冷戦のさなか、アメリカによる核実験が繰り返し行われ、近くで操業していた
日本の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員が被爆した、太平洋のビキニ環礁が、
ユネスコの世界遺産に登録されました。
太平洋の島国、マーシャル諸島にあるビキニ環礁では、冷戦が始まった1940年代
後半から10年余りの間に、アメリカによって67回もの核実験が行われました。
ユネスコの世界遺産委員会は、先月31日にブラジルで開いた会合で、ビキニ環礁を
世界遺産に登録することを決めました。
その理由についてユネスコは、「一連の実験は広島の原爆の7000発分にも上り、
被爆した人々の健康に深刻な影響を残した。ビキニ環礁は平和な楽園という
たたずまいとは裏腹に、『核の時代』の幕開けを象徴するものとなっている」
としています。
ビキニ環礁の核実験では、1954年に近くの海で操業していた日本の遠洋マグロ漁船
「第五福竜丸」の乗組員23人が被爆し、無線長だった久保山愛吉さんがおよそ半年後に
亡くなりました。また、「死の灰」を浴びた多くの島の住民たちが、今も健康被害に
苦しんでいます。
NHK(1日22:37)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100801/k10013099341000.html