東京・銀座の宝石店で2007年6月、2億円のティアラ(王冠型髪飾り)を強奪したとして
警視庁が国際手配していたモンテネグロ人の男が先月、キプロスの空港で逮捕された。
欧州などで100億円以上の宝飾品を奪った国際強盗組織「ピンクパンサー」のメンバーだが、
銀座の事件に絡んでは、日本滞在を支援した外国人らの存在が浮かんでいる。
「ティアラ強盗の犯人を身柄拘束した」。先月21日、国際刑事警察機構(ICPO)から
連絡を受けた警視庁幹部は「国際協力が実を結んだ」と胸躍らせた。
強盗傷害などの容疑で国際手配していたモンテネグロ人、リファト・ハジアフメトビッチ容疑者(40)
の逮捕は先月18日。地中海の島国キプロスの空港からレバノンに出発しようとした際、偽造旅券を
見破られた男が、ラドバン・イェルシッチ容疑者(38)(逃亡中)と共に国際手配したティアラ事件の
実行犯と判明したのだ。
◆銀座事件、犯行わずか32秒◆
リファト容疑者らは07年6月、東京・銀座の「エクセルコ ダイヤモンド東京本店」に押し入り、
催涙スプレーを噴射して店員がひるんだわずか32秒でティアラを持ち去った。日本では別の
メンバー4人が、銀座の別の宝石店から35億円相当のダイヤを奪った04年の事件に続く被害だった。
ICPOによると、ピンクパンサーは、ユーゴ解体後の混乱などで経済状況が悪化したセルビアや
モンテネグロなどの若者で組織された。1999年頃から08年の間、欧州など19か国で
約137億円相当の宝飾品を強奪。刑務所に収監されたのは約200人のうち40人足らずという。
口ひげやメガネで変装し、人を傷つけずに宝飾品を瞬時に奪い去るのが特徴で、銀座事件を
調べてきた警視庁の捜査員は「手口の素早さは怪盗ルパンのよう」と形容する。
◆容疑者、南米系女性宅を転々◆
欧州を拠点とする組織が、なぜ遠い島国・日本で犯行を成功させたのか。
同庁捜査員は、国内に潜む「支援者」がカギとみている。
リファトとラドバン両容疑者は、07年4月12日に来日。リファト容疑者は事件10日後までの約2か月間、
首都圏のホテルのほか、南米系女性3人が住むアパートを転々としながら潜伏を続けたことが判明したという。
この女性らは犯行後、両容疑者らの出国用航空券も購入しており、潜伏と逃亡の両面を手助けしていた。
東京・六本木で働くこの女性らに、両容疑者を引き合わせたのが、謎の外国人の男だった。
警視庁の事情聴取に対し、女性3人は男の身元や両容疑者がどんな用事で日本に滞在
していたかは、「知らなかった」と口をつぐんだままだ。
◆ティアラ国外持ち出し、別の外国人男女関与?◆
また、これまでの調べでは両容疑者が事件後、別の外国人の男女と接触していたことも判明。
警視庁ではティアラの国外持ち出しに男女が関与した疑いもあるとみて、行方を追っている。
南米系女性3人を別にして、3人の不審な外国人が両容疑者と接触した事実が浮かんだことに対し、
警視庁では国内の支援ネットワークの存在に警戒を強めている。「日本での支援の芽を摘むこと。
それが彼らに、日本は狙いにくい、と思わせることになる」。ある幹部はこう語り、ICPOを通じ、
リファト容疑者の身柄引き渡しを求めることを明らかにした。(藤山純久)
ソース:読売新聞 (2009年4月7日10時01分)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090407-OYT1T00024.htm 関連スレ
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http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1238338238/