イラク石油相が来日へ 油田権益獲得で新日石などと最終調整
イラク政府が戦後復興資金を確保するため、外国企業に開放する油田の
開発権益をめぐり、同国のシャハリスタニ石油相らが10日にも来日し、
南部ナシリヤ油田の権益獲得を目指す新日本石油などの企業連合と
最終調整に入ることが2日、分かった。月内の合意を目指しており、
絶大な権限を持つ石油相自らが来日することで、日本が獲得できる
公算が大きくなった。
輸入原油に依存する日本にとって自主開発の“日の丸油田”の獲得は、
安定調達やエネルギー安全保障の上で国家的な重要課題。同油田は
日本の1日の消費量の10%超に相当する日量60万バレルの生産が
見込まれ、獲得すれば過去最大の日の丸油田となる。
両国政府は石油相のほか、アーラジ国家投資委員会委員長らが来日
する方向で詰めている。新日石は国際石油開発帝石(INPEX)、エンジニア
リング大手、日揮と組み、同油田の一部鉱区で油田開発を20年の長期で
行う権益取得交渉を進めており、日本政府も強力に後押ししている。
日の丸油田としては、1957年にアラビア石油が獲得し、権益が失効した
ペルシャ湾のカフジ油田(日量30万バレル)を大きく上回る。
ナシリヤ油田の権益交渉には日本、イタリア、スペインの企業連合の
3グループが参加。スペインが事実上離脱し、現在はイタリアとの一騎
打ちとなっている。5月まで日本が優勢とされたが、イタリアもインフラ
整備支援の提案などで巻き返しに出ている。
このため、日本側はイラクの来日団に対し、製油所や発電所などのインフラ
整備を国際協力銀行(JBIC)を通じて支援するほか、政府開発援助(ODA)
による復興支援をアピール。月内の最終合意につなげたい考えだ。
業界関係者によると、「交渉の行方は予断を許さない状況」という。ただ、
新日石はイラク政府が実施したほかの油田の入札への参加を見送り、
ナシリヤ油田一本に絞って交渉。同社の渡文明会長は「そう遠くないうちに
結論が出る。手応えはある」と自信をみせている。
イラク側にも、資金力が豊富な日本企業の投資を呼び込みたいとの意向が
強い。同国は原油確認埋蔵量が1150億バレルで、サウジアラビア、イランに
次ぎ世界第3位。イラク戦争の影響で開発が十分に進んでおらず、約40年
ぶりに権益を開放した。
ソース:MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/090703/env0907030140000-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/life/environment/090703/env0907030140000-n2.htm 関連
【イラク】40年ぶりに油田・ガス田の国際入札を実施[06/30]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1246376976/