■ インド版エンロン事件 IT企業が10億ドル粉飾 アウトソーシングの雄、転落
1月9日8時1分配信 産経新聞
【シンガポール=宮野弘之】
インド第4位の情報技術(IT)企業「サティヤム・コンピューター」の創業者、ラマリンガ・ラジュ会長
(54)が7日、過去数年にわたって約10億ドル(910億円)の架空の利益を計上するなど粉飾決算を
行っていたことを告白し、突然辞任した。
事件は、破綻した米エネルギー大手、エンロンになぞらえ、「インド版エンロン事件」と呼ばれるな
ど衝撃は広がる一方だ。インドにおけるコーポレートガバナンス(企業統治)の問題だけでなく、低
迷するインド経済全体の先行きにも暗い影を投げかけている。
「サティヤム」とはサンスクリット語で「真実」の意味。ラジュ氏は各証券取引所や取締役会に送っ
た手紙で、過去数年にわたり、売り上げと利益を粉飾してきたことを告白した。
同社は2007年度決算では売上高は21億ドルで、4億2700万ドルが利益とし、前年比で35・5%増益
と発表。しかし、08年度第2四半期決算では売上高を1億ドル近く水増しし、利益も1200万ドルしか
ないのに、1億3600万ドルと10倍以上にかさ上げしていたという。
同社は1987年に米国で創立され、91年にインドのムンバイ証券取引所に上場。その後ニューヨー
ク、アムステルダム、ロンドンなどでも上場を果たした。
米欧との時差を利用し、コールセンターの運用やソフトウエア開発から業務委託(BPO)で業績を
伸ばし、現在は従業員5万2000人を抱え、66カ国の540を超える企業と契約するまでに成長を遂
げた。取引先には米多角的企業ゼネラル・エレクトリック(GE)や食品大手のネスレのほか、米自
動車大手ゼネラル・モーターズやフォードも名前を連ねる。日本企業ではソニーや日産自動車
などとも取引があった。
今回の事件で、インドの企業倫理や会計監査に対する不信がつのるのは避けられそうもない。
91年の経済開放政策の実施以降、インドは急成長を果たしたが、監査制度などの整備は遅れて
いる。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、91年以前の事実上の計画経済の下で設立された
企業の経営者は、政治家らとの“交渉"を優先し、「二重帳簿」などは当たり前で、経営実態を知
るのはわずかだ --- と指摘する。
今回の事件は、こうした背景に加え、ラジュ氏が米国で経営学修士(MBA)を獲得し、アウトソー
シングという新しいビジネスモデルを作り上げたインドIT業界の立志伝中の人物だったことが、実
態が明らかになるのを遅らせた。同社経営陣には、ラジュ氏も学んだハーバードビジネススクー
ルの教授もいたが、粉飾は見抜けなかった。
同氏は告白の手紙の中で、「走るトラから食われないで、いかに降りるかを考えていた」としてい
るが、告白を受けインド当局などが捜査を開始、責任の追及と実態解明は今後本格化する。また
グプタ企業担当相も8日、再発防止のため、あらゆる手段を検討すると語った。
(以下はエンロン事件の解説なので略)
* Yahoo!JP@産経 (2009/01/09-08:01)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090109-00000065-san-int * 依頼頂きました
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1229415271/215