分の頬には生暖かい風だけが吹いている。
ξ゚听)ξ「あのね・・私・・」
( ^ω^)「・・・・」
ブーンは鋭い目つきのまま、ツンを見続けた。
ξ゚听)ξ「・・・・・・・・・」
また言うのをためらうツン。そんなに凄まじい趣味なのか。
そしてまた口を開いた。
ξ゚听)ξ「私・・腐女子なんだ・・」
( ^ω^)「な、なんだってー!!!!!!!!!!!!!!!」
自分の彼女は腐女子。
ブーンは衝撃の大きさ故に、動く事すらままならなかった。
ξ゚听)ξ「やっぱり・・引いたでしょ?」
( ^ω^)「・・・・・・」
冷たい視線で自分を見つめている。ツンはそう思い込んでいた。
322 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:33:31 ID:y80C5gpm0
( ^ω^)「いや、全然だお」
ξ゚听)ξ「な、なんだってー!!!!!!!!!!」
今度はツンの声が辺りに響き渡った。
(´・ω・`) 「ふ・・やはりあの女・・腐女子か・・これはチャンスだな」
ショボンは早速何かを考え出しているようだ。
ξ゚听)ξ「えぇ・・?全然引かないの?」
( ^ω^)「うん全く。なんたって僕はVIPの腐女(ryのスレを毎日覗いてる程だお」
ξ゚听)ξ「すまん。逆に引いた」
( ^ω^)「そんなっ!」
ツンを励ます発言が少し逆に作用してしまったようだ。
ξ゚听)ξ「でも安心した・・ブーンは腐女子は嫌いじゃないんだね」
( ^ω^)「うん。だから安心するお」
( ^ω^)「でも、結婚してから、子どもが出来たらその趣味はもうやめとくお。子どもに見られたら幻滅だお」
ξ゚听)ξ「わっ、わかってるわよ・・大丈夫」
少しの沈黙が二人を包む。
ξ゚听)ξ「それなら・・この指輪。受け取らせてもらうわよ」
323 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:36:11 ID:y80C5gpm0
( ^ω^)「ホントかお!?」
ξ///)ξ「べっ、別にあんたの為じゃないんだからねっ!!」
( ^ω^)「久し振りのツンデレktkr」
ξ゚听)ξ「とにかく!!・・ありがとう」
( ^ω^)「こちらこそだお!」
二人が結婚の約束をしてイチャイチャしている間に、例の男がやってきた。
(´・ω・`) 「君たち、おめでとう。結婚するようだね」
( ^ω^)「お・・あんたは」
ξ*゚听)ξ「ふぁ・・・・」
ツンはまた興奮してきているようだ。
(´・ω・`) 「そこの腐女子のお姉さん?」
ξ*゚听)ξ「わ、私れすか・・?」
何故か微妙にろれつまで回らなくなっているツン。よっぽど興奮しているのだろう。
ξ*゚听)ξ「なんで私が腐女子だって・・?」
(´・ω・`) 「しいて言うなら・・」
(´・ω・`)「ホモの感って奴かな・・・」
ξ*゚听)ξ「かっ、カッコよすぎ・・」
ξ*///)ξ「アッー!!」ビクビクッ
324 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:38:36 ID:y80C5gpm0
一体ツンはこのレストランで何回イっているのだろうか。
( ^ω^)「こっ・・これが腐女子の力なのかお!?想像を越えているお!!」
ξ*///)ξ「あ・・あ・・」
ちゃんと言葉を発せなくなっているツンを尻目にまだ話すショボン。
(´・ω・`)「お嬢さん・・」
(´・ω・`)「もし、私とブーン君の濃厚なksmsを見たいならいつでも言うといい」
ξ*゚听)ξ「え・・?二人のksms・・」
ξ*゚听)ξ(ショボンさんのあそこがブーンのあそこに・・ああ!!もうらめぇ・・!!)
