◆Iraq cabinet backs US troops deal(BBC)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_depth/7731971.stm http://newsimg.bbc.co.uk/media/images/45210000/jpg/_45210705_9fc54073-989d-4470-b592-1d7dd6a782e8.jpg 現在15万人規模の駐留米軍の将来に関する地位協定をイラク内閣が承認した。これにより、米軍は来年、
通りや町(のパトロール等)から撤退し、2011年末までにイラクから撤退する。
地位協定は議会での投票を経て最終決定される。日曜日遅くには議会に提議されるが、投票がいつになる
かは不透明。その後、大統領府の批准を経て、マリキ首相とブッシュ大統領の間で調印が行われる。
イラク・米両国は2008年12月31日に期限切れとなる国連決議以降の米軍駐留に関して2国間協議を続けて
きた。10月には、イラクは地位協定の草案に対する一連の修正提案を米国に送り、米国は同意した。ワシ
ントンは地位協定は最終案であり修正はできないとしていた。
イラク政府報道官によると、内閣は二時間半の閣議を経て、28人の閣僚のうち1人を除く賛成で協定を承
認した。協定での合意事項には以下のような項目が含まれるとのこと。
・米軍をイラク政府当局の配下に位置づける。
・米軍は、イラクの町や村の通りから2009年中頃に撤退する。
・米軍は2009年に、その基地をイラク側に引き渡す。
・米軍は、イラクの裁判<judge>と政府の許可による命令なしで家屋を捜索する権限を持たない。
BBCのBob Trevelyan記者によると、マリキ首相は修正草案への支持を固めようと動いていて、議会で多
数派を占めるシーア・クルド連合の支持をとりつけた。
また、マリキ首相は、シーア派聖職者で大アヤトラのシスタニ師に、修正草案に対して公に反対しないよ
う説得していた模様。
シスタニ師はイラクのシーア派コミュニティで大きな影響力を持っている。BBC記者によると、シスタニ
師が修正草案を少しでも公に批判すれば、議会での承認を得られなくなるとのこと。
イラク政府筋は、草案が議会を通過しない場合、イラクの治安は大きく毀損するとしている。
米当局筋は、修正草案により米軍の作戦は停止しうる、と述べていた。
一方、地位協定は、シーア派聖職者サドル師など強硬派ナショナリストから非難されている。サドル師派
は「占領者」米国とのあらゆる協定に反対する大規模なデモを呼びかけている。
バグダッド市内では、協定に関して賛否両方の反応がみられた。
「米国との協定を望みません。イスラエルとの協定も望みません。イランとの協定も望みません。政府は
(協定よりも)強いイラク軍を育てることに注力すべきです。我々は地位協定を完全に拒絶します」Rasheed
al-Jumaliさん。
逆に、Mun'am al-Abadhiさんは政府を支持する。「イラク政府は、国民が抑圧されていることをよく知っ
ている。協定が我々に利益をもたらすなら、協定を受け入れます」
16日の閣議の直前には、バグダッド北部の検問所近くで路肩爆弾が爆発し3人が死亡、少なくとも7人が負傷
している。
死亡したうち2人は、元武装勢力で(イラクの)アルカイダと戦うため米・イラク軍と連携しているスンニ派
民兵組織のメンバーだった。現地通信員によると、イラクの治安改善のため彼ら(スンニ派民兵組織)は重要
な役割を果たしているという。