【トルコ/アルメニア】国交樹立へ スイスで調印式[09/10/11]
51 :
七つの海の名無しさん:
かつての東ローマ帝国でアルメニア人はギリシャ人に次ぐ支配的地位にあり、
オスマントルコ帝国でもコンスタンチノープルを中心とする都市部に多数のアル
メニア商人が居住していたことが注目される。
この都市部アルメニア人の迫害と海外移住は、今回問題になっている20世紀
はじめの二回目の迫害ではなく19世紀末の第一回の迫害がきっかけであると
思われるが、都市部アルメニア人の故郷への帰還がもし認められるならば、
それはかつてオスマントルコによって滅ぼされた東ローマ帝国の復活を意味
するとも考えられる。
欧米に居住するアルメニア人の多くは、コンスタンチノープルなどの都市部出身
であるとも考えられ、彼らがボスポラス海峡という地政学的要地をイスラム教徒
から奪還するための新たなシオニズム的運動の推進者になるのかもしれない。
そして、シオニズムの中心であった東欧系ユダヤ人がパレスチナとは縁も
ゆかりもない人々であったのとは対照的に、トルコに住んでいたアルメニア人
農民やトルコ北西部に住んでいたアルメニア人商人の共同体が迫害により
消滅させられたのは一世紀前のことである。シリアやレバノンなどのアラブ国家
地域ではアルメニア人共同体が迫害されずに残存していることと対照的である。
北キプロスやボスニア、コソボ、アルバニアはオスマントルコ時代にイスラム化
した地域である。将来人口一億に達する大国トルコが経済発展すればこれらの
地域でもトルコへの求心力が働く可能性があり、オーストリアやドイツだけでなく
セルビアやブルガリアなどのバルカン諸国にとっても悩みの種だろう。
アルメニア人商人によるコンスタンチノープル奪還がもし実行されるならば、
それはかつてトルコ人に占領された領土の奪還として、オーストリア・セルビア・
ブルガリア・ロシア・ギリシャなどの多様な民族によって強く支持されることだろう。
ドイツに多数居住するトルコ系移民も三分の一がクルド人とされており、将来
ドイツがクルド人国家建国を支援してそこにドイツ在住クルド人を送り込んで
親ドイツの傀儡国家として維持することも考えられる。シオニズムによるイスラ
エル建国と同じ事を、欧州がトルコでアルメニア人とクルド人で実行するのだ。
1960年代にドイツがトルコから大量の外国人労働者(その1/3がクルド人)を
受け入れたことも、欧州によるトルコ弱体化作戦の一環だったのかもしれない。
この運動の問題点は、イスラム教とキリスト教の間の文明間戦争に発展する
危惧があることだ。欧州はトルコに隣接するイランやシリア、サウジアラビアを
味方に付ける必要がある。トルコは現在は混血化が進んでいるがモンゴル高原
を発祥の地とする民族であり、ペルシャ人・クルド人・アラブ人などの太古から
中近東に居住してきた民族とは全く異質である。
アルメニアの宿敵でありトルコの潜在的な味方であるアゼルバイジャンも、
イランと同じくシーア派中心の国家であり、スンニ派中心のトルコの味方になるか
どうかは微妙である。トルコという異質な民族を共通の敵にすることで、イラン、
クルド人国家、シリアやサウジなどのアラブ国家が欧州と手を組むことも出来るのだ。
トルコ、ギリシャあたりでの戦争という予測説があったが、これは恐らくEUが主導
するトルコ弱体化の為の戦争で、クルディスタン、アルメニア国境、北キプロス、
ボスポラス海峡、アルバニア・コソボあたりが戦場になるのではないかと思われる。
そして、欧州文明に同化しようとしないイスラム系住民を一挙に地域外に追放する
と共に、トルコを大きく弱体化させることになるだろう。
スペインが、アラブ系イスラム教徒をイベリア半島から追放した「国土回復運動」
がバルカン半島やドイツでも実行されることになるのかもしれない。そして、EUの
東西分裂とは、カトリック+プロテスタントの西ローマ帝国と、東方教会の東ローマ
帝国の再興を意味するのかもしれない。
52 :
七つの海の名無しさん:2009/10/13(火) 21:01:01 ID:rpxKUzEf
もしそうだとすれば、西EUの東方国境はフィンランド・バルト三国・ポーランド・
スロバキア・ハンガリー・クロアチアの東部国境になり、ボスニアのムスリム人
地区やコソボ・アルバニアは東西EUの緩衝地帯として残されることになるだろう。
バルカン半島東部・アルメニア・グルジアからロシアにかけての地域が東EUとなり、
ロシアがその軍事的・経済的中核として君臨することになるだろう。
これらの動きは、ロシアを包囲し封じ込めるという世界戦略によって作られた
第一次大戦後の中近東の国境線が過去のものとなり、ユーラシア大陸西部の
覇権を引き継ぐドイツやフランス、ロシアなどの欧州大陸国家の世界戦略に
従って新たな国境線が引かれることを意味すると思われる。
米国のユダヤ人も、イスラエルのユダヤ人も、イランもサウジもシリアも、
この覇権移動を前提として自己の利益の確保と引き替えに独仏露に協力している
様に思われる。イラン・サウジ・シリアはイラク領土を分割併合するという利益を得る。
場合によっては、イランとシリアが領土のうちクルド人居住地域を、新たなクルド人
国家に割譲するかもしれない。クルド語はペルシャ語と近縁関係にあり、それ故に
クルド国家はイランの友好国になりうるのだ。トルコ自身もこの陰謀には気付いており、
それ故に米国のイラク攻撃に非常に非協力的であったのだと考えられる。
米国や英国、イスラエルはイラク攻撃の汚名を着ることで、トルコの弱体化と
ボスポラス海峡の奪還、欧州大陸からのトルコ人追放、トルコ国家の弱体化という
欧州大陸国家の一致した利益に貢献し、それと引き替えに新たな世界システムの
中での生き残りを狙っているのだろう。