大型トラックを盗品と知りながら新潟西港に運んだなどの疑いでロシア人2人が
逮捕された事件で、このトラックは車台番号を改ざんされ、ロシアに不正輸出
されていたことが28日、新発田署や他県警による合同捜査班の調べで分かった。
中古車の輸出に必要な証明書を別の車で取り、その車台番号を盗品のトラック
に刻む偽装が行われていたとみられる。
捜査班によると、偽装は、同港での東京税関新潟税関支署による検査をすり抜ける
ための工作だった疑いが強い。トラックが置かれていた自動車整備工場(新発田市)
に対する捜索では、ほかの盗難トラックや、盗難車から外されたナンバープレート10枚
ほどが見つかった。捜査班は、この工場が不正輸出をするための偽装工作を行う
拠点だった疑いがあるとみている。
捜査班の調べでは、車台番号が改ざんされたのは、昨年12月に仙台市の運送会社から
盗まれた大型トラック。同工場に住む中古車買付業のロシア人、ブルラーカ・ビークトル容疑者
(53)=盗品運搬容疑で逮捕=が3月に同工場から新潟西港まで運んだとしている。
新潟税関支署などによると、中古車輸出の際は、運輸支局に車検証やナンバープレートを
提出して車の登録を抹消する証明書を発行してもらう必要がある。税関はこの証明書など
を基に、輸出される車が正規の手続きを経ているかや盗難車ではないかなどを検査する。
捜査関係者は「容疑者は(実在する)別の車で証明書を取り、盗難車の車台番号を
その車の番号に偽装して検査をすり抜けたのではないか」とみている。
本県では、昨年夏にも乗用車を新潟東港から同様の手口でロシアに輸出しようとした
首都圏在住の男2人が逮捕された。このときは同支署が車台番号の偽装を見抜き、
摘発につながった。ただ、今回はすり抜けていたことから、水際対策の強化が求められそうだ。
この事件では、同工場に住むロシア人でキム・スタニスラフ容疑者(30)も山形県の
運送会社から大型トラックなどを盗んだ疑いで逮捕された。新発田署などによると、
大型トラックの窃盗被害が昨年10月から県内外で少なくとも26件発生。
被害総額は2億2000万円に及んでおり、捜査班で関連を調べている。
ソース:新潟日報 2009年5月29日
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=159128 車台番号が改ざんされて輸出されたトラックがあった中古車整備工場を捜索する県警捜査員ら。
盗難車を不正輸出するための偽装工作拠点だった疑いが出ている=新発田市上館
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/dataimg/159128.jpg 関連スレ
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