730 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:43:58 ID:5PEfOTiF
('、`*川「引き立て役って言うけど・・チームの皆は少なくともあなたを信用してなきゃパスやシュートなんて打たせないわ。
皆はあなたのこと信用してるからこそ、頼りにするのよ」
('、`*川「それなのにあなたが皆を信用しなくてどうするの?
自分だけの失敗、自分だけの成功、勝利じゃないのよ?団体競技、ましてやハンドボールは」
( ∵)「たかが高校からマネージャー始めた女にハンドボールの何がわかんだよ。
てめーは黙ってスコアブックでもつけてりゃ・・」
パシンッ!!ビコーズはペニサスに頬をはたかれる。
一瞬何が起こったのかビコーズや部員は分からなかった。
('、`*川「あんまり馬鹿にしないで。私は私なりに頑張ってるのよ。
これだけ言ってもわからないの?それなら後半も同じね。せいぜい頑張って」
冷たい言葉をビコーズに投げかけ、そのままベンチへと戻っていくペニサス。
731 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:44:52 ID:5PEfOTiF
( ∵)「・・・あのクソ尼がァ。ふざけやがって」
叩かれた頬を擦りながら、そうつぶやいた。だがさっき言われた事はあながち間違っちゃいない。
( ∵)(もっとこいつらを俺は信用するべきなのか・・?俺よりずっと下手糞で期待に答えてくれないこいつらを?)
ビコーズはAやペニサスに言われた事を思い出して少し考えた。
昔からハンドボールが人一倍上手かったビコーズ。それ故に他のチームメイトなど眼中になかった。
自分が活躍すればそれで勝てるから。そういう考えで今までやってきた。
だからいきなりそういわれても、すぐに変えることなんて出来やしない。
( ∵)「ふん、俺は俺のやり方なんて変えない。このままやってやるよ」
そういうと同時にハーフ終了の合図が出る。それぞれのチームの選手がグランドへと向かっていく。
ビコーズもその選手たちについて、グランドに出た。
732 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:46:15 ID:5PEfOTiF
後半になってもVIP高の勢いは止まらない。
ビコーズは調子は戻ったものの、前半よりもさらに動きがよくなったVIP高に翻弄され続ける。
( ∵)「お前等ァ!!」
思い切り勢いをつけて全力でプギャーを止めに行くビコーズ。
(^Д^)「ドクオ!!」
( ∵)「なっ!!」
ドクオがパスを貰う。体勢を整え直す。狙っている。その様子は全員わかったようだ。
それを阻止しようと相手がディフェンスしにくる。
('A`)「甘いな、俺は常にその瞬間を狙っているんだよ」
( ∵)「ブラインド・・!!」
ドクオは前の試合でも披露した全く隙の無いブラインドシュートを打ち込んだ。
相変わらず、そのシュートは一瞬ディフェンスの足によって隠れるので一歩反応は遅れるようだ。
キーパー「なんだ、一瞬消える・・」
キーパーはかなり反応が遅れている。ここまで遅れているともう防ぎ様が無い。
綺麗にゴール。どんどん得点差は離れていく。
(; ∵)「なんで俺が・・ここまでボロボロにやられてるんだ?」
県大会も決勝まで余裕で勝ち進んだこの俺がどうしてまだ聞いた事もないチームに・・
733 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:47:23 ID:5PEfOTiF
(; ∵)「ちくしょう!」
もう多少ヤケになりはじめてきたビコーズがロングシュートを仕掛けてきた。
ピーッ!!オーバー!!
