英法曹界もインドに注目:法律関係のアウトソーシングが盛んに
イギリスの大手法律事務所が、経費削減のため譲渡証書作成、事故の申し立て、
債権の評価などの業務をインドに委託するケースが増加している。
現在イギリスの法律事務所では、経費削減の手段として数千人単位のインド人
弁護士や法学部の新卒が雇用されているという。
世界最大の法律事務所と言われる英クリフォード・チャンス(Clifford Chance)は、
ニューデリーに独自のオフショア拠点を設置している。また、エヴァーシェッド
(Eversheds)などの大規模法律事務所もインド人を積極的に雇用していくと
発表している。
英紙インディペンデントは特集記事で、イギリスの法律事務所の中には、今後数億
ポンド規模の案件業務のインドへのアウトソーシングを検討しているものもあるという。
「かつてはインドにアウトソーシングと言うと、コールセンターなどあまり良くない
イメージが付きまとっていた。しかし、今は人々の印象が大きく変わってきている。
法律の専門家から適切な法的アドバイスを受けることができるという肯定的な
イメージに変わりつつある。国際的にもインド人弁護士は優秀だという認識が
強まってきている」とインディペンデント紙は分析する。
インド人の強みはやはりその英語運用能力だろう。英語を自由自在に操る優秀な
学生が毎年約8万人の法学部を卒業している。また、インドの法体系が英米法に
基づいているのも、強みの一つだ。
法律関係の業務を受注するインドのCPAグローバル(CPA Global)によると、30以上の
法律事務所や企業の法務部がインドへの法律業務の委託を検討しているようだ。
かつて保守的であった法曹界も、経済停滞の影響で業務コストを下げるよう求められ
ている。クライアントに巨額なコストを要求せずに適切な価格で法律サービスを提供
しようと、斬新的な手段を考えるのに必死だ。それに対し、インドの約100の法律外注
センターは、アメリカやイギリスの法律サポートの需要に応えようとしているのだ。
ヴォイス・オブ・インディア
2008/11/05 Wednesday 17:35:22 JST
http://www.voiceofindia.co.jp/content/view/2021/61/