ξ*///)ξ「あぁん・・・」
色っぽい声を漏らすツン。
(#^ω^)「ちょww何度も僕の恋人をイかせないで欲しいお!!」
(´・ω・`)「すまないな。その内お世話になるかもしれないな。結婚式には呼んでくれよ?」
ξ*゚听)ξ「ええっ!もちろんです!」
ツンはショボンにもうくびたっけのようだ。恋愛対象とは言わないが。
(#^ω^)(ちくしょう・・その才能、羨ましいお!恐ろしい!ホモとやおいの組み合わせ・・!!)
325 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:41:16 ID:y80C5gpm0
ブーンは今日、いくつもの事を学習し、家に帰った。結婚の約束よりも凄まじいものを見たような気がした。
そして後日、ブーンはツンの両親に挨拶しに行った。ちなみにブーンの両親は両方認めている為何も問題なかった。
('、`*川「あら、ブーンちゃん。久し振りね。家に来るの・・」
ツンの母、ペニサスがブーンを優しく迎えてくれた。
( ^ω^)「こんにちわですお。ホント久々ですお」
(`・ω・´) 「おお、ブーン君じゃないか」
( ^ω^)「こんにちわですお。シャキンさん」
丁度両親も二人とも揃っていた。居間に通され、座布団の上に正座するブーン。
(`・ω・´) 「もう詳しい話はツンから聞いてるよ。ツンをお嫁に欲しいみたいだね」
( ^ω^)「はい!是非!!」
326 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:43:26 ID:y80C5gpm0
('、`*川「正直、ブーンちゃんなら、私はいいわよ。会社も一流で、しっかり勤めているもんね」
(`・ω・´) 「僕も同意見だな。ブーン君は小さな頃から見てきているし、君ならツンを幸せにしてくれる。僕はそう確信しているよ」
( ^ω^)「じゃ・・じゃあ?」
(`・ω・´) b「おkだよ」
( ^ω^)「あ、ありがとうございますお!必ず幸せにしてみせますお!」
('、`*川「ふふっ、期待してるわよ。ブーンちゃんw」
( ^ω^)「任せてくださいお!!」
ξ*゚听)ξ「・・・・・・」
隣には頬を赤らめながら俯く、少女のようなツンがそこにいた。
( ^ω^)「近い日にちで結婚式を開きたいと思ってますお。僕は仲のいい友人しか呼ばないつもりですお」
(`・ω・´) 「把握した。ツンもそうするようにな」
ξ*゚听)ξ「う・・うん」
( ^ω^)「じゃあ僕は帰りますお。今日はありがとうございましたお」
静かにブーンは帰宅していった。ペニサスはツンにこう話し掛ける。
('、`*川「良かったわね。結婚相手がブーンちゃんで・・」
('、`*川「あんな心の綺麗な青年、どこ探したってなかなかいないわよ」
327 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:46:44 ID:y80C5gpm0
ξ゚听)ξ「それは私もわかってるよ。神様はたまにいい事してくれるよね」
(`・ω・´) 「ブーン君と仲良くするんだぞ。あ、これ以上は言わん。結婚式の為に取っておこう」
ξ゚听)ξ「ちょwwなによそれ、父さん」
(`・ω・´) 「楽しみにしておけってことさ」
その日、ツン家族の家には明るい笑い声が響き渡っていた。
月日は流れ・・遂に結婚式の日がやってくる。
('A`)「えー・・今日仲人を務めさせていただく、新郎の親友、ドクオです(あーマンドクセ)」
心も体も素でめんどくさいと思っているのか、完全に態度に出ていたドクオ。
('A`)「えーと・・そろそろ新郎と新婦の入場なのでお待ちください・・(まぁいいか・・ブーンの奥さん見れるしな・・金髪美人ハァハァ・・)」
ちょっとおかしな方向に考えがあるようだが。
('A`)(えーと・・誰か美人はいないかなっと・・おっ?)
