俺は慈善の対象になったんだ、と思った。
俺が行くところはどこでも、みんな各自の慈善のやり方を試してみようと待ち構えている。
ここ数年来ずっとだ、俺が孤児の外見をしているかぎりそうなんだ。
みんな、俺のことを、小さすぎてまだ責任を負えないので食糧をあてがわれる、
ジャッカルスドリフの子どもみたいに扱う。
子どもからは、口ごもりながらお返しに言う感謝のことばしか期待しない。
俺からは、もう少し期待する。だって俺は多少長く生きてるからだ。
彼らは、俺が心を開いて、檻のなかの暮らしの話をするようせがむ。
俺が生きてきた檻のなかのことならなんでも聞きたがる。
まるで俺はセキセイインコか、白ネズミか、猿みたいだ