(; ∵)「何故だ・・」
ビコーズは少しずつ集中力も奪われてきているようだ。
そのボールを素早くドクオが取り、すぐパスの準備をする。
( ^ω^)「ドクオッ!!」
(; ∵)「!」
( ∵)「くそっ・・七人と俺じゃ勝てるはずが無い。
くそっ!!」
ビコーズは空を仰いだ。この速攻はもう止められないのか。
A「そんな簡単に諦めんじゃねーよ!!」
(; ^ω^)「おっ!?」
Aがいとも簡単にパスカットに入った。
( ∵)「A!!」
A「忘れたのかよ。俺がパスカットが得意な事をさ。ほれ、ビコーズ!」
Aはすぐに前線にパスを出す。ビコーズはそのボールをがっちりと受け止める。
( ∵)「うおおおっ!!」
簡単に切り込んでいく。VIP高ディフェンスは速攻に行きかけてたこともあってかディフェンスがしっかりしていない。
ビコーズのポテンシャルがあれば崩す事は容易だった。
734 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:48:41 ID:5PEfOTiF
だが最後の壁、ショボンが立ちふさがる。
(´・ω・`)「簡単にいかせはしないよ」
(; ∵)「ちぃ!!」
近くで見るショボンは自分と同じくらい、いやそれ以上にも見えた。
その威圧感に押され、動けなくなるビコーズ。しかし、
B「こっちだ!ビコーズ!!早く!」
( ∵)「!!」
つい声のする方向へパスをだした。Bはそのボールを受け取り、6mラインの近くでシュートを放った。
B「ちょっとは俺らの事も信用しろよな!!」
735 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:49:19 ID:5PEfOTiF
(;´―`)「なにっ!!」
ビコーズまでは及ばないが充分威力のあるボール。
それを6m、しかも真正面から打ち込まれては止め様が無い。
祐は精一杯反応するがやはり止められない。
(;´―`)「すまん!皆」
(; ^ω^)「今のは仕方ないんだお!気にするなお!」
でもこのプレーで絶対流れは相手側に傾く。しぃ先生はそう悟っていた。
ビコーズが精神的に完全復活。そして前半よりもいいチームワーク。
厄介な感じになるわね・・と少し困った表情を浮かべていた。
736 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:50:03 ID:5PEfOTiF
(; ∵)「なぁ・・お前等」
AとB「ん、なんだよ?」
(; ∵)「その・・俺の足引っ張るなよ!!」
ビコーズは素直にお礼が言えなかった。自分を助けてくれたチームメイトなのに。
だが二人はそのビコーズの表情から何が言いたいのかは完全に悟ったみたいだ。
二人は少しニヤニヤした。
(; ∵)「な、なんだよ!!」
AとB「なんでもねーよ。次も俺らを使えよな?遠慮せずにさ」
( ∵)「・・・おう」
ビコーズは仲間の大切さにようやく気が付いたようだ。これも成長だろう。
しぃ先生の予想通り残り15分の時点でカレッジは勢いを取り戻した。
ビコーズの精神的な復活もあるが、なにより相手が全体で攻め込んでくる事によって、
更に勢いを増している。点差はドンドン追いつかれている。
さすがにVIP高も焦りを隠す事が出来なくなってきた。
後半残り一分。この時点でまだVIP高は二点勝っていた。
だがカレッジの勢いは全く衰えない。むしろ増している。
勝利の女神が微笑むチームは一体どちらになるのか。
737 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:51:08 ID:5PEfOTiF
未だ、カレッジの攻撃は続く。だが二点差は埋まらない。
次第にビコーズ、A、Bなどは焦り始めてきた。
( ∵)「くっ・・!!」
A「ここはお前に任せる!ビコーズ!外してももう後悔はしない!
俺らはチームだ!頼むぞ!」
( ∵)「この俺を・・今までお前等を馬鹿にしてきた俺を・・。
チームのメンバーとして認めてくれてたなんてな」
A「当たり前だよ!頼む!」
ビコーズはAからがっちり受け取る。
( ∵)「最後は俺の得意なロングで占めさせてもらうぜ・・」
738 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:51:45 ID:5PEfOTiF
ビコーズは最後のシュートを打つために勢いを付け始める。
少しずつ勢いがついていくたびに、昔のことを思い出す。
チームメイトをずっと馬鹿にし続け、一人で奮闘していたあの頃。
今となっては愚かだが、懐かしい過去になっている。
今日の俺はもうその時とは違う。仲間の為に最後に決めてみせる・・!
