イタリアで2009年に発生した地震の被災者と偽ってテレビ出演した女性(50)に対し、
視聴者などから批判が噴出している。この女性は、ベルルスコーニ首相の復興支援策を
番組内で称えることで報酬を受け取っていたという。
女性は25日、ベルルスコーニ首相が保有するメディアグループ傘下の民法テレビ局の
人気番組に出演し、2009年の地震で大きな被害を受けたラクイラの現状についてコメント。
「ラクイラは震災前の状況に戻るだろう。家には庭や
ガレージがある。首相に感謝したい」などと述べていた。
しかし、実際はラクイラ出身ではないことがインターネット上で発覚し、28日になって謝罪。
番組に出演し、震災被災者として原稿を読むことで300ユーロ(約3万5000円)を
受け取ったいたことも認めた。
2009年にイタリア中部ラクイラを襲った地震では、300人以上が犠牲となり、数万人が
家を失って避難生活を強いられた。また被災者からは、政府の支援が十分ではなく、
復興が遅々として進まないことへの不満も多く出ていた。
ラクイラ当局は29日、番組に対して法的手続きを取ることを検討しているとし、
番組司会者に自分の目で被災地を見るよう求めた。
一方、司会者は番組が意図した「やらせ」ではなかったと主張。
「番組ゲスト全員の身分証明を求めることは不可能だ。私はいつでもフェアだ。
震災被災者支援の番組も多く携わってきたし、子供たちにテディベアも送った。
恥ずべきこと、というのは受け入れられない」と反論している。
ソース(REUTER):
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-20335120110330