◇中南米諸国:米への期待感冷め オバマ政権、大きな成果なく
【メキシコ市・庭田学】オバマ米大統領に対する中南米諸国からの
期待感が、左派系政権を中心に冷めてきている。就任1年で米国の
中南米政策に大きな成果がなかったことに加え、キューバの革命指導者、
フィデル・カストロ前国家評議会議長がオバマ大統領批判を強めており、
ベネズエラなどの急進左派政権もこれに同調している格好だ。
カストロ前議長は、論評などで「私は何度かオバマ大統領は知的な人物だと
述べたが、米国の政治システムや経済の変革はなされていない」と指摘。
ホンジュラスの左派大統領追放に対する米国の態度やコロンビアへの
米軍駐留を批判し、「帝国(米国)は今、親しみやすい笑顔とアフリカ系
米国人の顔をしている」と警戒感を強めている。
米キューバ関係は、オバマ政権発足で改善の兆しもあるが、ラウル・カストロ議長は
昨年12月の国会で「米国は(キューバ)革命破壊の姿勢を捨てていない」と指摘した。
オバマ大統領は昨年4月の米州サミットで中南米外交にデビュー。ブッシュ前政権時代に
悪化した対中南米関係の改善に努め、各国首脳の期待感を集めた。しかし、今、
ベネズエラの急進左派、チャベス大統領は師と仰ぐカストロ前議長のオバマ大統領批判に
同調する立場だ。ボリビアの左派政権も「オバマ政権誕生で帝国主義的な考え方が
変わると思ったが、好戦的な政治だ」と批判する。
オバマ政権1年の中南米外交の最大の失策は、ホンジュラスのクーデターの仲介に
失敗したことだ。追放されたセラヤ大統領の復帰を図ったが成し遂げられず、
セラヤ氏は「米国はクーデター政権を前に態度を変えた」と批判する。アフガニスタンへの
増派を決めたオバマ大統領が、ノーベル平和賞を受賞したことも批判の対象になっており、
カストロ前議長は「なぜ受賞を受け入れたのだろうか? 厚かましい態度を取る
必要はなかったのに」と皮肉っている。
ソース(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/news/20100110ddm007030098000c.html 関連スレ
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