そんな気合がビコーズから感じられる感じがする。
( ∵)「うおおおおおっ!」
ビコーズが最後のシュートを打つ体勢に入る。それを止める為に祐も追撃体勢に入った。
ビコーズは一矢報いることが出来るだろうか。 ビコーズが飛び、そのボールが手から離れる。
さっき受けたシュートよりも更に速く、そして狙いも正確だ。
(;´―`)「これを止めなきゃ、完全に勝った気がしないんでな・・」
祐もそのボールに合わせ、今日一番の反応をみせる。
その手がボールの近くによっていく。
( ∵)「頼む!入ってくれ!!」
どちらのチームの思いが勝るのだろうか。観客もその瞬間を固唾を飲んで見守っている。
739 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:52:31 ID:5PEfOTiF
(;´―`)「・・・くそっ」
ビコーズのシュートは見事にゴールをわった。ビコーズは思わず叫ぶ。
( ∵)「やっt」
ピッピッピッー!!
それと同時に試合も終了した。結果は二四対二十三。
VIP高は初戦を何とか僅差で勝った。
「ありがとうございましたー!!」
VIP校の挨拶だけが体育館へ響いていった。
すぐにVIP高は帰る準備をして、
( ^ω^)「速く明日の為に休むんだお!!」
というブーンの声とともにさっさと会場を後にしてしまった。
残ったのはカレッジだけになった。
740 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:53:28 ID:5PEfOTiF
少し沈黙が続いた後に、ビコーズがチームの皆に向かって話しだした。
( ∵)「・・すまなかった。Aが言ってた事ようやく理解できた。本当に申し訳なかった」
A「もうきにすんなよ。最後の最後で気が付いてくれてよかった」
( ∵)「なんてあやm」
('、`*川「もういいよ!過ぎた事なんて!」
ペニサスが声を張り上げる。その様子に皆ビックリした。ペニサスは話し続ける。
('、`*川「・・やっとチームが一つになったんだね。私、嬉しくて・・」
ペニサスは泣きながらそういった。その涙につられてか、皆涙を流して、お互いを誉めあった。
この日、初めてカレッジは本当のチームとなった。
( ^ω^)リアルタイムで読んでますお
742 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:55:09 ID:5PEfOTiF
からくも一回戦を突破したVIP高は完全に浮かれていた。
(* ^ω^)「このまま優勝までまっしぐらだお!!」
それぞれの部屋で騒ぎ散らして、しぃ先生に説教を食らっていた。
(*゚ー゚)「全く・・皆浮かれすぎよ!!」
しぃ先生が少し不機嫌になって、部屋でゴロゴロしてるときに、次の相手が決定した。
(*゚ー゚)「・・・!!ここは」
(*゚ー゚)「本当に厳しい相手に当たっちゃったみたいね」
しぃ先生はがっくりした様子でそう呟く。一体当たった場所はどこか?
VIP高の三年間の中で一番厳しい戦いが迫ってきているようだ。
第二十七話 ビコーズの恐怖 完
743 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 19:55:41 ID:5PEfOTiF
今日はここまでです。
遅くなってすいませんでした。作者も色々と忙しくて・・
744 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/07(日) 21:09:47 ID:5PEfOTiF
>>741さん
ありがとです。読んでくれる人がいるとホントにやる気が出ます!
