[ストックホルム 14日 ロイター] イエメンのジャーナリスト、アフラフ・ナーセルさん(26)がロイターとの
インタビューに応じ、サレハ大統領への批判から殺害の脅迫を受け、滞在先のスウェーデンに政治亡命を申請したことを
明らかにした。
ツイッターのアカウントに約2000人のフォロワーを持つナーセルさんは、先月リーダーシップセミナーに参加するため
スウェーデンを訪問。脅迫状に加え、反政府デモへの弾圧が激化するイエメン情勢を踏まえ、スウェーデンにとどまること
を決断した。
脅迫状についてナーセルさんは「生死にかかわるものだった。フェイスブックで知らない人からメッセージがきて、私に活動
をやめるよう求めてきた」と明かした。
送られてきたメッセージの中には「われわれは、あなたの住所を知っている。いずれ殺しにいく」や「外国にいることは分か
っている。帰国するのを待って、大統領に対し無礼な言葉を連ねたことに対する戒めを与える」などと書かれてあった。
<将来への不安>
ナーセルさんは政権批判のきっかけについて「汚職や不正が行われているのを見ると黙っていられなかった。イエメンでは表現
の自由すら与えられず、声を上げずにはいられなかった」と説明した。
また「内戦は始まらないと言ってきたが、これまで起こったことを考えると、次に何が来るか手掛かりすらない」と母国の将来
への不安も語った。
「私が聞くニュースはネガティブなものばかり」と嘆くナーセルさんだが、今後もイエメンで苦しむ人々への関心を高めるため、
スウェーデンでブログを書き続けるという。
サレハ大統領は6月初旬の大統領宮殿へのロケット攻撃で負傷し、その後隣国サウジアラビアで手術を受け、同国で療養を続けて
いる。
▽ロイター(2011年 06月 15日 14:01)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21711920110615