イラクで、イスラム過激派組織の攻勢を許したとして退陣を迫る声が高まるなか、
マリキ首相は4日、続投に強い意欲を示す声明を出し、事態の打開に向けた
政治勢力の結集はますます難しくなっています。
イラクでは先月以降、イスラム教スンニ派の過激派組織と政府軍の戦闘が各地で
続いています。
政府軍は、過激派組織が占拠する第2の都市、モスルに通じる要衝のティク
リットの制圧を目指し、4日も中心部に立てこもる過激派組織に攻撃を仕掛け
ましたが、過激派組織の反撃に遭い、戦闘はこう着状態に陥っています。
混乱が長期化するなか、スンニ派やクルド人勢力は、マリキ首相がこれまで
シーア派を優遇して宗派間の対立をあおってきたことが過激派組織の攻勢を
許すことにつながったとして、首相の退陣を強く求めています。
これに対してマリキ首相は4日、国営テレビを通じて声明を出し、「私は首相
の座を目指すことを決して諦めない」と述べ、3期目の続投に強い意欲を示しま
した。
イラクでは、今月1日に議会が招集され、宗派や民族の違いを超えた挙国一致の
政権作りに向けた話し合いが始まりましたが、初日から各勢力の対立が浮き彫り
となり、議論が進まないまま休会となっています。
今回、マリキ首相が退陣要求に対して真っ向から拒否する姿勢を示したことで、
スンニ派勢力などが反発を強めることは避けられず、事態の打開に向けた政治勢力の
結集はますます難しくなっています。NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140705/k10015767131000.html