米国への政治亡命を申請していたオバマ大統領のケニヤ人の叔母、ゼイトゥニ・オンヤンゴ氏が米国で
不法滞在状態になっている問題をめぐって4日、ボストンの連邦移民裁判所で非公開の審問が行われた。
同日の決定は先送りとなった。
オンヤンゴ氏は約2時間半にわたり証言し、弁護士によると米国滞在には健康上の理由もあるとして、
医師2人も証言に加わった。 オンヤンゴ氏は審理後のコメントを控えた。弁護士のマーガレット・
ウォン氏は、審問は「スムーズに」進み、オンヤンゴ氏は「率直」だったと語った。ウォン氏は詳細に
ついて明らかにすることは避けた。 政府側とオンヤンゴ氏側は、それぞれ30日以内に最終的な書面を
提出することになっている。この審問は5月に改めて開かれる可能性もある。
オンヤンゴ氏はオバマ大統領の亡父の異母妹で、2000年に来米。最初の政治亡命申請は却下され、04年に
国外追放命令を受けた。だがその後も、ボストンの公共住宅に居住し続けている。
オンヤンゴ氏が不法滞在者であることが明かされたのは、08年11月のオバマ大統領当選のわずか数日前
だった。大統領は叔母が米国に不法滞在していることはそれまで知らず、移民法に従うべきだと語った。
昨年11月、オンヤンゴ氏は、自身の政治亡命申請に大統領の介入を依頼したことはなく、移民法上の問題
について訴えたこともないとAP通信に語っている。同氏は「彼は私の問題には関係ない」と述べた。
ロバート・ギブス大統領報道官は4日、オバマ大統領一家はオンヤンゴ氏の訴訟費用を支援しておらず、
08年11月の選挙直前に不法滞在状態であることを聞いてからオバマ大統領は叔母とは話をしていないと
発表した。また「すべての米国民は等しく法に従わなければならない。政府は本件に一切関与していない」
と語った。
オバマ大統領は自身の回顧録「Dreams from My Father(邦題:マイドリーム)」でオンヤンゴ氏を
「ゼイトゥニおばちゃん」と呼び、88年ケニア訪問の際に会ったことを記している。
WSJ(5日14:14)
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