★虐待描写に母親が名誉毀損で訴え 英弁護士の「自伝」
ロンドン(AP)
子ども時代に家庭で虐待を受けた体験記として、英国の女性弁護士が06年に
出版した著書をめぐり、母親が「事実ではない」と主張、この弁護士と出版社
を名誉毀損でロンドンの高等法院に訴えている。
問題の本は、コンスタンス・ブリスコーさん(51)が書いた「Ugly
(アグリー、醜いの意味)」。出版以来50万部を売った話題作で、続編も
出ている。
コンスタンスさんによると、このタイトルは子ども時代、母につけられた呼び名。
ロンドン市内の貧民街でジャマイカ移民の家庭に育ったコンスタンスさんは、
母や義父から精神的、身体的な虐待を受けていたという。同書によれば、母には
日常的に殴られ、食事も与えられず、13歳で捨てられた。コンスタンスさんの
胸には後に手術が必要になるほどの傷跡が残り、義父からは手にたばこを押し付け
られたこともあるという。
これに対し、母のカーメン・ブリスコー・ミッチェルさん(74)は、「本に
書かれているのは作り話」として、コンスタンスさんらに損害賠償を求めている。
カーメンさんは公判で「とても幸せな家庭だったのに」と涙を流し、「子ども
たちは私の誇りであり、喜びでもあった」と語った。担当弁護士は、「虐待が
事実なら、コンスタンスさんは当時、警察や福祉団体、学校などに助けを求めて
いたはずだが、その記録はない」と指摘した。
一方、コンスタンスさん側の弁護士は証拠として病院関係書類などを提示し、
「同書には一部誤りもあるが、書店のフィクションコーナーではなく、自伝の
コーナーに置かれるべき作品だ」と述べた。
裁判は18日から始まったが、陪審の評決は12月以降になる見通しだ。
2008.11.30 Web posted at: 19:55 JST Updated - AP
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200811300016.html