川 ゚ -゚)
(*'A`)(あれってツンの友達だろうか・・黒髪美人ハァハァ・・後でツンに聞いてみようかな)
この女性がこれからドクオの運命を変えることを・・彼自身まだ知らない。
('A`)「あ、新郎新婦の入場です!拍手でお迎えください!!」
( ^ω^)「じゃあいくお!ツン!」
328 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:47:59 ID:y80C5gpm0
ξ*゚听)ξ「え・・ええ」
やはり緊張気味で、軽く頬を赤らめているツン。
見ている人はツンのウエディングドレス姿にただただ見とれるだけだった。
('、`*川「綺麗ねぇ・・ツン」
(`・ω・´) 「ホントだよなぁ・・」
ツンの両親二人は完全に見とれていた。
川^ω^)「へぇ・・ブーン、なかなかイカスじゃない」
Σ^ω^)「そうだな・・もう結婚するんだよ?ブーンも・・」
ブーンの父と母も、息子の晴れ姿を見てだいぶ満足しているらしい。
ちなみに、家族全員がそっくりという珍しい家系だ。そして、ある男もその姿に見とれている。
(´・ω・`) 「ほぉ・・なかなかタキシード姿も凛々しいじゃないか。ブーン」
ツンはしっかりとショボンも呼んでいたのだった。
のちのちショボンとシャキンが兄弟だと分かるのはまた別の話。
時は流れ、ウエディングケーキ入刀の時間になった。
('A`)「それでは夫婦のはじめての共同作業となります。皆様暖かい目でお守りください。ケーキ、乳頭!!」
( ^ω^)「ちょwwwあっ、手元震えたお!!」
ドクオが誤字をしたのに気が付いたのはブーンだけだった。
( ^ω^)「ふぅ・・何とか上手くいったお。安心したお・・」
329 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 20:49:22 ID:y80C5gpm0
もう、最後は新婦の言葉で占めてもらうしかない。いや、もうそれしか残っていない。
( ^ω^)「ツン!それじゃあ頼んだお!!」
ξ゚听)ξ「任せといて!」
ゆっくりと両親の目の前に行き、手紙を広げるツン。そして読みはじめる。
だが、手紙などそこまで関係なかった。ツンの感情はもう充分に高まっていた。
ξ゚听)ξ「父さん、母さん・・ここまで私を立派に育ててくれてありがとう」
ξ゚听)ξ「私は小さな頃からワガママで・・ずっと迷惑ばかりかけてきたのを良く覚えてるよ」
('、`*川「・・・・・」
ξ゚听)ξ「特に中学生の反抗期の頃はひどかったよね・・」
ξ゚听)ξ「私はあの頃・・まだまだ若かった。父さんや母さんの言う事を受け止められなくて、いつも反抗していたよね・・」
(`・ω・´) 「そうだったな・・懐かしいな」
ショボンはツンの中学時代を思い出していた。あの頃はひどかったな・・と。
ξ゚听)ξ「ホントは全部分かってたよ。私は間違っているんだって。でも何だか素直に認めることは出来なかった・・」
ξ゚听)ξ「それでも・・優しく見守ってくれたよね・・父さんと母さんは・・」
ξ゚听)ξ「だから、今の私がいるんだって・・そう思ってるよ」
('、`*川「ツン・・」
ξ゚听)ξ「これから私は・・ブーンのお嫁にいくけど・・」
330 :
◆gk43jgqTBM :2007/12/02(日) 22:38:58 ID:y80C5gpm0
ξ゚听)ξ「父さんと母さんの子どもであることには変わりないからね・・」
ξつ听)ξ「だから・・グスッ」
ξ;凵G)ξ「これからも・・ヨロシクね・・」
ξ;凵G)ξ「そして・・ありがとう」
(`つω・´) 「・・・・・」
(;、;*川「グスッ・・滅多に泣かないあなたが泣くなんてね・・やっぱり・・複雑な気分だよね・・」
(`;ω;´) 「あぁ・・」
両親二人もツンの涙に釣られてなのか、号泣していた。
(´;ω;`) 「ウッ・・・」
そして、このksms男も。
ツンも腐女子という特性さえ抜ければ立派な奥さんになれるのにね。
会場がなんだかしんみりした雰囲気になった所で、披露宴はお開きになった。
次は二次会が待ち受けている。だがブーンとツンの幸せ、そしてこの披露宴は一生の思い出になったことは変わりないだろう。
ドクオが見つけた、綺麗の黒髪の女とは一体何者なのだろうか?
