インドと次官級対話 中国を牽制 豪州、欧州とも連携強化
2012.10.22 22:20
日印両政府は22日、東京都内の飯倉公館で外務、防衛当局の次官級対話(2プラス2)を行い、
海賊対策やシーレーン(海上交通路)防衛など海洋安全保障分野での協力を強化することで一致した。
海洋進出を強める中国を牽制する狙いがある。
政府はインドに加え、オーストラリアなど米国と密接な関係にある国とも安保協力を強化しており、“対中包囲網”を構築したい考えだ。
日印の次官級2プラス2は2年3カ月ぶり2回目。
日本側は外務省の斎木昭隆外務審議官、防衛省の金沢博範事務次官が出席した。
協議では、日本側が沖縄県・尖閣諸島を国有化して以降の日中関係や対中戦略環境について説明。
インド側もインド洋沿岸国で影響力を増大させる中国を念頭に「問題の平和的な解決が必要だ」と強調した。
双方は海洋での協力を検討する局長級協議を年内にも開催することで一致した。
両国は今年6月に海上自衛隊とインド海軍が初めての2国間訓練を相模湾沖で実施。来月はシン首相が来日する。
1月の新国防戦略でアジア太平洋重視を掲げた米国がインドとの軍事協力を進めており、日本もこれに呼応した形だ。
外務省幹部は「米国の同盟国や密接な関係にある国と安保協力を進めるのは有意義だし、米国も歓迎している」と、
日印安保協力の意義を説明する。
日本は米国と同盟関係を結ぶ豪州との安保協力も深化させており、
9月に閣僚級2プラス2や首脳会談など立て続けに2国間対話を開催。
定期的な共同訓練や、防衛装備品の共同開発などで急速に協力分野を拡大させている。
対欧州でも、玄葉光一郎外相が20日まで英仏独3カ国を歴訪し、尖閣をめぐる日本の立場に理解を求めるとともに、
「基本的価値を共有した重要なパートナー」であることを繰り返し強調した。
自民党政権時代の安倍内閣や麻生内閣で推進された価値観外交は、
中国との関係を重視する民主党政権発足以降低調となっていたが、対中関係の悪化に伴い再び活性化しつつある。
産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121022/plc12102221210011-n1.htm