続きも頑張りますので・・ヨロシクです。
745 :
私事ですが名無しです:2007/01/08(月) 19:24:48 ID:e210jLUx0
746 :
私事ですが名無しです:2007/01/08(月) 21:28:56 ID:Maf3pVT00
( ^ω^)人間なにかしら影響を受けているものだお。
続き楽しみにしてるお。
>>745さん
ご安心を・・俺は最初にこっちでハンドの話を作ってて、少ししてVIPに移動して
続きを書いてこっちに貼りつけてたもんで。
748 :
ACOS ◆LqO35B0I.2 :2007/01/08(月) 23:29:59 ID:YXS2wmMMO
ちょい本人証明で
749 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/08(月) 23:32:06 ID:YXS2wmMMO
VIP投下時に使ってるトリです。
オムさんのとこのハンドの作品と見比べてくれれば分かるはずです。
絶対疑われると思ってたんで証明しときます。
750 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/08(月) 23:37:00 ID:YXS2wmMMO
なんで、自分の作品を貼ってるだけなんで・・
長々と失礼しました、続きは貼れたら明日貼ります。
では、次からACOSに戻ります。
751 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:00:56 ID:u7la7kzp0
やっぱトリチェンジでこれで行きます。本物なのであしからず・・(元ACOS)
では続きはります。
752 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:02:29 ID:u7la7kzp0
第二十八話 最強の敵
???「次の相手はVIP高ですか・・意外です」
誰も居ない一人の部屋。そこである男が対戦表を見て呟いている。
目がパッチリしているのがとても印象的だ。
???「でもどこが出てこようと、僕等の勝利には影響しません。わかってるんです」
そういうと不敵な笑みを浮かべる。この男、一体何者なのだろうか。
その頃、VIP高はというと・・
しぃ先生が対戦相手を見てガッカリしている時、ブーンがツンを外へ呼び出していた。
言う事は一つに決まっているらしい。少しブーンの手は震えていた。
753 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:03:37 ID:u7la7kzp0
ξ゚听)ξ(ブーンったら一体なんなのかしら・・こんな時間に呼び出して)
ξ///)ξ(もしかして・・!!)
ツンはその先を想像して顔を真っ赤に染めている。これこそ乙女だ。
肝心のブーンはと言うと、ずっと震え気味で緊張している。
(; ^ω^)(あうう・・簡単にいえるはずないお。どうするべきなんだお・・)
いざ言おうと決意はしたが、さすがに本人を目の前にすると切り出せないらしい。
二人が立ち止まってから少し静寂が続く。
次第にツンはブーンがなかなか話してくれないのでイライラしてきているらしい。
754 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:05:35 ID:u7la7kzp0
(; ^ω^)(なんて言えばいいんだお?俺の為に味噌汁を作ってくれ?結婚してください?
うう・・どれもなかなか言い出せるもんじゃないお)
ブーンは困って空を見上げた。今日はいい天気だったので星が一面に広がっている。
ξ゚听)ξ「・・星が綺麗ね」
ブーンにつられるようにして見上げた星空があまりにも綺麗だったので思わずそう呟いた。
(* ^ω^)「確かにだお。こんなに綺麗に星空を見上げたのは久しぶりだお」
( ^ω^)(そういえば・・昔もこんな事あったんだお。あれは確か・・)
( ^ω^)「覚えてるかお?昔夏祭りに二人で行った時のこと・・」
思わずそう呟いた。あの時も同じくらい星が綺麗で今でも忘れる事はない。
755 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:09:37 ID:u7la7kzp0
ξ゚ー゚)ξ「ええ、良く覚えてるわ。あの時は二人とも小さかったよね。
二人だけであの御祭の人ごみを歩くのが大変だったよね」
どうやらツンもその時の事をしっかりと覚えていたみたいだ。
(* ^ω^)「ツンの浴衣姿・・可愛かったお」
ξ///)ξ「い、いきなり何言い出すのよ。は、恥ずかしいじゃない。・・でもありがと」
( ^ω^)(そういや、あの時手を繋いだのも初めてだったお。ツンはどことなく恥ずかしそうな表情で僕の事みてたんだお・・)
( ^ω^)(その時からなのかもしれないお。僕がツンの事意識し始めたのも・・)
ブーンはつい感傷に浸ってしまった。懐かしい小さい頃。二人とも若かった。
756 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:11:09 ID:u7la7kzp0
( ^ω^)「ツン・・・」
ξ゚听)ξ「なっ、何よ」
ブーンはついに決意を固めたみたいだ。その表情から伺える。
ツンもそのブーンの口から出る言葉の為に心の準備をした。
( ^ω^)「ツン・・僕は・・」
ξ゚听)ξ「僕は?」
だがそこでブーンの言葉は一度止まる。ブーンが告白する事は人生で初めてのことだ。
ノドが乾き、冷や汗が出てくるブーン。だがツンは何も言わずにブーンを見つめ続けていた。
757 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:12:14 ID:u7la7kzp0
( ^ω^)(ここでいわなきゃ男じゃないんだお・・)
ξ゚听)ξ「・・・・」
ツンは以前黙ったままだ。
( ^ω^)(・・いうお!!)
