産業制御システムを乗っ取る新しいコンピューターウイルス「スタクスネット」が、国家が
関与するサイバー攻撃の一環として開発された可能性が高まってきた。16日付の米紙ニュー
ヨーク・タイムズは、イランのウラン濃縮を妨害する狙いで、イスラエルがスタクスネットの
試験を行っていたと報じた。米国の核技術専門家らの証言などが根拠で、開発には米国も協力
していたという。
スタクスネットは、ドイツ・シーメンス社製の産業制御システムを乗っ取り、異常を起こす。
情報システムに感染する従来のウイルスと違い、社会基盤に影響が出るウイルスといえる。
これまでは少数のサイバーテロ集団による攻撃が想定されてきたが、国家が実際に関与したと
すれば、新たな「サイバー戦争」の段階に入った表れとして位置づけられる。
ウイルスの手口は非常に洗練されており、高度な専門知識のあるグループによる開発が
当初から疑われていた。
米セキュリティー大手シマンテックの分析で、核燃料や核兵器の原材料製造のための、遠心
分離器を使ったウラン濃縮装置を誤作動させることが判明した。感染の6割がイランに集中して
いたこともあり、イランの核開発を懸念するイスラエルや米国の関与が取りざたされていた。
ニューヨーク・タイムズの報道によると、イランは中部ナタンズにある施設で、パキスタンが
核開発の初期に使った「P1」と呼ばれる遠心分離器によるウラン濃縮装置を使用している。
これに対し、イスラエルも独自にP1を入手。国内のネゲブ砂漠に建設した試験施設で、
スタクスネットがP1を誤作動させるかどうか確かめていたという。
スタクスネットはシーメンス社の制御システムに感染すると、しばらく潜伏した後、遠心分離
器の回転数を急変させ、誤作動を起こす信号を出す。一方、遠心分離装置のセンサーが出す
「誤作動」の警告信号は止めて「正常」を装う機能もある。
(
>>2以降に続きます)
ソース:asahi.com
http://www.asahi.com/international/update/0116/TKY201101160282.html 依頼がありました。
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1292238172/208 (
>>1からの続き)
イスラエルはこれまで、イランの核施設に対する軍事行動も視野に入れてきたが、国際的な
非難を避けるため、サイバー攻撃に着目したという。実際にスタクスネットはナタンズの遠心
分離器の5分の1を停止に追い込み、イランの核開発は数年遅れになったとみられている。
今回の報道によると、米国もブッシュ政権末期にナタンズ核施設の妨害計画を承認。オバマ
政権がさらに推進したという。
シーメンス社の制御システムは米国でも広く使われており、サイバー攻撃に備えることを
名目としたシーメンス社との協議で弱点を洗い出し、それを逆にサイバー攻撃に応用した
可能性がある。テネシー州にあるエネルギー省傘下の研究所施設で、イスラエルと同様の試験を
していた疑いがある。
http://www.asahi.com/international/update/0116/images/TKY201101160347.jpg (以上です)