国民の抗議行動を受けて、ムバラク前大統領が辞任したエジプトで、大統領の3選を禁じることなどを柱とした
憲法の改正案がまとまり、国民投票でその是非が問われることになりました。
この憲法の改正案は、民主的な選挙制度の確立を目指して作られた法律の専門家による委員会が
26日に公表しました。改正案は、30年にわたり政権の座にあったムバラク前大統領の多選が
独裁的な政権運営を招いたという反省から、
大統領の任期をこれまでの1期6年から1期4年に短縮したうえで、3選を禁じ、任期は最長でも2期8年としています。
さらに、大統領選挙への立候補の条件についても、これまでは国会に当たる人民議会の議員など250人の支持が必要でしたが、
これも議員30人に減らすなど大幅に緩和され、少数勢力の野党からも大統領に立候補できるように配慮されています。
大統領選挙は6か月以内に行われる予定になっています。今回公表された憲法の改正案は、
2か月以内に行われる国民投票で、その是非が問われることになります。エジプトでは、
ムバラク前大統領は辞任したものの非常事態宣言が解除されないなど改革がなかなか進まないことに対して
国民から不満の声が上がっています。このため今回の憲法改正案は、
国を暫定的に統治する軍の最高評議会として民主的な政権への移行を迅速に進めているという姿勢を
国民にアピールするねらいもあるものとみられます。
nhk.or.jp
http://www.nhk.or.jp/news/html/20110227/t10014325581000.html