軍事独裁下で赤ん坊を奪った罪で元大統領に禁錮50年 アルゼンチン
2012.07.06 Fri posted at: 10:16 JST
(CNN) アルゼンチンの裁判所は5日、1970年代後半から80年代前半に
軍事政権が国民を弾圧した「汚い戦争」の時代に反体制派の囚人から赤ん坊を奪ったとして、
軍事独裁政権の指導者2人に有罪判決を言い渡した。
軍が政権を握った76年のクーデターから81年まで大統領を務めたビデラ被告には禁錮50年が言い渡された。
82年から83年の民政移管まで大統領だったビニョーネ被告は禁錮15年だった。
両被告は組織的に政治犯の囚人から赤ん坊を奪い、新たな身元を付与した罪で有罪となった。
2人は未成年者を略取、隠匿し、その身元を書き換えたとして罪に問われている関係者のなかでも、最も大物として知られている。
裁判では34人の乳児が親から奪われた事件への関与が争われた。
5日、法廷は傍聴人で満杯になり、ビデラ被告に有罪が言い渡されると喝采が起きた。
判決後、同国のテレビ局カナル7の取材に応じた被害者家族は判決に満足の意を表した。
「これこそ私たちが求めていたものだ。私たちは復讐を求めたことはないし、憎んだこともない。
求めたのは正義だけで、そのために36年間戦ってきた」とある父親は語った。
ビデラ被告は昨年12月に大統領在任中の人権侵害の罪で終身刑の判決を受け、現在服役中だ。
ビニョーネ被告も56人を誘拐、拷問したとして、今年4月に禁錮25年の有罪判決を受けている。
CNN
http://www.cnn.co.jp/world/30007249.html