イタリア:治安法施行、「移民排斥」強化 自警団巡回容認も
移民を巡る社会問題が先鋭化しているイタリアで、違法移民をかくまう
市民には禁固刑を科し、自警団による巡回を合法とする治安法が施行
された。欧州議会やローマ法王庁などからも「外国人差別を促す」
「ファシズムの再来」との批判が出ていたが、安定多数の中道右派
与党が押し切り、野党は、外国人を犯罪者とみなす市民の過剰防衛が
広がる危険を警告している。
治安法の主な内容は、(1)違法移民は5000〜1万ユーロ(67万〜
134万円相当)の罰金を科し、国外に追放する(2)医師と学校職員を
除く公務員には、違法移民に関する情報を当局に報告する義務を課す
(3)元警察官らで組織された自警団は違法移民の捜索、摘発ができる
(4)違法移民に部屋を賃貸した者は6カ月から3年の禁固刑−−など。
移民関係以外では、スプレーでの落書きなどに最高6カ月の禁固刑を
科し、飲酒運転に対する免許取り消しも盛り込まれた。
ベルルスコーニ政権が提出した法案を、中道右派与党が上下院で可決。
ナポリターノ大統領が14日に調印し、発布した。
イタリアでは戦前のファシスト政権下で、自警団がユダヤ人や共産党員を
弾圧する事件が多発した。治安法導入は、むしろ外国人排斥の風潮を
助長する恐れが指摘されている。
現にミラノでは、外国人排斥を唱える右派与党「北部同盟」の下院議員が
「外国人の多い地下鉄にミラノ人の専用座席を設けろ」と訴える騒ぎも
起きた。
イタリアには合法滞在の外国人約400万人のほか、約100万人の不法
移民がいるが、統計上、犯罪は年々減っている。にもかかわらず、ベルル
スコーニ政権は発足当初から「外国人犯罪の増加」に焦点を当て、治安
悪化を説いてきた。
このため、歴史の苦い教訓や右傾化の行き過ぎを懸念する大統領は、
調印に当たり、上下両院議長と首相、内相にあてて、自警団の巡回を
懸念する意見書を送った。
ソース:毎日jp
http://mainichi.jp/select/world/archive/news/2009/07/24/20090724dde007030003000c.html 依頼に基づき立てました。
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1245303278/248