イギリスで地方選挙が行われ、国が抱える巨額の財政赤字の削減に向けて
厳しい緊縮策を続ける連立与党が大敗し、キャメロン首相は政権運営の
立て直しを迫られることになりそうです。
イギリスでは3日、180余りの地方議会で合わせて5000近い議席を改選する
地方選挙が行われ、開票作業は4日夜までにほぼ終わりました。
その結果、連立を組む与党・保守党と自由民主党が合わせて700以上の議席を減らして大敗し、
一方で野党・労働党が800余り議席を増やして勢力を広げました。
イギリスでは、連立政権が財政赤字の削減に向けて厳しい緊縮策を続けていることに
不満が高まっているうえ、個人への給付金を削減する一方で、高額所得者に適用される
最高税率を引き下げる方針を発表したことが、国民から「金持ち優先」との批判を招いていて、
与党の敗北の要因になったとみられています。
キャメロン首相は「財政赤字と落ち込んだ経済に対処するためには困難な決断が必要だ」
と財政再建策を継続する方針を強調しましたが、厳しい経済状況が続くなか、
野党側は攻勢を強めるものとみられ、キャメロン首相は政権運営の立て直しを迫られることになりそうです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120505/k10014900271000.html