( ^ω^)「ツン、君のことが好きなんだお!この答えは全国終わってから聞かせて欲しいんだお!!」
あまりに恥ずかしかったのか、それだけ言うと自分の部屋に向かって走り去ってしまった。
ξ///)ξ「・・馬鹿ね」
ツンは照れながら走っていくブーンを見つめていた。
758 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:14:06 ID:u7la7kzp0
( ;^ω^)「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
(´―`)「おい、どうしたんだよブーン」
もの凄い勢いで自分の部屋に戻ってきたブーンを不思議に思って、祐はブーンに話し掛けた。
(; ^ω^)「な、なんでもないんだお!寝るお!明日の為だお!」
ブーンは速攻でベットに入るとすぐに眠りに入った。今日の恥ずかしさを早く忘れたかったのだろう。
二人「???」
祐と貞治は頭に?マークを浮かべたままでなにかスッキリしないようだった。
だが、すぐに二人も眠りに入った。
759 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:16:00 ID:u7la7kzp0
(* ^ω^)「やったお!全国優勝なんだお!!僕もこれで有名人だお!!」
ブーンの周りに色んな人が寄ってきてサインをせがまれる。
人たち「ブーンさーん!サインくださーい!!」
(* ^ω^)「待つお待つお、皆にサインあげるから慌てないでくれお!」
するとしぃ先生がよってきて、
(*゚ー゚)「さすがブーン君ね、あなたはチームの鏡よ」
ツンもやってくる。
ξ゚听)ξ「ブーン!好きよ!」
(* ^ω^)「僕もなんだお!!」
二人が見つめあい、キスをしようとする・・
だが残念ながらそこでブーンの目は覚めてしまったようだ。
760 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:16:53 ID:u7la7kzp0
(; ^ω^)「なんでこんないいとこで目がさめちゃうんだお・・」
ブーンが時計を見るとまだ六時。だが目は冴えてしまっていて、二度寝は出来そうに無い。
(; ^ω^)「仕方ないお。ホテルの中探検でもしてみるかお」
部屋のカギをもって、着替えもし準備万端だ。
( ^ω^)「じゃあいくお!!」
気合充分にホテルの中を散歩を始めた。まずは自分達の階を一周してみる事にした。
(; ^ω^)「さすがに面白くないお。ロビーにでもいってみるかお」
ブーンはエレベーターを使ってロビーまで降りてみた。
761 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:19:06 ID:u7la7kzp0
( ^ω^)「いつ見ても綺麗なロビーだお」
綺麗な装飾をされたロビー。まだまだ建物も衰えを感じさせない。
大きなお土産屋。豪華なレストラン、そしてこの階に大浴場もある。
(; ^ω^)「やっぱ誰もいねーお。仕方ないから風呂でも入りにいくお」
あまりにも人がいなくて探検も飽きたブーンは大浴場へと向かう事にした。
( ^ω^)「大浴場にきたはいいものの・・やっぱ知り合いはいないみたいだお」
さすがに朝早い。皆も試合の疲れがあってか、まだ寝ているだろう。
人がいないことをいい事に、タオルを肩にかけ、ジョニーを丸出しで風呂へと向かった。
762 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:21:46 ID:u7la7kzp0
( ^ω^)「ふぅーいい湯だお!!」
誰も居ない広い大浴場に入ってブーンは開放感を感じていた。
(* ^ω^)「誰もいないから泳ぐんだお!!」
ブーンは泳ごうとして、温泉に顔をつけ目を開けた。その瞬間、
( ;ω;)「目がぁぁぁぁぁぁ!目がぁぁぁぁぁ!!」
ブーン自身ここの風呂が温泉だった事を忘れていた。温泉が目に入ると非常にしみる。
( ;ω;)「ぁぁァああぁ!!!」
もの凄い奇声を上げて、目をすぐに洗って大浴場を出て行ってしまった。
763 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:23:06 ID:u7la7kzp0
( ^ω^)「散々な目にあったお・・部屋にでも帰るお」