第四話へ続く
保守
332 :
私事ですが名無しです:2007/12/11(火) 15:31:58 ID:m32twiboO
(´ω`√
読ましてもらいました
333 :
私事ですが名無しです:2007/12/15(土) 23:05:12 ID:dP7CpcRO0
( ^ω^)保守っすお
( ^ω^)補習だお
335 :
私事ですが名無しです:2008/01/01(火) 14:39:18 ID:+g0b1WjB0
( ^ω^)作者さんあけおめですお
336 :
私事ですが名無しです:2008/01/13(日) 14:40:43 ID:TniSBdXPO
期待
337 :
私事ですが名無しです:2008/01/13(日) 19:12:01 ID:sEeo4qQA0
( ^ω^)( ^ω^)( ^ω^)
339 :
おっちマン(´;ω;`) ◆Ochi.RZ3Tk :2008/01/20(日) 22:50:19 ID:61pL4H3x0
じっぷらからきましたお(´;ω;`)
おもしろいお(´;ω;`)おもしろいお(´;ω;`)
340 :
Ψじっぷらからきますた(^ω^):2008/01/20(日) 22:50:42 ID:hjwZ3lu80
おっ?
341 :
私事ですが名無しです:2008/01/21(月) 21:57:12 ID:SgfGkITp0
343 :
私事ですが名無しです:2008/01/27(日) 03:22:57 ID:bGg+0OMl0
( ^ω^)いいってことよ
344 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/07(木) 14:13:57 ID:EfYY34jc0
第五話
結婚式から約一週間のある休日・・ブーンは眠い目をこすり、起床した。
( ^ω^)「ふあ・・」
隣には昨日の夜のせいで疲れたのか、静かに寝息を立てるツンがそこにいた。
ξ*‐凵])ξ「・・・・・・・んぅ」
( ^ω^)「おっおっ・・可愛い寝顔だお」
そう思い、ブーンは朝からツンの唇にキスをしようとする。
なんという性欲魔・・これはツンが妊娠するのも時間の問題だ。
ξ*‐凵])ξ「・・・ん、ガチホモフラグktkr・・」
その言葉のせいでツンに伸ばしかけた唇を止めるブーン。
( ^ω^)「・・・・・・・」
(;^ω^)「一体どんな夢みてるお・・ツン」
もし自分とショボンの絡み合いだったなら・・と思うと寒気が止まらないブーンだった。
この様子を見ると、まだまだツンが目を覚ます事はなさそうだ。
345 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/07(木) 14:15:50 ID:EfYY34jc0
(;^ω^)「・・・・ん、絶対早く起きすぎたお。何しようかお」
時計を見るとまだ六時を指していた。何故昨日もあんなに情事に燃えたのに、こんなに朝起きるのが早かったのだろうか。
(;^ω^)「ん・・最近仕事が忙しいから運動してないお。ちゃんと動かないと太っちゃうお」
ブーンは考えた。元々ピザな自分がさらに太らない方法を。
|
\ __ /
_ (m) _ピコーン
|ミ|
/ `´ \
(^ω^) <そうだお!ウォーキングすればいいんだお!!
