【アメリカ】ミュンヘン会議:米バイデン副大統領演説 「協力と協調」よびかけ[02/07]
バイデン米副大統領は7日、ミュンヘンでの安保政策会議で演説した。オバマ政権発足後、
首脳級が国際会議に出席するのは初めてで、オバマ外交が本格スタートした。副大統領はテロの
脅威や金融危機、地球温暖化など共通の課題に対処するため「あなたたちの助けが必要だ」
「各国との協力関係を刷新する時だ」と欧州などの協調を求めた。一方、イランの脅威を挙げ
東欧ミサイル防衛(MD)計画継続を明言、強い外交姿勢にこだわりも見せた。
副大統領は「米国は(世界の)声を聞き、相談する。世界が米国を必要としているように米国は
世界を必要としている」と述べ、イラク戦争をはじめとしたブッシュ前政権の単独行動主義から脱却、
協調を重視する外交への転換を鮮明にした。
一方、「米国はパートナーにもより多くを求める」「脅威に一国だけで対処できない」と
アフガニスタンへの軍事・復興支援を念頭に責任分担も求めた。
対話路線も強調し、「イランとの話し合いを望む」とし、「(核開発の)路線を継続すれば圧力と
孤立が、核計画とテロ支援を放棄すれば報奨がある」と選択を迫った。北朝鮮には言及しなかった。
ただ、「軍事力が我々の自由を守ってきた。これは不変だ」と述べ強い姿勢を示した。
東欧MD計画に反発するロシアとは「協議する」と述べ、緊張した対露関係の「リセットボタンを
押す時だ」と仕切り直しが必要との認識を示した。
今年末失効する米露の第1次戦略兵器削減条約は「刷新すべきだ」としたうえで「既存の条約を超え、
大幅な削減ができる」と核軍縮に強い意欲を見せた。温暖化防止には「積極的に動く」と話した。
会議には浜田靖一防衛相が初めて出席、駐日米大使に有力視されるジョセフ・ナイ元国防次官補と
会談する。
◇7日のミュンヘンでの安保政策会議での、バイデン米副大統領演説の要旨は次の通り。
共通の試練に立ち向かうため、強力なパートナーシップに根ざした米国と世界の新たな関係が必要だ。
過激主義に対抗するため、共通の枠組みでの協力継続を追求する。私たち米国には、あなたたちの助けが
必要だ。キューバ・グアンタナモの(テロ容疑者)収容所の拘束者受け入れを他国にもお願いしたい。
新政権はイランとの直接対話を望んでいる。イランが核開発路線を継続すれば圧力と孤立が、核計画と
テロ支援を放棄すれば報奨があるだろう。
イスラエルとパレスチナの和平では、エジプトなどと協力してガザ停戦を確立し、ハマスではなく、
正統なパレスチナ自治政府を強固にすべきだ。
米国はアフガン戦略の見直しでパートナーの声を聞く。戦略はすべての国が(アフガン安定に)責任を
負う包括的なものでなければならない。パキスタンの協力なくしては、どんな戦略もありえない。
私たちは気候変動に対し、積極的にリードする用意がある。
ここ数年、NATOとロシアの間には危険な流れがあった。リセットボタンを押す時だ。国際テロ組織
アルカイダやアフガン旧支配勢力タリバンといった共通の敵を打倒するため、協力すべきだ。米露は
協力してSTART(戦略兵器削減条約)の検証手続きを更新し、既存の条約を超える大幅な
(核)兵器削減交渉が可能だし、そうすべきだ。米露は、核兵器削減の国際的努力をリードする
特別な義務を負っている。
ソース 毎日新聞 2009年2月7日 21時04分(最終更新 2月8日 0時58分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090208k0000m030080000c.html 関連スレッド
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