母国語の図書寄贈 ブラジル大使館から鈴鹿市立図書館へ
鈴鹿市立図書館にブラジル大使館からポルトガル語の図書58冊が寄付された。
ただ同図書館では外国人向けの貸し出し態勢は整っておらず、外国人が借りて
いくことは「ほとんどない」(図書館関係者)のが実情だ。
図書は、日本人のブラジル移民100年を記念し、同国の教育省が10月、大使館、
県を通じ「外国人集住都市」の鈴鹿に贈った。同図書館では、11月から閲覧室
入り口にブラジルへの移民をテーマにした日本語の図書とともに29日まで展示し、
貸し出しもしている。展示終了後は、英語の図書中心の「国際コーナー」に移す。
市内に住民登録している外国人のうち、ブラジル人は約5300人と最も多い。
市役所には外国人の生活支援のための窓口があるが図書館にはなく、図書館の利用
についてポルトガル語で説明した「パンフレット類はない」(市関係者)としている。
このため、ブラジル人が貸し出しを希望した場合も、運転免許証や外国人登録証を
提示してもらった上で「日本語で登録手続きをしてもらう」(図書館関係者)という。
ブラジル人を中心に外国人支援活動をしている特定非営利活動法人(NPO法人)
「愛伝舎(あいでんしゃ)」の坂本久海子代表は「母国語の本を読みたいという
ニーズはある」とみる。「ポルトガル語の本が贈られたことを関係先にPRすると
ともに、図書館の貸し出し態勢も整えてほしい」と話す。
2008年11月8日 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20081108/CK2008110802000024.html =写真=ブラジル大使館から贈られたポルトガル語の本=鈴鹿市立図書館で
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20081108/images/PK2008110802100119_size0.jpg