イタリアの政局不透明感強まる、シチリア州で前首相派が敗北
2012年 10月 30日 12:39 JST
[ローマ 29日 ロイター] 来年4月に総選挙を控えるイタリアでシチリア特別州の知事選が実施され、
ベルルスコーニ前首相の中道右派「自由国民」が敗北した。
シチリアは、これまで自由国民の地盤だったが、知事選では反マフィアを掲げる中道左派候補の勝利が確実となった。
既成政党を批判する「5つ星運動」も躍進した。
投票率は約47%と低迷し、有権者が候補者に大きな魅力を感じていなかったことも浮き彫りとなった。
イタリアでは27日、ベルルスコーニ前首相がモンティ政権の緊縮政策を批判、
自由国民が現政権への支持を撤回する可能性を示唆した。
その後、自由国民のアルファノ幹事長が現政権を引き続き支持する姿勢を示すなど、政局の混迷が深まっている。
モンティ首相は29日、ベルルスコーニ前首相の発言について、脅威とはみなしていないと発言、
4月の総選挙までの任期を全うする構えを示した。
29日のユーロ圏債券市場では、イタリア政局の先行き不透明感を嫌気して、イタリア10年債利回りが5%台に上昇。
ドイツ連邦債とのスプレッドは357ベーシスポイント(bp)となった。
スプレッドは今月、欧州中央銀行(ECB)の金融危機対策を好感して313bpまで縮小していた。
ロイター
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE89T02Y20121030