米マイクロソフトを創業し、現在は慈善活動に注力するビル・ゲイツ氏が、甚大な被害をもたらす
ハリケーンを抑制する方法の「特許」を申請、話題になっている。
しかし、この方法ではハリケーンの威力を弱めることはほとんど不可能だと、科学者などから
懐疑的な意見が数多く挙がっている。
ゲイツ氏は科学者らと連名で、今年1月にこの特許を申請。その内容が7月に明らかになった。
申請された特許の方法は、ハリケーンが温かい海水温の影響を受けて勢力を増すため、
ハリケーン周囲海域に冷水を流し込み、海水温を低下させて勢力を弱めるというもの。
このアイデアに、現実的に実施するのは困難だと指摘するのが、半世紀近くにわたってハリケーンの
予測などを出している気象学の権威、ウィリアム・グレイ・コロラド州立大学教授だ。
グレイ教授は、海洋上で熱帯低気圧が熱帯暴風雨に成長し、風速33メートル以上のハリケーンに
成長するまでの時間が非常に短いと説明。さらに、速い速度で移動する低気圧の海域を冷やすには、
時間的にも経済的にも現実的に無理だと述べている。
また、もしも実現できた場合でも、低気圧の中心部は勢力を弱めることはできるかもしれないが、
強風が吹き荒れ被害を宛てる熱帯暴風雨の周囲には大きな影響を与えることは無理だと述べ、
「ハリケーンを完全に止めることはできない」としている。
ソースは
http://cnn.co.jp/business/CNN200908290025.html