ノヽノヽ
くく
( ^ω^)「よし!そうと決まれば!!早速歩くお!!」
家の中にたまたまあったジャージに着替えて、颯爽と外に飛び出してくブーン。
辺りはもう小春日和で太陽な日差しが暖かった。
( ^ω^)「朝の風って凄く気持ちがいいお・・」
早起きは三文の得というが、まさにブーンはちょっと得した気分になっていた。
( ^ω^)「いやーこんなにウォーキングって気持ちいいものなのかお?」
346 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/07(木) 14:23:10 ID:EfYY34jc0
ブーンは今、春の風と一体化している・・ような気がした。だがあくまで気のせいだ。
ちょいピザなブーンが春の風に一体化できるなら、やおいマニアなツンはおそらく神にもなれる。
( ^ω^)「スンスンスーン、ハッ!」
( ^ω^)「yeah!スンスンスンスーン!!!!!!」
そんな厳しい評論など聞こえてはいない。ブーンは完全に春の風を浴びてご機嫌になっていた。
しばらく機嫌のいいまま歩いていくと、何だか嫌な気配を感じるブーン。
(;^ω^)「うっ・・!この邪悪な気・・!!」
ブーンが感じた気・・それは何だか懐かしいような気がしたが、何だか嫌悪感のあるものだった。
(;^ω^)「まさか・・またあの人なのかお・・!?」
すぐさまあの人物を想像する。この邪悪な気、きゃつしか考えられなかった。
そう、別称「股間の竜」ショボンが・・
(´・ω・`)「フフフ・・油断したな・・もうここは僕のテリトリーさ」
(;^ω^)「ちくしょう・・もう僕からは狙いを外してたと思ってたお・・」
(´・ω・`)「その考え・・甘いな。おとなしく捕まれば、僕とのアナルセクロスシーンを奥さんに見せる事もない」
(;^ω^)「要は捕まれば最後だお」
ブーンは手に力を溜め始めた。
347 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/07(木) 14:25:01 ID:EfYY34jc0
(´・ω・`)「ブーン!!まさか貴様・・あの能力を・・!!」
(;^ω^)「ふおおおおおおおお!!!!!」
(´・ω・`)「よせっ!死ぬぞ!おとなしく僕に抱かれた方がいい!!」
ブーンの周りに風が渦巻いている。
その勢い、まるでスーパーサイヤ人の勢いだった。だが・・
(;^ω^)「と見せかけて逃走だお!」
勢いよく自宅の方目掛けて、走っていくブーン。こう見えて足は速い方なのだ。
(´・ω・`)「ちょwwwまたれよ、ブーンwwww」
方「知らないお!ブーン!!!!!」
もの凄いスピードでブーンをして逃走を図る。ショボンは数秒後、ブーンの姿を捉えられなくなった。
(´・ω・`)「あれが火事場のksms力という物か・・見せてもらったよ、ブーン」
いや、なんていうかね・・すいません。彼、格言を何でもksmsに例えたくて仕方ない人間なんですよ。
(;^ω^)「はぁ・・はぁ・・あはぁは・・」
何とかショボンの呪縛から脱出したブーン。体からは冷や汗のようなものが噴出しまくっている。
やおい好きなツンには悪いが、ホモの何がいいのかブーンにはわからなかった。
348 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/07(木) 14:29:19 ID:EfYY34jc0
(;^ω^)「うーん・・男がレズプレイを見ると興奮するのと同じ作用かお・・?」
そうそれだ。特殊な性癖を持つ男がレズプレイを見ると興奮する。
ツンのような女がやおいをみると興奮するのも同じようなものだ。だがブーンにはわからなかった。
(;^ω^)「僕はクーとツンがレズプレイしてても興奮しない自信があるお。だから理解はできないお」
珍しくブーンは普通の性癖の持ち主だった。とりあえずショボンから逃れる為にも家へ帰った。
するとツンがもう朝ご飯の準備を始めていた。
ξ゚听)ξ「あら、お帰り〜ブーン♪」
