■ 成人年齢を15歳から18歳に引き上げる法案、抵抗に遭いながらも可決 - サウジアラビア
【ジェッダ(サウジアラビア)/Arab News】
評議会は議会長と一部評議員の強い反対の中、成人年齢を15歳から18歳に引き上げる法案
を可決、評議会では計93人がこの改正を支持したと Asharq Al-Awsat 紙が25日報じた。
報道によると、イスラム教司法及び子供の権利委員会は成人としての始まりの年齢を現在の
15歳のまま維持しようとしていた。成人年齢についてはこれまでイスラム学者の間でも議論の
的となっていた。
そのうちの何人かは第二次性徴(#1)を幼年期の終わりと位置づけることを提案していた。
(#1・・原文では、月経等記述がありましたが、意訳として第二次性徴としました。一応、基準の
一つとして精通・陰毛の生え始め・月経などもありますが、現代社会における目安では年齢を
基準にするのが一般的、中でも15歳を境目とする説が割と大勢なので、上の何人かは人数的
に見ても主張から見ても極少数派。)
Azib Al-Misbil (前述のイスラムの司法及び子供の権利委員会議長)は、現在15歳で成人年齢
とみなすことを変えるのは、シャリーア(イスラム法)の原則に反していると主張する。彼の主張
によれば、預言者(ムハンマド)の平和を築く為の戦いに参戦した者たちがわずか15歳であった、
というのが成人年齢が15歳より始まることの証左であるという。
しかし、イスラム法を専門とする元裁判官の Abdul Aziz Al-Qasim によれば、サウジアラビア
の官公庁が「二つの成人年齢」を採用することは「矛盾している」という。
旅券局では21歳未満の若いサウジアラビア人男性が海外渡航するのに両親の同意を必要と
してはいるが、18歳未満は運転免許が取れないという、交通当局の慣習について言及した。
また、自治省は孤児・障害者でない限り18歳未満の人に対しては、土地を与えないという点に
ついても指摘する。彼は特にシャリーアにおける明確な原則が問題となっていなかった時期か
ら、生物学的特徴の変化ではなく、実際の年齢を基準に考えるようにするべきだと求めている。
Al-Qasim は「青春期の始まり=幼年期の終わり」とするイスラム教に基づく根拠を否定し、
戦いにおける参加者の年齢がどうだったかなどは全く別次元の問題だ、と語る。
何人かの評議会メンバーは匿名で、今回の法案がサウジアラビアの法律の国際的なラインへ
の飛躍を意味する事になるだろう、と証言した。サウジアラビアは「子供の権利に関する国際
条約」に署名しており、その下では18歳未満は子供と見なすことになっている。合意内容では、
死刑(#原文は断頭処刑)は18歳未満に適用されないと規定されている。
弁護士の Khaled Al-Mutairi は、国が国際合意に基づいて国内法令の主要部分を作成したと
語る。
「刑法が適用されない場合は、シャリーアの下にさえ、死刑は行われてはならないのです。
一部の裁判官がこれら国際合意を無視・破るかたちを取るので問題は起こるのです。」
* Arab News (2008/11/26-**:**)
http://www.arabnews.com/?page=1§ion=0&article=116706&d=26&m=11&y=2008 * 依頼頂きました
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1224133244/382