(つづきです)
イギリスの首都にある組織に就職した経緯こそいささか奇妙ではあったが、マルチンキェヴィチは故国ポーランドでの
人気を維持し、世論調査ではつねに国民が最も敬愛する政治家の1人として名前が挙がっていた。
しかし彼はロンドンでの自由な生活にどっぷり浸かってしまったようで、前妻と離婚してしまった。その後彼は
現地の宝飾店で新しいガールフレンドのために婚約指輪を買っている姿が目撃された。マルチンキェヴィチは
彼女について、「ファンタスティックで向上心があって、自分というものをしっかり持ってる人」だと述べている。
しかしポーランド人々はこの中年男が惚れているほどにはイザベルに魅力を感じなかった。次のポーランド大統領を
占う最近の世論調査では、マルチンキェヴィチは3位から7位に落ちている。もはや彼が大統領候補になることなど
もってのほか、というわけだ。
中道右派「市民プラットフォーム」のドナルド・トゥスク首相は先日出演したラジオ番組で、
「カシミール・マルチンキェヴィチ氏の将来が明るくて順調だと思われたころには、よく彼と会って議論したものです。」と述べ、
彼は自分の政権でもマルチンキェヴィチを閣僚として登用することさえ考えていたと、付け加えた。しかしそれはあくまで
彼が「昼メロドラマの主役(トゥスク首相談)」になる前での話だ。マルチンキェヴィチがヨーロッパ議会の議員に
立候補する話もお流れになってしまった。
それに加えもっと問題なのは、マルチンキェヴィチは悪名高い投資銀行「ゴールドマン・サックス」の顧問に
就任したことだ。この投資銀行は最近、ポーランド通貨ズウォティを外為市場で猛烈に売りまくる投機を行っているまさに
主役なのだ。マルチンキェヴィチ本人は通貨取引には一切関与していないと断言しているが、それでも彼は
いっときは民族主義政治家としてその方面の人々に評価されていたのだから、もう手遅れだ。
最近のマルチンキェヴィチはマスコミの攻撃から自分を守ろうと必死だ。ガールフレンドのイザベラさんも
彼のブログを通じてタブロイド紙を非難する詩をいくつも披露している。たとえばこんなのだ:
レポーターたちは記事を書く
ネットでみんなが記事にコメントする
私たちを馬鹿にしている
偽善の感情に煽られて
マルチンキェヴィチの政治生命は終わったと思われる。しかし彼は21世紀の新しく魅力ある、ある可能性に直面しているのだ。
つまりそれは、彼はプロのセレブとして今後も充分食べていけるだろう、と。
Kazimierz and his Isabel
http://www.globalpost.com/dispatch/poland/090314/kazimierz-and-his-isabel 2006年5月27日にポーランドの古都クラクフの公園で開かれたローマ法王ベネディクト16世と若者の対話集会に参加し、1本のキャンドルに火をともす「イザベル以前の」カシミール・マルチンキェヴィチと前妻マリアさん
http://www.globalpost.com/sites/default/files/imagecache/medium//sites/default/files/photos/13/Poland_03_14_09_Cienski_Kazimierz.jpg