ソースは
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/120524/oth12052411300023-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/sports/news/120524/oth12052411300023-n2.htm 5月6日付の英大衆紙「サン」にちょっとドキリとするような見出しが躍った。
ズバリ、「五輪爆弾スキャンダル」。オリンピック・スタジアムを背景に、
いかにも怪しげなプラスチック容器を手にした写真が掲載されている。
容器の大きさは弁当箱ぐらいだろうか。中には携帯電話、9ボルトの乾電池、
目覚まし時計などが詰め込まれ、それぞれがプラスチック爆弾のような粘土に
銅線でつながれている。
いかにも「私は爆弾ですよー。爆発しますよー。危ないですよー」と自己主張
しているかのような“風貌”だ。
だが、これはフェイク。
「サン」のスタッフが25ポンド(約3200円)以下で作った偽爆弾なのだ。
これを建設作業員に持たせ、オリンピック・パーク内に潜入させようというのが
記事の企画だ。
結果はというと、作業員が建設用車両にこの偽爆弾を乗せ、オリンピック・パーク内に
進入。2カ所あるチェックポイントもまんまとすり抜け、約25分の“ツアー”に
成功したというのだ。
「サン」の電子版には隠しカメラで撮影した動画も掲載されている。
偽爆弾は工事用車両の床の外から見える位置に置かれていたにも関わらず、
呼び止められることは一切なかった。もちろん、あちらこちらに警備員の姿は
あるものの、車両を素通りさせると、後はおしゃべりに興じるといった感じで緊張感は
全く感じられない。「サン」はこの結果を受けて「セキュリティーの抜け穴が大口を
開けている」とし、緩い警備体制に懸念を示している。
これを読んだ読者は、
「偽爆弾を持ち込んだのは作業員で、しかも建設用の車両。だから警備員も不審に
思わなかったのだろう。五輪本番では、そう簡単にはいかないはずだ」との感想を
持つかもしれない。
ロンドン五輪の警備には10億ポンド(約1282億円)がつぎ込まれ、
警備に当たる人員は2万3700人にも及ぶ。もし、五輪本番でテロが起きるようなら
国家のメンツにも関わるだけに、水も漏らさぬ徹底した警備体制が敷かれるのは
間違いない。
だが、「サン」は「最も恐ろしいのは、テロ組織が“クリーンな皮”(犯罪者や過
激派とのリンクを持たないような人々)を実行犯に仕立て上げることだ」と警鐘を
鳴らす。
確かに、今回「サン」が行った“実験”は、いろんな可能性を想起させる。
もし、この爆弾が偽物ではなく本物だったら…。
そうとは知らず、作業員が「これは警備の穴を試すテストだから」と
言いくるめられていたら…。今頃、オリンピック・スタジアムは粉々になっていたかも
しれないのだ。
1972年のミュンヘン五輪でのテロ事件や東西冷戦下でのボイコット合戦などは
あったものの、「平和の祭典」とも呼ばれるオリンピック。
今は、閉会式まで何事もなく終わることを祈るしかない。
-以上です-
THE Sunから、Olympics bomb scandal
http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/news/article4300166.ece