【エルサレム花岡洋二】トルコ国会は24日、北大西洋条約機構(NATO)によるリビアへの
軍事介入にトルコ軍が加わることを承認した。当面は対リビア武器禁輸を監視する艦船の
派遣にとどめ、直接的な攻撃に加わることは避ける。NATO唯一のイスラム国という難しい
立場で当初は軍事介入に反対したトルコだが、多国籍軍による空爆が一定の成果を上げた
後のタイミングで参加を決定した。
アナトリア通信によると、海軍がフリゲート艦など艦船5隻と潜水艦1隻をリビア沖の地中海
へ派遣。NATO加盟国の中で海上作戦への最多の参加となる。
カダフィ政権と友好関係にあったトルコはリビア国内で大型建設事業を受注し、内戦前には
技術者ら約2万5000人が駐在していた。加えて中東・北アフリカの周辺国とも関係を強化
しており、イスラムの同胞に銃口を向けたイメージを避ける必要があった。一方で、NATOの
一員として欧米との関係も重視。03年のイラク戦争開戦時には、国内の反戦世論に押されて
米軍の駐留を拒否し、対米関係を悪化させた苦い経験がある。
トルコのエルドアン首相は21日、NATO主導の攻撃について、リビア国民の自決権尊重や、
攻撃の早期終結などの条件つきで支持すると語っていた。リビアが内戦状態に陥った後も
トルコは在リビア大使館が米、英、イタリア、豪州の大使館業務を代行。リビア当局に拘束
された米英のジャーナリスト計5人の解放を実現した。
[ソース]毎日新聞 2011年3月25日 11時20分
http://mainichi.jp/select/world/news/20110325k0000e030060000c.html