軋む米国:12年大統領選 ギングリッチ氏に勢い 撤退のペリー氏、支持表明
【チャールストン(米サウスカロライナ州)古本陽荘】米大統領選(11月6日投開票)で
共和党の指名候補を目指していたリック・ペリー・テキサス州知事(61)は19日、
選挙戦から撤退し、ニュート・ギングリッチ元下院議長(68)を支持する意向を表明した。
最右翼とみられている穏健派のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(64)の指名獲得を阻むため、
保守派の支持をギングリッチ氏に一本化しようとの動きが加速していることを踏まえた決断で、
ギングリッチ陣営は勢い付いている。
ただ、アイオワ州党員集会(3日)の最終集計で「勝者」と認定されたリック・サントラム前上院議員(53)は、
19日の集会で「明確な勝利だ」と強調するなど一歩も引かない構えで、
ギングリッチ氏でまとまる見通しは立っていない。
◇「保守派の予見者」
「ニュート(ギングリッチ氏)はこの国を変えることができる保守派の予見者だ」
ペリー氏は19日、予備選を2日後にひかえたサウスカロライナ州でこう語り、指名争いからの撤退を表明した。
最後の候補者討論会が開かれる直前だった。
ペリー氏は昨年8月に大統領選出馬を表明した直後は人気を集め、支持率で一時トップに躍り出たが、
その後の討論会で失言が相次ぎ、失速した。
現在の各種世論調査では、ロムニー氏の支持率が下落傾向を示す一方、ギングリッチ氏は上昇。
ペリー氏は、自らが選挙戦に残ることで、
政治的な立場が遠いロムニー氏が有利になる事態は避けるべきだと判断したものとみられる。
ペリー氏とギングリッチ氏は長年の友人。
政治専門サイト「ポリティコ」によると、2人は18日夜に密会しており、
撤退表明の段取りなども含めて話し合われたという。
◇過去の行状暴露も
一方で、ギングリッチ氏の勢いを止めようとの動きも出てきた。
ギングリッチ氏の前妻、マリアンヌさんが19日、ABCテレビのインタビューに登場し、
離婚前にギングリッチ氏から「配偶者以外との性的な関係を認めるよう求められた」と暴露した。
だが、ギングリッチ氏はすでに過去の不倫関係などを認めていることから、影響は限定的との見方もある。
毎日新聞 2012年1月20日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20120120dde007030018000c.html