★泳中に不明、知床岬沖まで360キロ 外国人水死体はサハリンの男性
【斜里】
今年九月、網走管内斜里町の知床岬沖で見つかった外国人の水死体が十一日までの
日ロ両国の調査の結果、約三百六十キロ離れたロシア・サハリン州の海岸で八月に
行方不明となったユジノサハリンスク市在住のパーベル・スクリプニコフさん(26)
と判明した。十二日、斜里町役場を訪れるカストロノフ駐札幌領事に遺骨や遺品が
引き渡される。
網走海保によると、九月一日、道の漁業取締船が知床岬灯台の約十五キロ西沖で
漂流中の遺体を発見した。死因は水死で、指輪二つと腕時計を身に着け、左手の甲に
小さな入れ墨があった。
網走海保は体の大きさなどから外国人で、ロシア人船員ではないかとみて、所持品などの
写真を在札幌ロシア総領事館に送った。
ロシア側の調査で、八月四日にサハリンのアニワ湾沿岸の海水浴場で遊泳中、行方不明
となったスクリプニコフさんの妻らが、指輪や入れ墨などから身元を確認した。
網走海保は「宗谷暖流に乗って知床まで流れたのではないか。これだけ遠くから流れて
きた外国人の遺体の身元が分かるのは極めて珍しい」としている。
【ユジノサハリンスク11日津野慶】
パーベル・スクリプニコフさんの父セルゲイさんは十一日、北海道新聞の取材に対し
「息子が生まれた場所に遺骨を埋めることができる」と、言葉少なに語った。
スクリプニコフさんは八月四日午前一時すぎ、海岸で車のヘッドライトを頼りに友人たち
と泳いでいた。車のバッテリーが切れそうになり五分ほど消灯した間に、姿が見えなく
なったという。
(12/12 07:58) 北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/134663.html