◇今の時代は35歳から“中年”に突入? 米国人への調査で研究者が断言。
“中年”という言葉を聞いたとき、いくつくらいの年齢を思い浮かべるだろうか。明確な
定義があるわけではないため、人によってその感覚はまちまちだが、国語辞典の大辞林には
「青年と老年の間の年頃。40歳前後から50歳代後半あたりまで」と記され、一般的にも
それくらいの感覚が近いかもしれない。しかし、オランダの家電メーカー・フィリップスの
研究機関が米国人を対象に行った健康や幸福度に関する調査によると、さまざまな項目で
35歳を境に顕著な変化が現れており、研究者は「“中年”と呼べる年齢は35歳から」と説明している。
この調査はフィリップスの研究機関「Philips Center for Health and Well-being」が発表した、
「Americas Health and Well-being Report 2010」の中で明らかになったもの。同社によると、
調査は昨年11月23日から12月7日の間に電話をかける形で行われ、対象者には自身の健康や
幸福度に関して質問、18歳から65歳までの男女1,503人から回答を集めた。
まず、「自分は健康で、幸福だと感じる」かどうかをたずねたところ、全体の74%は「はい」と回答。
しかし、年代別では差があり、25〜34歳が83%付近で推移したのに対し、
35〜44歳は67%と急激に低下している。
また、「年に一度病院へ行く」と答えた人の割合も、25〜34歳が48%なのに対し、35〜44歳は
67%に増加。「多くのストレスを感じる」との回答は 25〜34歳が12%、35〜44歳は24%という
結果になった。これらの変化はいずれも35歳付近を境に、顕著に現れている。
さらに 35歳を詳しく見ていくと、「経済状態が不安か」との質問では、80%が「不安」と答え、
約4分の3は「健康面も心配」と回答。特に経済面の不安は、 2004年に行われた調査と比べ
倍の水準となり、数年前よりもお金の不安を感じる年齢層が、より若い年代に広まりつつある
実態も明らかになった。
こうした結果を受け、同社のケイティ・ハートリーディレクターは「データは、中年と呼べる年齢は
35歳からであることを示している」と断言。米国では一般的に40歳前後を中年の始まりと
定義することが多く、その根拠となっていたのが40歳前後で見られたさまざまな変化だったが、
それが昨今は5歳程度前倒しになってきたというわけだ。こうした傾向をフィリップスは、
「いくつかの重要なファクターが、米国人の前向きな見方を少しずつ奪っている」と、
健康や経済といった不安が中年の低年齢化を生みだしたとしている。
ソース(ナリナリドットコム)
http://www.narinari.com/Nd/20100112958.html