若者たちを犯罪に巻き込むメキシコ麻薬戦争
組織間の縄張り争いなどで昨年1年で約6300人の死者をだすなど、「麻薬戦争」が激化する一方のメキシコ。
最近は、本来組織とは無縁の若者を「運び屋」や「殺し屋」としてリクルートするケースが増えている。軍や警察
の取り締まりが厳しくなる中、「(犯罪者)らしくなさ」で目をくらます作戦だ。日常的に犯罪現場を目の当たりにし
ている若者たちも感覚がまひし、安易に誘いに応じている。
メキシコ…危険なリクルート
メキシコでは8日、米カリフォルニア州との国境に近いテカテで麻薬密売組織の隠し倉庫が摘発され、約1900
キロものマリフアナが押収された。一向に麻薬取引が下火になる気配はない。
メキシコ政府は2月から、最も麻薬絡みの犯罪が多く無法地帯と化しているシウダフアレスに5000人の陸軍兵士を
常駐させ、2500人の警察官とともに取り締まりに当たっている。その効果は殺人事件の減少につながり、ロイター信
によると、今年1〜3月のメキシコでの麻薬犯罪による死者数は約1600人で、昨年10〜12月期よりも約500人減
っている。
今月2日にはメキシコ検察当局は麻薬密売組織フアレス・カルテルの最高幹部、ビセンテ・カリージョ容疑者(32)を
逮捕した。その時、国民を驚かせたのがメディアの前で公開されたカリージョ容疑者の「らしくない」姿だった。
シウダフアレスを拠点とするフアレス・カルテルは、メキシコ最大規模の勢力を誇る。カリージョ容疑者の父は「空飛ぶ
麻薬王」として恐れられ1997年に死亡したアマド・カリージョだ。父亡き後は、若年ながら組織の指揮・管理や密売で
得た資金の隠匿などを担っていた。
切り札は「学位と顔」
カリージョ容疑者は逮捕時、偽名で住んでいたメキシコ市内の自宅近くの公園で、ブランドのジャージー姿でジョギング
中だった。近所では「エンジニア」と信じられていたという。
メキシコの犯罪分析者、ホルヘ・チャバット氏は「この見た目のギャップこそが、最近の麻薬組織の戦術だ。今や大卒の
学位と善良顔が、組織で出世していくための切り札になっている」と話す。殺人は携帯電話にかかってくる暗殺指示メー
ルに従って行い、報酬は1人1000ドル(約10万円)くらいから10万ドル(約1000万円)くらいまでと幅があるという。
また、日ごろ血なまぐさい犯罪現場を目にしていることも、悪への誘いに応じてしまいやすい土壌になっている。子供のと
きに殺人現場を見てトラウマ(心的外傷)を負った後、繰り返し接すると「殺しをゲームのようにとらえてしまう」(チャバット
氏)という。
先月下旬メキシコを訪れたヒラリー・クリントン米国務長官(61)は、米国の麻薬需要や武器密輸が「麻薬戦争」激化の一
因と認め、「両国は共同責任がある」と言明。米議会は対策強化費として7億ドル(約 680億円)を承認した。バラク・オバ
マ米大統領(47)もこの問題で今月末にもメキシコを訪れる予定だが、対策が長期戦となるのは必至だ。
ソース(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090410/amr0904101112005-n1.htm 関連スレ
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