やおいながらツンは料理の腕は抜群によかった。
ブーンは毎日おいしいご飯を食べているせいかどんどんと舌が肥えていた。
( ^ω^)「ペロッ・・これは!!味噌汁!!」
ξ゚听)ξ「見れば分かるじゃない・・常識的に考えて」
二人の朝は有意義に、そして楽しく過ぎていった。
( ^ω^)「あっ、シャワー浴びてくるお。朝嫌な汗かいてきたんだお」
ξ゚听)ξ「あら、何か嫌なことでもあったの?」
( ^ω^)「それはいえないお」
言ったらまたツンがエレクトするから言わなかった。
349 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/07(木) 14:31:24 ID:EfYY34jc0
ξ゚听)ξ「え〜きn
ツンの言葉を聞く前に、ブーンはシャワーへ向かっていった。
ξ゚听)ξ「何か気になるなぁ・・よし、実力行使よ!ツン!」
おおっと、ツンもお風呂場に向かって行きましたよ。
その頃、シャワーを浴びているブーンは・・
( ^ω^)「うう・・ショボンには油断できないお。見境なく現れるお・・」
優雅にシャワーを浴びていました。その時・・
(*^ω^)「おあっ・・」
息子を後ろからつかまれ、背中には柔らかいものが当たっている。
ξ*゚听)ξ「ねぇ・・・ブーン?」
ツンが色っぽい声でブーンに話し掛ける。
(*^ω^)「ちょ・・朝だから止めるお・・」
(*^ω^)「おっおあ・・」
ξ*゚听)ξ「イかせて欲しいんなら・・朝あったこと・・教えて?」
(*^ω^)(ん・・・まつお?もし朝あったこと言ったら・・逆にツンを攻める格好にはいるお・・よしよし)
ブーンの頭の中にはその方程式が浮かんでいた。
(*^ω^)「また・・・ショボンさんに抱かれそうになったんだお」
350 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/07(木) 14:33:16 ID:EfYY34jc0
それを聞いた瞬間のツンの思考回路。
ξ*゚听)ξ(ああっ・・夢で見たことがホントに起こって・・フラグktkr)
ξ*゚听)ξ「あぁ・・」
まるでたまらないと言った感じに声を漏らすツン。
(*^ω^)「さぁ・・お尻こっちに向けるお」
ξ*゚听)ξ「・・仕方ないわね」
ツンの綺麗なお尻がブーンの方に向けられ・・
省略されますた。やはり全てを書くのは無理です。新婚夫婦にはよくある事だよNE!!
お風呂場で情事を済ませた二人は、のんびりと風呂に浸かりながら今日の予定を話していた。
( ^ω^)「折角の休みだし・・今日はどこかにいこうかお?」
ξ゚听)ξ「そうね・・二人でショッピングというお散歩でもしてみない?」
( ^ω^)「それは名案だお!よし、そうと決まれば早速着替えて出発だお!」
二人は風呂から上がると、それぞれの準備を済ませ、外へ飛び出していった。
351 :
私事ですが名無しです:2008/02/07(木) 18:20:30 ID:lu6eIsaS0
( ^ω^)キター
よっ!まってますた!
352 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/08(金) 00:58:41 ID:X++L4djG0
( ^ω^)「風が気持ちがいいおー」
ξ゚听)ξ「そうね〜もう春だもんね!」
二人はご機嫌のようだ。
そんな二人を影から覗く男が一人・・
壁ω・`)「むう・・やはりツン君は羨ましい。ブーンといつも一緒にいられるからね・・」
どこに潜んでいるか分からないこの男。まるで現代の忍者だ。
壁ω・`)「やはり・・強奪するしかないのか!ブーンを!」
???「あの・・」
ショボンに声をかける人が一人。だが全くお構いなしのショボン。
壁ω・`)「でもどうするか・・」
???「あの〜!!」
壁ω・`)「ん・・?誰だい?僕に話し掛けてくるのは・・」
警「ちょっとよろしいですか?」
なよなよだけど警察キター!!ショボン危うし!
