【国連】
国連安全保障理事会は14日、シリアのアサド政権と反体制派の停戦を監視する
監視団先遣隊派遣を承認する決議案を採択した。
決議では非武装の最大30人の派遣が承認され、すぐにも現地入りする見通し。
採択は全会一致で、シリア問題での決議でロシアと中国がともに承認したのは今回が初めて。
先の草案は、反体制側に有利とのロシアからの反対を受けて修正された。
しかし、今回採択された決議でも、シリア政府が数々の人権侵害を犯していると非難し、
その責任が問われることになるとしている。また、ロシアの強い主張を受けて、
決議には反体制派側も虐待などの行き過ぎた行為の責任を問われることが盛り込まれている。
ロシアのビタリー・チュルキン国連大使は記者団に対し、
「白熱した議論に基づく均衡の取れた決議に概して満足している」と述べた。
「すべての関係者が慎重に理解する」必要があると続けた。
決議では、停戦をはじめとする安保理の要求が受け入れられない場合、
「必要に応じて追加措置」を検討するとしている。これは、ロシアと中国が反対している
シリアに対する国際的制裁の可能性を意味するものと解釈される。
決議はさらに、国連とアラブ連盟の合同特使を務めるアナン前国連事務総長による6項目の
停戦提案をあらためて支持し、その中核項目であるシリア政府軍の都市や町からの撤退を求めた。
シリア政府は12日の停戦期限で合意していたが、人口密集地域からの治安部隊と
兵器の撤退などについて実行に至っていない。
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_426782