時計を見るとまだ6時半過ぎ。朝食までに時間はあまりまくっていた。
エレベーターに乗るためにロビーの方へ戻ると、そこに新聞を読む見覚えのある姿があった。
( ^ω^)「しぃ先生!おはようございますお!」
(*゚ー゚)「あら、ブーン君、おはよう」
( ^ω^)「そういえば、昨日、今日の相手を聞き忘れてましたお」
あまりに昨日焦っていたので聞かずに寝てしまったブーン。
その言葉を聞くとしぃ先生は少し顔をしかめた。そして質問に答える。
764 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:24:12 ID:u7la7kzp0
(*゚ー゚)「今日の相手は・・全国の常連でもあり、毎年必ず優勝争いに食い込んでくる所・・。
ピンキー高校よ。名前こそふざけてるけど、強さは本物よ」
(; ^ω^)「そうなんですかお。厄介な奴等が来てしまったお」
(*゚ー゚)「今日の試合は今までで一番辛い戦いになるわ。しっかりね」
ブーンは少し意気消沈してしまったが、それを悟られないように、
(; ^ω^)「任せてくださいお!」
元気にそう言って自分の部屋に戻っていった。だが緊張と不安の色を隠す事は出来ず、
試合前の練習になるまでずっと今日の試合について考えごとをしているみたいだった。
765 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:25:48 ID:u7la7kzp0
(; ^ω^)「相手をまだ見てないからわからないけど・・今日は勝てるのかお」
既にアップも終了し、ポジションシュートに入っている。
だが変わらないその心配そうな面持ちに絶えかねてジョルジュが声をかけた。
(゚∀゚)「あんまり緊張すんなよ。相手がどれだけ強くても俺らは俺らのプレーをしてればいいんだよ」
(; ^ω^)「わかってるお。でもどうしても不安な気持ちが出てきちゃうんだお」
まぁ無理も無いかもしれない。最強の相手とあたるのだから。
(゚∀゚)「あんまり気負うんじゃないぞ。思い通りのプレーが出来なくなるからな」
そういってジョルジュは逆サイのシュートに戻っていった。
(゚∀゚)(緊張で押し潰されそうなのはお前だけじゃないんだぞ。ブーン)
ジョルジュもまたブーンと同じような心境だった。
766 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:26:49 ID:u7la7kzp0
そんな時、ピンキー高校が到着した。ブーンは一発で相手の要注意人物が誰だか分かった。
( <●><●>)
あの目の大きさ。そして雰囲気。誰もが分かる人物だろう。
( <●><●>)「この高校がVIP高ですが。もう実力は見切っています。勝つことはわかっています」
早速の勝利宣言だ。さすがに腹が立ったのか、
(#'A`) 「ふざけた事を・・」
ドクオがいつもとまるで違う雰囲気を出しながら怒っている。
(´・ω・`)「まぁまぁ。ドックン、落ち着いて」
ショボンになだめられて、ようやく落ち着いたようだ。
(*゚ー゚)「はーい!ポジションシュート終わったし、集合してー!!」
しぃ先生の声が聞こえ、全員が駆け足でそちらへ向かっていく。
767 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:29:25 ID:u7la7kzp0
(*゚ー゚)「今日の相手、ピンキー高校はおそらく今大会のチームの中でかなり上の方に位置するチームよ。
ちょっと練習を見てみましょうか」
ピンキーは既にシュート練習を始めていた。VIP校一同はその姿を食い入るように見つめていた。
( <●><●>) 「・・・・・っ!!」
噂の選手がシュートの番のようだ。彼は仲間からパスを貰ってすぐさまシュートの体勢に移った。
そして・・
(´―`)「っ!消えた!?」
彼の手からボールが離れると同時にボールが消える。すぐにゴールの方を見てみるとそのボールは枠の中にもう収まっていた。
768 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:30:09 ID:u7la7kzp0
他の選手も上手で全体的に均整の取れたいいチームだった。
一同「・・・・」
思わず言葉を失うVIP高一同。ここまで凄いチームを見たのは初めてかもしれない。
