【バンコク=菅沢崇】タイ南部のリゾート地として知られるプーケット島の観光客数が大幅に
減少している。市民団体による首都バンコクのスワンナプーム国際空港占拠などの反政府デ
モ活動でイメージが損なわれ、キャンセルが続出したからだ。年明けの客足も当分、回復は
期待できず、急遽(きゅうきょ)、宿泊料の割引を実施するホテルも目立ち始めた。
同島の高級ホテル「タラバトンビーチホテル」では、昨年はクリスマス前にすでに80%以上
の予約で年始まで詰まっていたが、今年は60%程度。1泊の宿泊料が昨年の4割引の部屋を
設けるなど旅行代理店と協力し、客寄せに努めるが、宿泊係の女性(30)は「特にアジア人客
の減少は顕著で、回復には時間がかかりそう」と話す。
プーケット観光協会によると、最高級ホテルの予約は12月のスワンナプーム国際空港の占
拠あたりまではいずれも90%を超えていたが、その後、3割程度がキャンセルされた。中級ホ
テルでは、予約率半減のところも珍しくない。
プーケット国際空港の幹部職員(46)は「2004年12月の大津波で遠のいた客足がようやく
回復したと思ったのに、今年の暮れは昨年同時期の半分程度となるのではないか。これが最
下点ではない可能性もある」と不安げだ。
タイ観光協会は来年1〜3月の同国への観光客数を前年比の30%減とし、上半期でみても
23%下回る183万人減と予測。バンコクでの影響は深刻で、ホテルの客室稼働率が40%程
度のところも多いという。
都心部の地区商業協会の中には来年半ばに大規模キャンペーンを計画するところもあると
はいえ、「国内の政局が安定しなければ、観光客は戻らない」という声がもっぱらだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000077-san-int