【シンガポール】世界初、指紋で買い物・カードいらず
米シティバンクは9日、シンガポールで生体認証(バイオメトリクス)を採用したクレジットカード決済システムを導入したと発表した。店舗では認
証番号と指紋認証だけで支払いが済むため、署名とカードは必要ない。同様のシステム採用は世界で初めてという。
シティバンクは米ペイ・バイ・タッチと提携。指1本での買い物が可能となり、カードの不正利用を防止できる上、署名が不要になるため、決済も
短時間で済ませられる利点がある。
店舗での支払いでは指をかざし、7けたの認識番号を入力するだけ。シティバンクは、NRIC(国民登録身分証明書)の番号をそのまま使うよう
勧めている。
シティバンク・シンガポールのジョナサン・ラーセン最高経営責任者(CEO)は、「カードなしでの生体認証決済サービスを世界で初めてシンガポ
ールに導入したことを光栄に思う」とコメント。ペイ・バイ・タッチのジョン・ロジャーズ会長兼CEOは、「指を端末に置くだけで、数秒で決済は終わ
る」と利点を強調した。
指紋決済を利用できるのは「クリア・プラチナ」ブランドのカード所持者。希望者は写真付きIDカードを持参し、自分の指紋データを登録すれ
ば、利用できるようになる。現在申し込めるのはオーチャード、パラゴンなどシティバンクの国内5支店。
現段階で利用できる店舗は、音楽ソフト販売の「グラモフォン」、富士ゼロックスの「エピセンター」、喫茶店「コーヒービーン&ティーリーフ」、映
画館「ショー・シアター」。
シティバンクは今後、利用できるクレジットカードの種類や、端末設置店舗の拡大を急ぐ。チャンネル・ニュースアジア(電子版)によると、クリ
ア・プラチナの加入者は19万人で、平均利用額は月800Sドル。シティバンクのカード加入者は国内全体で約100万人。
ペイ・バイ・タッチは2002年設立。米国での指認証の利用者は330万人で、全米2,400カ所に認証端末を設置している。
(NNA) - 11月13日8時4分更新