・家庭用の熱源を電気で賄うオール電化住宅の普及件数が9月末で180万世帯を超えた。
平成18年度の上半期(4〜9月)だけで22万6000世帯がオール電化住宅を導入しており、
今年度末にも200万世帯を突破する勢いをみせている。対するガス会社も防戦に躍起だが、
広告宣伝費や営業力など体力で勝る電力会社の攻勢をとめるのは容易ではなく、オール電化
住宅の普及はさらに進みそうだ。
オール電化住宅は、調理や給湯だけでなく、空調など家庭内の熱源をすべて電気にした住宅だ。
これまで調理や給湯ではガス器具を使う家庭が多かったが、IHクッキングヒーターの
性能向上などによって電気だけでも賄えるようになった。
普及が進む背景には、火を使わないために火事の心配が少なく、安全性が高いほか、清潔感や環境に
優しいイメージがあげられる。また、基本料金を電気だけに集約できることに加え、割安な夜間の電気で
お湯を沸かして蓄えておけば、ガス併用住宅に比べて光熱費も割安になることも大きい。四国電力管内の
ように、一戸建て新築住宅ではオール電化住宅のシェアが過半を占める地域も出てきている。
平成14年に発覚した原発のトラブル隠しの影響で、オール電化住宅の普及が遅れていた東京電力も、
管内の新築住宅に占めるオール電化住宅の比率(集合住宅含む)が17年度で初めて10%を突破。
18年度上半期の導入世帯数も全国10電力会社中でトップとなる5万世帯を記録するなど、普及が
進んできている。
こうした状況に危機感を抱いているのがガス業界だ。住宅関連事業者、機器メーカーなどと「ウィズガス
CLUB」と名付けた組織をつくり、家庭向けにガスのメリットをPRしている。
だが、電力会社の攻勢を防ぐのは難しいのが実情だ。このため、都市ガス最大手の東京ガスでは、
今年度下半期の営業対策費を当初計画より35億円積み増すことを決めた。オール電化住宅の普及が
予想以上のペースで進んでいるため、「営業活動を相当強化しなくてはいけない」(鳥原社長)として
おり、広告宣伝費や販売促進費などを急遽増やすことにした。(一部略)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/27316/