アメリカ政府が国際テロ組織とは関係がないと判断したものの、本国に送還すれば迫害されるおそれが
あるとしてキューバのグアンタナモ収容所に収容してきた中国出身のウイグル族2人について、スイスが
受け入れることを決め、引き渡しを求めてきた中国がアメリカに対する反発を強めることが予想されます。
スイスが受け入れを決めたのは、2001年にアフガニスタンなどで拘束され、グアンタナモ収容所に収容
されていた、中国・新疆ウイグル自治区出身の兄弟2人です。アメリカ政府は2人について、拘束後に
国際テロ組織とは関係がないと判断しましたが、中国に送還すれば迫害されるおそれがあるとして、
7年以上にわたって収容を続け、受け入れ先となる第三国を探してきました。
これについて、スイスのシュルンプフ司法相は3日、「人道的な立場から受け入れを決めた」と述べたうえで、
1か月以内にスイス国内に移送されるとの見通しを示しました。中国政府は、グアンタナモ収容所に収容
されているウイグル族について、「中国からの独立を目指すテロ組織のメンバーであり、中国国内で処罰
されるべきだ」などと主張して、アメリカ政府に対し、引き渡しを強く求めてきました。しかし、アメリカ
政府はこれを受け入れず、これまでにパラオなどに10人余りを移送しており、新たに2人がスイスに移送
されれば、アメリカに対する中国の反発がさらに強まることが予想されます。
NHK(4日14:09)
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015433961000.html