ブーンの目はそう物語っているように見える。
(*゚ー゚)「どんな相手かはもうわかったでしょ?ここはかなり強いわ。
向こうの雰囲気に飲み込まれて自分のプレーが出来なくなったらだめよ」
まだ全員は衝撃が大きかったのか、頷くことしかできない。
(*゚ー゚)「じゃあスタメンはいつも通りね。それぞれ準備に入って」
いつもよりも少しベンチは元気の無いように見えた。
769 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 18:33:39 ID:u7la7kzp0
( ^ω^)「・・・・・・・」
ブーンは黙って考え事をしている。
( ^ω^)(ここでこのチームに負けるなら、僕等の三年間は所詮その程度だってことだお
全ての実力を出し切って、絶対に倒すんだお。相手がどこだろうと関係はないんだお)
ブーンはどうやらさっきの不安は払拭していたみたいだ。
( ^ω^)「よし!!」
ブーンは勢いよく立ち上がり、準備を始めた。
それぞれの選手がどういう心情でいるのかはブーンには分からないが、
これから盛り上げればそれでいいとブーンは思った。
VIP高の今までを賭けた、最大の戦いが今始まろうとしている・・
第二十八話 最強の敵 完
770 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 21:17:28 ID:u7la7kzp0
今日はこれで投下おしまいです。
読んでくれてる人、ありがとうございます!
771 :
私事ですが名無しです:2007/01/09(火) 21:18:36 ID:qJiqvQ170
( ^ω^)こっちがお礼言いたい位ですお
772 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 21:33:39 ID:u7la7kzp0
>>771 俺の作品、見ててくれてほんとに嬉しいです。感謝しています。
読者さんがいてくれると、作品製作にも意欲がでます。
vipのスレが落ちてる・・・
774 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/10(水) 20:54:45 ID:kmPfwhQaO
また立てますので御心配なく・・
776 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:33:06 ID:/DEAjUPe0
第二十九話 嫌な予感
いよいよ試合は始まろうとしていた。VIP高は最後の集合に入る。
( ^ω^)「皆が今、どんな思いでいるかは僕にはわからないんだお。
でもこれだけは言っておくお!僕等は全国優勝が目標なんだお!ここでは絶対負けられないお!」
いつも以上に気合の入るブーン。皆もその様子に負けていられないのか、
一同「オーッ!!!!」
ブーンに呼応するように、声を出した。その声だしはまるで動物の雄叫びとほとんど変わらないものだった。
しかし、皆の気持ちは一つに固まっていた。必ず勝つ。その気持ちだけで充分戦える。例え相手が強豪だろうと。
777 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:34:32 ID:/DEAjUPe0
「集合!!」
審判の声がかかり、VIP高、ピンキー高が自分達独自の声出しをしながら中央ラインへと集合してくる。
ブーンはあの凄まじい選手を目の前にした。やはりキャプテンのようだ。人望はどれくらいあるのか分からないが、能力的には充分通用する。
( <●><●>) 「・・・・・・・・」
かなりの威圧感を放つこの選手。
(; ^ω^)「・・・・・・・・・・・」
思わず後ろに後ずさりしたくなるブーン。だがそこはしっかりと耐えた。お返しにブーンは、
( ^ω^)「・・・・・・・」
睨んでおいた。だがいつもと顔が大して変わらないから、相手は睨まれてるとは思っていないだろう。
「おねがいしまーす!!!!!!」
お互いの礼が、人も少しずつ集まり始めた会場へと響き渡った。観客は試合が今か今かという感じでコートを見つめていた。
VIP校はいつものとおり全員、ブーンの周りへ集合した。ブーンが話し始める。
( ^ω^)「今日の相手のキーマンはあの出目金だお!あいつをしっかり皆で見るんだお!他のメンバーも見劣りしないくらい上手なんだお!