壁ω・`)「・・・・・・・」
壁ω・`)「やらないか?」
優しく聞いてみたショボン。
353 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/08(金) 01:00:28 ID:X++L4djG0
警「・・・・・・・・・」
警「いいんですか・・?僕、こんな情けない警官ですよ?」
壁ω・`)「・・・・・・・・・」
壁ω・`)「俺はノンケだって簡単に食っちまう男なんだぜ・・それじゃあいこうか」
ショボンと警察は公園のトイレへ向かっていった。世も末・・なんだよな。
ブーンは何とか命拾いすることに成功した。
( ^ω^)「さて・・最初はどこへいこうかお?ツン」
ξ゚听)ξ「えっと・・洋服みたいんだけど、付き合ってもらっていいかな?」
実の所、ブーンはあまりファッションには興味がなかったが、ツンが言うなら仕方ないと思った。
( ^ω^)「うん、いいお」
ξ゚听)ξ「ありがとう!ブーンの洋服も私が選んであげるっ!」
随分とツンは張り切っているようだ。その様子を見てるとなんだか和むブーン。
( ^ω^)「じゃあいこうお!」
二人はノンビリと、服を選びにいった。だがブーンは女の買い物はやっぱり長いということを思い知らされる事になる。
色々な服が並んでいるなか、ツンは一生懸命頭を悩ませながら、選定をしている。
ξ゚听)ξ「ねぇねぇ!どれが私に似合うと思う!?」
( ^ω^)「全部似合うと思うお!ツンが着れば全部似合うお!」
ξ゚听)ξ「そうかな?そうだよね♪」
354 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/08(金) 01:02:10 ID:X++L4djG0
三十分後・・
ξ゚听)ξ「うーん・・これかこれがいい・・ねぇ、ブーン、どっちがいいかな?」
( ^ω^)「どっち来ても似合うと思うお!好きな方選ぶといいお!!」
ξ゚听)ξ「自分で決めようとすると悩むんだよなぁ・・」
一時間後・・
ξ゚听)ξ「うーん・・」
( ^ω^)「・・・(まだかお?)」
二時間後・・
ξ゚听)ξ「うーん・・どっちもいいなあ・・」
( ^ω^)「・・・・(疲れたお)」
三時間後・・辺りは少しずつ夕焼けに囲まれ始めた。
ξ゚听)ξ「ブーン!!」
( ^ω^)「な、なんだお!?」
ξ゚听)ξ「・・どっちも買っちゃダメ?お願い・・」
355 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/08(金) 01:03:32 ID:X++L4djG0
上目使いでお願いされると、どうしても弱くなるブーン。
まぁ、結局はこうなるのかという話なのだが。
( ^ω^)(・・まあ長くなりそうだし、お金にも余裕あるお。たまにはプレゼントとしていいかもしれんお)
( ^ω^)「いいお、両方買ってあげるお」
ξ゚听)ξ「ホントッ!?ありがとっ!!」
一目をはばからずにブーンに抱きつくツン。相当嬉しかったのだろう。
( ^ω^)「ちょwww恥ずかしいお。さぁ、早く服買って今日はかえろうお」
少し高めの服を二着買い、二人はノンビリ歩いて家路を急いだ。
ξ゚听)ξ「あ・・この公園・・」
( ^ω^)「懐かしいお。そういえばここで昔よく遊んだおね」
目の前には思い出の公園がまだそこに姿を見せていた。
最近、二人とも忙しく、なかなか外に出る機会がなかったせいか、この公園を訪れる機会は減っていた。
ξ゚听)ξ「ちょっと寄ってみない?」
( ^ω^)「おっおっ!いいお!」
二人は公園の中へ入っていく。珍しくほとんど情景を変えることなくこの公園は姿をとどめていた。
356 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/08(金) 01:04:48 ID:X++L4djG0
ξ゚听)ξ「懐かしいねぇ・・あっ!あのベンチも残ってるよ!」
( ^ω^)「よく二人で座ってノンビリ休んだおね、あそこで・・」
ξ゚听)ξ「うんうん・・いつも遊び疲れてね・・座るのは決まって夕方だった・・」
二人はかなり感傷に浸っている。
( ^ω^)「その僕等が今・・夫婦としてここにいるんだお」
ξ゚听)ξ「そうだね・・昔の私たちが見たらなんて言うのかな?」
( ^ω^)「きっと驚くお」
ξ゚听)ξ「だろうね・・ねぇ、ブーン?」
( ^ω^)「なんだお?ツン」
