ローマ(CNN) ローマ法王庁(バチカン)の財政管理組織である「宗教事業協会(バチカン銀行)」が
マネーロンダリング(資金洗浄)に関連した疑いがあるとして、イタリア当局が21日までに捜査を
開始した。
イタリアの中央銀行「イタリア銀行」関係者によると、バチカン銀行が行った2件の送金に関して、
マネーロンダリング(資金洗浄)防止を目的とした法律に違反する送金の疑いがあることを
イタリア銀行が把握し、司法当局に通報した。
本件の捜査に近い情報筋によれば、司法当局は通報を受けた時点ですでにバチカン銀行への捜査を
開始していたという。
疑惑の対象は、バチカン銀行がイタリアの銀行クレジト・アルティジャーノに預けていた資金の
2回にわたる送金で、法律に定められた送金者の情報などを明らかにしないまま、他行に送金しようとした。
送金金額は一方が2000万ユーロ(約23億円)、もう一方が300万ユーロ(約3億4000万円)
だった。
イタリア国内メディアは、司法当局が同行の資産3000万ユーロ(約34億円)を押収したと報じている。
バチカン銀行は21日、金融業務には「完全な透明性」を期しており、
捜査に「困惑している」との談話を発表した。
マネーロンダリングの専門家ジェフリー・ロビンソン氏は、バチカン銀行は「世界でもっとも
秘密に包まれた銀行」で、広大な不動産などを収入源とする同行の資金の動きを、外部が把握することは
ほぼ不可能だと指摘する。バチカン市国は独立国家であるため、イタリアの司法当局がどこまで捜査を
進められるかは不明。
ソースは
http://www.cnn.co.jp/world/30000287.html