【エルサレム前田英司】イスラエルのオルメルト首相は17日夜(日本時間18日未明)、
国民向けにテレビ演説し、イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区
ガザ地区への攻撃の「一方的停戦」を宣言した。イスラエル軍は18日午前2時(同午前
9時)、攻撃を一方的に停止したが、約7時間後に少なくとも8発のロケット弾がイスラエ
ル側に撃ち込まれ、軍は発射地点付近を報復空爆した。その後、ハマス側も即時停戦
に入ると表明。ガザ情勢は12月27日のイスラエル軍の大規模空爆以来、22日ぶりに
収束の方向へ動き出したが、完全に沈静化するかどうかは流動的だ。
AFP通信によると、イスラエルの「停戦」後、ガザ各地でがれき下の捜索作業が本格
化し、計95体の遺体が収容された。パレスチナ人死者の累計は1300人以上に達した。
オルメルト首相は、攻撃目標に掲げたハマスの弱体化を「十二分に達成した」と述べ、
勝利を宣言。ガザとエジプトの境界に掘られた武器密輸用の地下トンネルを徹底的に
破壊し、多数のハマス戦闘員を殺害したと説明し「ハマスの軍事力、組織力に大打撃
を与えた」と評価した。
首相はまた、パレスチナ市民が攻撃の巻き添えで死傷したことに遺憾の意を示す一
方、惨状を起こした原因は「ハマスが作り出した」と強調した。
イスラエル軍部隊は当面、ガザ地区内に駐留を続け、ガザ境界の封鎖政策も継続す
る。
これに対し、ハマスは「武装闘争が敵を一方的な攻撃停止に追い込んだ」との声明を
出し、侵攻に耐え抜いたと勝利を宣言した。さらに、イスラエル軍が撤退するまで1週間
の猶予を与えるとし、即時停戦を発表。検問所の開放など封鎖解除をも要求した。
AFP通信によると、18日はガザ地区で8歳の少女らパレスチナ人2人がイスラエル軍
に撃たれ死亡した。また、ハマスの停戦発表後もイスラエル領にロケット弾が発射された。
一方、エジプトのシャルムエルシェイクで18日、中東諸国と欧州諸国の首脳の会議が
開かれ、ガザ情勢への対応を協議した。サルコジ仏大統領は停戦を堅固にすべきだと
強調した。
http://news.livedoor.com/article/detail/3979959/ 関連
【パレスチナ】イスラエル、ガザ地区への攻撃を一方的に停止、軍の駐留は継続 ハマス対応焦点に[01/18]
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