有権者を買収し、公共事業の資金を流用して、全ての権力を掌握したツァーリ(君主)になろう──
これらはビデオゲーム「デモクラティア」のゲーム内容の一部だ。ロシア政治に対する容赦ない
風刺によってこのゲームは、ウラジーミル・プーチン大統領が統治する地で大成功を収めている。
ロシアの有名政治家たちによく似たゲーム内のキャラクターは「票の水増しを開始!」と言い
「投票率は146%だ!」などと発表する。
開発したネスキンソフト社によると、このゲームはロシア国内で150万ダウンロードを達成し
現在も毎月およそ10万ユーザーを新規獲得しているという。ゲームは2011年12月10日にリリースされた。
■プーチン大統領や反体制派指導者に似たキャラクターたち
プレーヤーはロシアに民主主義を確立するために、いくつかのものを組み合わせて新たなものを作成していく。
3枚の紙幣で羊を調達し、3頭の羊は有権者になり、有権者が3人で選挙事務所になる──このように続けて
権力の頂点に上り詰めるのだ。
プレーヤーはまた予算を無視したり、憲法に違反したり、議員を買収したりする方法を学ぶこともできる。
「投獄された弁護士」──
反プーチン政権派の指導者で弁護士のアレクセイ・ナワリヌイ氏のことと思われる──などを使えば
「KGB(旧ソ連国家保安委員会)の大佐」(プーチン大統領の前歴)のような体制派の悪者たちと戦うことが可能だ。
プーチン大統領を激しく批判するナワリヌイ氏は、自らのブログで政府上層部の汚職を暴く資料を公表したことで
有名になり、昨年のモスクワ市長選に出馬したが敗北している。
ゲームの制作者、バレンチン・メルツリキン氏(37)はナワリヌイ氏支持を公言するモスクワ出身のプログラマーだが
民主主義のとりでと言うにはほど遠いベラルーシに移住するという奇妙な選択をしている。
■政権側も体制派ゲームを製作
一方、ロシア政府も、体制派の観点を盛り込んだゲームの開発を試みている。政府系メディアが宣伝する
ゲームの一つは「スノーデブ・ラン」というゾンビゲームで、元KGBエージェントがモスクワをゾンビから守るという内容だ。
あるゲームサイトはこのゲームの意図は「ウラジーミル・プーチン氏を賛美する」ことだったが「最終的に失敗している」と
論評している。
source:AFPBB
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