ミャンマーからの情報によると、同国軍事政権は今月中にテインセイン現首相を
大統領とする新政権への権限移譲を完了し、4月から新政権が正式に発足する
見通しとなった。ミャンマーは形の上では軍事政権から文民政権への民政移管が実現する。
しかし、テインセイン氏を筆頭に閣僚は軍出身者が多数を占め、
民政移管は形だけのものになることが確実だ。
昨年、総選挙立候補のため軍籍を離れたテインセイン氏は、これまで軍事政権の
最高指導者として独裁的権限を振るってきたタンシュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長に
代わり、国家元首の地位に就く。
「タンシュエ氏の忠実なイエスマン」と評され、大統領就任の背景には、「国家元首の座を
移譲しても自身を脅かす恐れがない存在」とのタンシュエ氏の判断があるとみられている。
一方でタンシュエ氏は、新政権発足後の自身の去就について依然明らかにしていない。
反軍事政権系誌「イラワディ」は今月、議長は軍最高司令官の地位を退くものの、新たに
創設される「国家最高評議会」のトップに就任して、事実上の最高指導者として院政を
敷く見通しだと報じている。
軍事支配下で最後となった今月27日の国軍記念日の祝典は、毎年恒例の
タンシュエ氏による閲兵や演説は実施されず、例年になく小規模な行事となった。
軍部には、民政移管後の米国や欧州連合(EU)などとの関係改善などを
にらんで、軍の存在を表面から隠す狙いがあったとみられる。
ソース(毎日jp):
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110329k0000m030069000c.html