◇選挙に勝ったのは故人だった、他界から1か月後の町長選で現職破る。
米国のある小さな町で行われた町長選挙で、“珍事”が起きた。
4月13日に町が選挙結果を発表したところ、現職町長をはるかに
上回る票数を集めたのは、約 1か月前に亡くなった元町会議員の男性。
しかも住民たちは、男性が亡くなったことを知っていた上で投票したのだという。
米紙チャタヌーガタイムス・フリープレスによると、舞台となったのは
テネシー州トレーシーシティという人口2,000人に満たない小さな町。
4月13日、町は「カール・ロビン・ギアリー氏が、現職のバーバラ・ブロック氏を
268対85で“破った”」と発表した。しかしこの結果は、記録には残っても
無効の結果となる。なぜなら当のギアリー氏は3月10日、心臓発作により
55歳でこの世を去っていたからだ。
2006年からトレーシーシティの町会議員を務めていたギアリー氏は、
「いつもオーバーオールを着て、率直な発言をする」政治家だったそう。
住民からも「町のためによく働いた」との声が聞かれるなど、
その人気は高かった。ところが、彼が目指していた町長選挙を迎える
1か月前に、突然の不幸でこの世を去ってしまう。「彼は本当に
町長になりたがっていた」と肩を落とすスーザン夫人だったが、
支援者たちはギアリー氏への想いを捨てていなかった。
葬儀の日、スーザン夫人のもとには哀悼の意を示す電話が寄せられ、
口々に「私たちは、まだ彼に投票するつもりだ」と話したという。ただ、そこには
ギアリー氏の人気だけではない事情もあった。町のレストラン経営者は
「バカバカしいと思われるのは分かっている。でも、今の町長以外の
人になって欲しかったんだ」と、現職町長への不満が故人への
投票という形に繋がったようだ。
そして迎えた選挙の結果、亡くなったギアリー氏が大差で現職の
ブロック氏を破るという前代未聞の結果に。これにはさすがの
ブロック氏も「ショックを受けた」「どうして亡くなった人に投票したのか」と、
住民の“選択”に困惑しているという。
ちなみに、選ばれた次期町長の就任は無理なため、
改めて4人の町会議員による選挙を実施する運びとなるそうだ。
ソース(ナリナリドットコム)
http://www.narinari.com/Nd/20100413413.html