◇チリ元大統領「病死」、軍政の暗殺だった
【リオデジャネイロ=浜砂雅一】南米チリの司法当局は7日、1982年に
エドゥアルド・フレイ・モンタルバ元大統領が71歳で死亡したのは、
当時のピノチェト軍事政権関係者による暗殺によるものだったと断定し、
元運転手ら3人に対して殺人容疑で逮捕状を取った。AP通信などが伝えた。
フレイ氏は、ヘルニア手術後の感染症が原因で死亡したとされてきた。
だが、チリ大学が今年行った病理解剖で、マスタードガスに含まれるものなど
2種類の化学物質を検出された。
司法当局は「毒物を注入されたことが死因」と認定し、同氏の元運転手と
手術を担当した医師、元秘密警察メンバーの3人が関与した疑いがあると判断した。
当時検視を行った別の医師ら3人も共犯容疑で訴追するという。
チリでは、ピノチェト元大統領(2006年死去)が73年のクーデターで
アジェンデ社会主義政権を打倒し、90年まで軍事独裁政権を敷いた。
この間、チリ経済を安定成長軌道に乗せる一方、左翼勢力を徹底して弾圧。
誘拐や拷問などによる死者・行方不明者は約3200人に上った。
ジャーナリスト出身で、64〜70年に大統領を務めたフレイ氏は軍政に抵抗、
82年当時は軍部による人権侵害事件を調査していたという。
同氏が暗殺されたとの疑惑はかねてくすぶっていた。
ソース(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091208-OYT1T01148.htm ◇元大統領は「毒殺」、6人訴追=同情票で選挙に影響も−チリ
(前略)
故大統領の息子で、その後、同じく大統領を務めたエドゥアルド・フレイ・ルイスタグレ氏(67)は、
今月13日実施の大統領選に出馬したものの苦戦を強いられており、同情票が選挙結果に
影響する可能性もあるとの指摘も出ている。
(中略)
故大統領は当時、ピノチェト軍事政権下での人権侵害を調査していた。
このため、軍情報機関が毒殺したとみられる。
一方、チリの各世論調査によれば、次期大統領選では右派・国民改進党の
セバスティアン・ピニェラ候補(60)が優勢。ピノチェト軍政終結以来、
約20年ぶりの右派政権が誕生する勢いだ。
ソース(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009120800525