ξ゚听)ξ「これからもきっと・・色々あるだろうけどさ」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「二人でしっかり協力して、乗り越えていこうね?」
( ^ω^)「お・・もちろんだお!」
少し頬を赤らめながらツンはブーンを見つめている。
357 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/08(金) 01:05:49 ID:X++L4djG0
ξ゚ー゚)ξ「ふふ・・」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
ξ゚ー゚)ξ「いや、幸せなんだな私って・・」
( ^ω^)「まだまだこれからだお。ツンはこれからも沢山の幸せを味わえるはずだお」
ξ゚ー゚)ξ「ホントに?」
( ^ω^)「ホントだお。僕が誓うお!」
ξ゚ー゚)ξ「その言葉・・嘘にしないでね?ブーンを信じるよ」
ツンが満面の笑顔をブーンに送る。
( ^ω^)「当たり前だお!それじゃ、今日はそろそろ遅いし、帰ろうお」
ξ゚ー゚)ξ「うん、そうしよう」
二人は仲良く手を繋ぎながら、家へ戻っていった。
358 :
◆gk43jgqTBM :2008/02/08(金) 01:06:34 ID:X++L4djG0
きっとそろそろ、また一つ、幸せな事が起きるはず・・そう思いながら。
その頃・・
(´・ω・`)「いい事考えた。お前、俺のケツでションベンしろ」
警「アッー!!!」
未だにプレイ中のショボンがブーンたちのいた公園のトイレにいたのだった。
そして次の休みの日、実は影の主人公とも噂されるドクオはというと・・
('A`)「・・何か忘れているような気がする」
('A`)「あっ!そうだ!未だにクーさんにメールしてねぇ・・!!」
('A`)「でも・・どうすればいいんだ?」
かくしてドクオのクーに連絡大作戦が幕を開ける。
第六話へ続く。
359 :
私事ですが名無しです:2008/02/10(日) 03:58:30 ID:fuLJcjfi0
( ^ω^)アッー!!!
361 :
私事ですが名無しです:2008/02/15(金) 04:50:37 ID:eRD/tuln0
続きにwktk
362 :
私事ですが名無しです:2008/03/01(土) 03:47:59 ID:I0+t3wSg0
きたぜー
元ストロンゲスト金剛。その後、とすげんろとす、さらに現在のとすげに
名前を改めた。トリップも最初とは変わっている。
バカニュ出身。しかしそこでの活動時期は意外と短い。
しばらくは他板とを行き来していたが、Z厨に占領されたこともあり、
バカニュから離脱。23〜34年前からセブンのコテであり、
古参の部類になるが、Z厨がセブンに押し寄せた時期あたりは他板に
拠点をうつしていた様子。2007年夏頃、セブンで新スレがたつたび、
ものすごい勢いで2ゲットしまくった。
それにより、古参でありながら忘れられたその存在感を強めた。
(2ゲットの光景は12年くらい前からあったという話しもある)
mixiに登録しているものの、活動はほとんどしていない。
他にはようつべユーザー。しかし話題性の動画には疎い。
掲示板は3個の存在が確認されている。
ブログを公開しているがコメントがつくことはほとんど無い。
年齢に関しては、51歳や、74歳説とあるが、40歳代以上という見方が強い。
二次元派であり、リアル女には興味が無い、とされるが
鹿女にふられたり、キャンギャルとつきあいたがっている。
ガチホモ、自演説は定期的にあがる一方、熱心なクリスチャンで
上智大学大学院卒のインテリ女という説もある。
周りの方がホモっぽく、ホモに好かれる傾向が見られる。
ニート、フリーター、ゲーム作家、翻訳家説などがある。
秋葉原によく行くらしいが何をしているのかは不明。
今の秋葉原を嫌っている。
歯が悪い。ゲリが得意。便器をつまらせるほどのうんこをする。
ハルヒのフィギュアに熱心なわりにハルヒのことを全く知らない。
DBや春麗が好き。パフェが好き。
出会い系サイトのからくりにくわしい。
実体をもたない、粒子のような存在説あり。花粉症。
364 :
私事ですが名無しです:2008/08/24(日) 13:20:26 ID:9ncNXi/I0
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✿(✿ o゚ω゚o)
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