インド政府は、スマートフォン『BlackBerry』と関連サービスを手がけるカナダの
Research In Motion (RIM) に強硬姿勢を取る構えだ。
同政府は RIM に対し8月31日を期限として、当局が抱くセキュリティ上の懸念に
対処し、これを解消するよう求めており、できない場合はインドでのサービスを停止
すると迫っている。同国は、世界第2位の人口を擁する巨大市場でもある。Reuters
の報道によると、インド政府は12日に改めてこの期限を示し、政府当局との妥協点を
探る期間として、RIM に約3週間の猶予を与えると述べたという。
RIM は先頃、同様の問題でサウジアラビア政府との歩み寄りに成功した。同国で
は一部の BlackBerry ユーザーに対するサービスが、約4時間にわたって遮断され
た。さらにアラブ首長国連邦 (UAE) も、BlackBerry のサービス規制を表明している。
同国は RIM に規制通告を突きつけた最初の国家で、依然として10月11日という自国
の期限を崩していない。これら政府にとっての問題は、国家安全保障のため、いかに
して政府当局がモバイル通信トラフィックに入り込み、これを監視できるかという側面
にある。
インド、サウジアラビア、UAE の3国に加え、インドネシアやレバノン政府も同様に
主張しているのは、RIM の暗号化技術と同社サーバの物理的な場所 (大多数は
カナダに設置) の組み合わせが障害となって、BlackBerry を利用した潜在的テロ活動
などの違法な通信について、安全保障当局による監視がほぼ不可能になっているとい
う点だ。
なおサウジアラビア政府は、詳細こそ明らかでないものの、BlackBerry の暗号化ト
ラフィックを監視するという政府の計画について、同国内の通信事業者各社および
RIM から、これを支援するとの確約を同国の通信情報技術委員会 (CITC) が得たと
して、BlackBerry サービスの遮断を撤回した。
(2010年8月13日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/internetcom/20100813-OYT8T00445.htm