【タイ】下院が解散、７月３日総選挙　国民和解の試金石に［11/05/10］

◆タイ下院が解散、７月３日総選挙　国民和解の試金石に

【ジャカルタ＝高橋徹】タイの政情混乱に終止符を打つため、アピシット首相が
早期解散の賭けに出た。９日、政権の任期満了を７カ月以上残し、下院を10日に
解散すると表明。７月３日に総選挙（下院選、定数500）を実施する。

タイではここ数年、タクシン元首相派と反タクシン派の政治対立が続き、
流血の事態も招いた。総選挙は民主的手続きで対立を決着させ、
国民和解を進められるかの試金石になる。

「タイの将来を決める解散準備が整った。国民の選択こそが国にとって
最良と信じる」。９日夜のテレビ演説で、アピシット首相はこう語った。

今の政情混乱は2006年９月、国軍クーデターで実力宰相だったタクシン氏が
追い落とされたことに起因する。富裕層や官僚、司法など保守層がこれを支持。
アピシット政権は08年末、タクシン派前政権が解党処分により崩壊した際、
離反勢力を取り込んだ民主党の多数派工作で発足。「選挙を経ずに誕生した
現政権は非民主的」とタクシン派からの批判を招いた。

それが沸点に達したのが昨年３〜５月のバンコク騒乱だった。

タクシン派の市民団体「反独裁民主統一戦線」（ＵＤＤ）が下院の即時解散・総選挙
を求め、バンコク中心部を長期間占拠する反政府デモを展開。首都機能はマヒし、
政府治安部隊との衝突で90人超の死者を出した。タクシン派はその後も
大規模集会を繰り返し、対立は解決の兆しが見えない。

>>2以降へ

nikkei.com　2011年05月10日
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE2EBE2E6E18DE2EBE2E7E0E2E3E39494E3E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000
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>>1の続き

07年12月以来、３年半ぶりとなる下院選では、首相率いる最大与党の民主党
（解散時の議席数172）と、タクシン派野党の比較第１党、タイ貢献党（同186）の
一騎打ちとなる。民主党はバンコクや南部の都市中間層や高所得層、
タイ貢献党はタクシン氏の出身地である北部・東北部の農村低所得層に
強固な支持基盤を持つ。

私立アサンプション大学が今月１〜７日に行った最新の世論調査では
タイ貢献党支持が36.4％、民主党支持が34.1％と拮抗している。

民主党にとっては第１党の座を手中にし、政権の正統性を証明する戦いとなる。
一方、タイ貢献党が政権を奪えば、汚職で有罪判決を受け国外逃亡中の
タクシン氏は恩赦を得て帰国し、復権する道筋を描く。同氏は「もうすぐ帰国し、
経済を立て直す」と宣言した。

首相が早期解散に踏み切った背景には、接戦を少しでも有利に戦いたい計算も
見え隠れする。例えば経済情勢。10年の実質国内総生産（ＧＤＰ）伸び率が
7.8％に達したタイ経済の回復は現政権に追い風だが、足元のインフレ圧力は
高まりつつある。物価上昇に国民の不満が募る前の総選挙が得策と判断した。

５年前のクーデターを主導した国軍はタクシン氏の復権を警戒。「選挙阻止のため、
再びクーデターを起こす」との観測が絶えなかった。早期解散はそうした
政情混乱の芽を摘み取る意味合いもあったようだ。

良い方向にいくといいね

選挙の結果はどうであれ、日本国民はタイに連帯を表明し
ともに手を携えて発展をしていこうではないか