しっかり声回しをして、連携を図るお!そんでチャンスがあったらドンドン出来ることを仕掛けていくんだお!」
今ではしっかりとしたアドバイスが出来るようになったブーン。しっかりとチームの核としての役割を果たしている。
( ^ω^)「それじゃあ!いくおー!!!!!!!!」
一同「ワァァァァァァァァァ!!!!!」
いつも通り張りのある声を出して、オフェンスの準備に取り掛かる。今日はVIP高、珍しくオフェンスからのスタートとなる
いつもジャンケンに負けるブーンが、珍しく勝ったというのでオフェンスを選択したらしい。最初から幸先のいいスタートというべきなのか。
778 :
◆gk43jgqTBM :2007/01/11(木) 20:35:48 ID:/DEAjUPe0
ピーッ!!!試合開始の笛の音がなる。VIP高、この試合をしっかりとものにし三回戦へと駒を進める事が出来るだろうか。ちなみに三回戦を勝ち進めば準々決勝に進める。
だがその前にこの強敵を倒さねば先には進めない。
(; ^ω^)「全く・・厄介な奴等に当たってしまったもんだお」
ブーンは一度深呼吸をし、覚悟を決める。
( ^ω^)「よし!いくお!」
ブーンはサイドの位置へとかけていった。既にパス回しが始まっていた。今日は展開の速いパス回しで、相手を翻弄していくようだ。
だが待ちきれないと言わんばかりに、プギャーがセンターの出目金に勝負を仕掛けていった。
(^Д^)「さぁ、実力を見せてもらうぞ!!」
プギャーは聞こえる声でそう言って、ゼロステップを踏み、出目金の目の前へと出て行った。だがプギャーはすぐに何かの異変に気が付く。
779 :
◆gk43jgqTBM :
(;^Д^)「な、なんだこいつ。俺より少し身長が高いだけなのに、凄く大きく見える。俺の目がおかしくなったのか・・?」
錯覚ではないのだ。プギャーの目には確かに出目金が大きく見えている。彼のオーラがそう見せている。
全国にいつも出てくる経験豊富な奴ほどやっかいなものはない。プギャーは困惑し動けない。
(;^Д^)「うっ、うわっ!!」
出目金は真っ直ぐにプギャーに突っ込んできて、掴んできた。プギャーは身動きがとれずパスを回す事さえもままならない状態になった。
ピーッ!!ホールディングになり、プレーが一度中断される。プギャーがセンターの位置へと戻っていく。
(;^Д^)「俺は今日、一番厄介な奴を相手にする事になってしまったな」
このチームはただでさえ穴が無い。しかもこの最強の選手がいる。どうやって打ち下せばいいのか、プギャーの思考回路ではまだ答えが出てこない。
かつてこれほどの相手とまだ戦ったことがないのだから。